【頼もう!感想戦 feat.平澤大輔】~明治安田生命J2リーグ第33節vsいわてグルージャ盛岡 vol.2~「ぜひ語りたい、このゴール!」
中継映像で観戦したわれわれ2人ですら、後半早々の小島亨介選手のPKストップから伊藤涼太郎選手の先制ゴールまでの数分間のポジティブなエネルギーには圧倒されました。いよいよシーズンも佳境。スパート態勢に入るチームを、元週刊サッカーマガジン編集長の平澤大輔さんと語り尽くします!
■すべてのアクションが魅力的
――岩手戦が圧巻だったのは、後半早々の小島亨介選手のPK神セーブから1分で、伊藤涼太郎選手のすばらしいシュートで先制したところでした。
「涼太郎選手はJリーグ公式サイトでも、自分のゴールよりPKストップが試合を決めたというコメントをしていて、まさにその通りだと思います。コジ選手がPKを止め、その直後ですからね。岩手の秋田豊監督も同様のコメントをしています。ピンチの後にチャンスあり、とは本当なんですね。面白いなあ」
――それで思い出したのが、この間の成岡翔さんとの感想戦で出てきた話です。残留争いをしているチームのメンタルについてなんですが、何とか試合までに気持ちを立て直して臨むんだけれど、失点するとがっくり落ちて、また元の状態に戻ってしまう。だから勝てていないチームが勝つためには、ノーマルな状態の倍以上のエネルギーが必要になってくる、という話で。
岩手の立場からすると、PKを取った瞬間は本当にものすごく盛り上がったと思うんです。秋田監督も「チームとして狙い通りだった」とコメントされていますし。
「自分たちは3連敗中の降格圏内で、相手は2位の新潟。そこで先制する大きなチャンスでしたからね」
――そのPKを止められた落胆も、ノーマルなとき以上に大きかったんじゃないでしょうか。しかも新潟は、そこを見逃さずにスパスパとパスを通して、伊藤選手のすばらしいゴールにつなげましたから。先制した場面のパスワークはもちろん、最後、谷口海斗選手の落としに島田譲選手が右後方から斜めに走り込んできて、伊藤選手につなげたじゃないですか。島田選手の、あの斜めのランニングが新鮮でした。
「そこは準備してきたレジュメの『右が左で左が右で』につながるところなんです。島田選手は、いつもであればボランチの左に入ると思うんです。例えば、高宇洋選手が右のボランチで。
ところが岩手戦では、特に前半、島田選手が右に、秋山裕紀選手が左に顔を出してボールに絡むことが多かった。そこは、この試合で準備したポジショニングだったのかもしれません。
それで先制の場面では、まず(藤原)奏哉選手が内側にポジションを取って、そこに島田選手からパスが渡ります。そのあたりから、僕はゾクゾクが止まりません(笑)。そして奏哉選手が斜めにパスを刺して、海斗選手が落として……という一連の流れ。とにかく、すばらしいのひとことに尽きます」
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