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廣瀬寧生ハットトリック、川村求2ゴールなど大量7得点、無失点で初戦勝利/2025Jユースカップ1stラウンド第1節 vs栃木シティU-18【レポート】【#無料公開】

■前半からゴールを重ねた

2025Jユースカップが3月22日に開幕した。
川崎U-18の開幕カードは栃木シティU-18だった。

2025Jユースカップに関しては、2025年12月31日において満年齢17歳以下の選手がエントリー可能な大会と規定されている。なおフィールドプレーヤー3選手、GK1選手のオーバーエイジ枠(2026年4月1日において満年齢18歳以下の選手)が認められているが、フロンターレは不使用の方針だとか。

この大会については森勇介監督は指揮をとらず。森監督は、指揮をとる梶田隼渡コーチをサポートする役割に回っている。

そんな試合は共に4-2-3-1のフォーメーションでスタート。
フロンターレの布陣は、GK21岡本栞汰、最終ラインは右から22山川陽平、3藤田明日翔(C)、24長崎亘祐、20三上瑛大。ボランチは34武内勇人と、32加藤昊のコンビで。2列目が17廣瀬寧生、18奥田悠真、35木村風斗、FWが36川村求という陣形だった。

試合は立ち上がりから川崎U-18が押し込む展開で、基本的に栃木シティU-18陣内で試合を進めていた。必然的に使えるスペースはそう多くなかったが、それでも左右のサイドからの仕掛けで栃木を押し込んだ。

先制点は前半20分。右サイドから仕掛けた廣瀬がゴールすると、廣瀬はそのボールを自ら抱えて戻り追加点に対する貪欲さを見せていた。


22分には左サイドを突破した 木村からの折り返しを、ゴール正面に入っていた三上が豪快にねじ込んで2点目。

その後も栃木シティのボックス内にボールを運ぶ形を複数回作ったが、ゴールネットを揺らすまでには至らなかった。

そんな37分に廣瀬がこの日2点目のゴールをドリブル突破から決めると、さらに38分には木村のシュートのこぼれ球を、廣瀬がそつなく押し込んで前半だけでハットトリックを達成した。

「自分の役目はやっぱり点を取ることだと思っているので。ハットトリックできて、率直にうれしいです」

自らのハットトリックをそう振り返る廣瀬に対しては、試合開始直前に森監督からアドバイスが出ていた。この件について廣瀬に聞くと「もともとのポジションがFWということで、自分は点を取るという役割で。サイドですけど、クロスを上げるんじゃなくて、フィニッシャーになる」ことを改めて意識できたとのことで「やっぱり自分が点を取らなきゃなって思っていました」と振り返っている。

なお、去年起用されていた中央と、今季ここまでやっている右サイドとでの手応えについて「両方好きであるんですけど、サイドからの方がやっぱりボールを前向きに持ったり、背負うことがないので。フリーで受けられたりするので。自分の得意なスピードを生かして、縦突破やゴールに絡んで行くシーンが増えるようになりました」とのことで、やりやすさを感じるコンバートになっているようだ。

■後半も得点を重ねる

後半開始時に川崎U-18は2枚替え。
廣瀬に代えて十河晟央を投入。またGKも岡本から岩田幹太郎に代わっていた。

後半から出場の十河は積極的にゴールに関わろうとプレーを継続。60分にはシュートまで持ち込むが、DFにブロックされている。

ベンチは61分に奥田に代えて西川航雅を投入。その直後の63分に十河がチームの5点目を決める。木村からのパスを受けた十河が精度高くゴールネットを揺らして追加点となった。

試合はその後、集中力の切れた栃木シティの守備陣のミスを突いて66分に川村がチーム6点目を決めると、79分にもその川村が連続ゴールでチーム7点目を決めて圧勝する試合展開となった。

なお、後半に2ゴールの川村は「今日は7対0だったんですけど、もっと点差を離せられたんじゃないかなと思っています」と反省。

自らの2ゴールについては「1点目は、相手がミスしてくれて。落ち着いて流し込めて。2点目はセイヨウ(十河晟央)くんからいいボールが来たんで。抜けて流し込めて良かったです」と振り返っている。ちなみに川村の2点目はコンパクトに反転してからのシュートで技巧的な得点だったが「ゴール前のああいうちょこちょこしたのは得意です」と話していた。

フル出場で2得点と勝利に貢献した川村ではあったが100点満点で「60点ぐらいで。点取れたんですけど。まあ、でも何かあまり良くなったです」とのことで、具体的には「ドリブルしたときに足からボールが離れてちゃうところが多かったので。もっと本当はできるはずなんですけど」と話していた。

ちなみに緊張したわけではないとのことだ。

■無失点試合

キャプテンとして7-0で試合を終わらせたCBの藤田明日翔は「7-0で大勝なんですけど、もっと点取れた部分もあったり。内容もそこまでいいものではないので。プレミアの相手に通用するということを考えたら、もっとできたのかなって思います」と反省。

押し込み続ける展開での最終ラインとして意識していたのは配球とリスク管理だったという。

「やっぱり配球の部分では得点につながるような配球を意識したり、待つ時間も多いので。カウンターのリスクがあるので。リスク管理の部分もセンターバックである自分が、声をかけてしっかりしようという意識はありました」

その藤田は24日からサウジアラビアに移動してU17アジアカップを戦うが「自分はセンターバックでも無失点で結果を出して。攻撃の部分でも自分の良さを生かしながらできたらいいなと思っています」と意気込んでいた。

トップチームよりも一足先にサウジアラビアで公式戦を戦うということで、トップチームに先んじる活躍を期待したいと思う。

■チーム内競争へ

7-0で試合を終えた梶田隼渡コーチは「普段公式戦に絡めてない選手がちょっと気合を入れた中で、取り組んでくれたので、こういった良い結果につながったかなとは思います」と選手を褒めつつ「始動してからの期間から考えると、もしかしたらいい形は多いのかなと思いますけど、やっぱり彼らがプレミアリーグに絡んでもらうというのが、我々の目標であり、あとはトップチームに昇格するっていうところを考えると、やっぱりまだまだAチームで出るような選手と比べれば、やっぱり技術面もフィジカル面も足りないと思うので。そういうところも今日出たメンバーも理解はしてくれてると思うので。まだまだこれからもっともっと成長できるかなと思います」と引き締めるコメントを残していた。

2週間後のプレミアリーグ開幕に向けて、下級生組の活躍でAチームを突き上げて、チーム内競争を活性化させてほしいところだ。


■コメント

指揮を執った梶田隼渡コーチ、藤田明日翔、廣瀬寧生、川村求の各選手です。

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