【コトノハ】指揮官の言の葉を辿る⑤「選手が楽しそうにやっているかどうかという基準はすごく大事」
前回のコトノハで取り上げた第2ステージ第1節名古屋戦後の会見で、世界基準について触れた指揮官は、同じ文脈で次のような趣旨の話にも言及している。
「日本は走行距離があっても順位が上がらない、ブンデスリーガと比べ勝点3を取る確率が低い、という記事を先日読ませていただきました。それはうちのことで、おっしゃっていることは正しいと思いますが、だからといって走るのをやめるのか、我々が縦に行く推進力を無くすのかというと、そういうわけにはいかない。僕も全部を見たわけではないが、世界のどの国もどのフットボールもゴールに向かうプレー、ゴールに繋がるプレーを大事にしているなかで、そういうふうに言われていることに僕は非常に寂しい想いがあるし、勝点3を取る確率を上げ、みんなが(大切さを)感じ取れる試合を増やしていきたいと思っている。まだまだ足りないところはたくさんあると思っているので、一歩でも世界に近づけるようなアプローチをし続けたいと思います」
とかく湘南は、個の能力を走力で補うと語られがちだ。対して曺貴裁監督は、ほんとうの意味での技術の必要を説きながら、こうした論調に疑問を投げかける。
「走って技術不足を補うという論調が日本のなかにまだ存在するのかとすごく疑問に思う。技術とは何か、疲れてないときに持っている技術と疲れたときに持っている技術のどちらが本物なのか。サッカーはボールを扱うスポーツだから、走る・走らないよりもそちらを論じるべき」
「走るチームが勝てないといった単純な話ではない」と続ける。指揮官の言葉に、日本と世界の根本的な違いが浮かび上がる。
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