ニイガタフットボールプレス

【聖籠ノート】取材ノートを再び開いて

■笑顔はひとつのバロメーター

2週間のお休みをいただいた『ニイガタフットボールプレス』、本日より再開いたします。引き続き、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

アウェイでのファジアーノ岡山戦(壮絶な試合でしたね……)である今日、僕は聖籠のクラブハウスに向かいました。日々アルビの練習場に足を運び、週末の試合を取材する。そのためにフリーランスのライターとなり、新潟に移住して11年目ですが、居残り組のトレーニングを取材するのは初めて。いったい、どういう雰囲気なのか。少しドキドキしていました。

トレーニングの冒頭、円陣から能仲太司コーチの次のようなことばが聞こえてきました。

「ここにいるみんなは、“試合のメンバーに入れなくて残念”という気持ちしかない集団であってはいけない。そして、ただメンバーに入るだけでなく、試合に出て活躍して、勝利に貢献する。J1昇格に貢献する。そういう気持ちを持った集団であってほしい。それを実現するためにも、今日の岡山戦のメンバー18人よりも良いトレーニングをしよう!」

そうして始まったウォーミングアップは、さまざまなバリエーションのリフティング(両手を使ったり、ボールを弾ませて馬飛びの要領で飛び越えたり)、鬼ごっこのようなポジショニングだったり、遊びの要素も多く盛り込まれていました。当然のように、選手たちの笑い声や歓声が上がります。それで僕は安心しました。トレーニングに集中し、真剣に臨んでいるからこその、彼らの笑顔であるはずだから。

■伝わる全力プレー

パス練習、1対1に続いて、ゴールを二つ置き、GKが入って対人練習が行われました。2チームに分かれ、最初は1対1、2対2、4対4、そして最後は5対5になりました。

みんな集中し、真剣にプレーするのを象徴している。そう感じさせたのが、レオナルド選手です。レオは自分がプレーしていないときも、「ナイス、サチ!」、「バモス、ゴメス!」と、仲間に声を掛け続けていました。自分がプレーするときは、攻撃だけ頑張るのではなく、守備でもしっかり相手に付いていってクロスをスライディングで蹴り出したり(左サイド深いところまで運んだ森俊介選手の狙い澄ませた左足クロスだったので、相当にコントロールされていたはずです)、常に全力でした。

『ニイガタフットボールプレス』を休んでいる間に試合メンバー外となったレオナルド選手は、プレーが気になる1人でした。はつらつとトレーニングに臨む姿を見て、心配は杞憂だったとすぐに分かりました。驚くようなシュートを決めたかと思えば、簡単なシュートを決め切れない。精度の課題が残ったものの、それをクリアするのは今日の集中力、真剣さで継続あるのみ。そして今日のレオ選手の取り組みを目の当たりにしたからこそ、次に公式戦のピッチに立つときが、いっそう楽しみになりました。

ずっと試合メンバー外で、そこからチャンスをつかんだ渡邊凌磨選手、今日の岡山戦で初のメンバー入り、初先発を果たした平松宗選手、そして新潟デビューを値千金の2ゴールで飾ったフランシス選手。今の彼らほど、居残り組のモチベーションをかき立ててくれる存在はないはずです。

居残りトレーニングは、チームにとって本当に大切な意味を持つ。そう感じた1時間半のトレーニングでした。そして僕は、取材ノートの今日のページの一番上に、こう書き記しました。彼らがきっとチカラになる。

reported by 大中祐二

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