チャン・シンイチ「川崎はもともと日本でも強いチームだから」/ACLE2024/25 R16_2nd vs上海申花【コラム】
フロンターレを苦しめた上海申花の左サイドバック、チャン・シンイチは、香港人のお父さんと日本人のお母さんを持つだけに日本での試合には特別な気持ちがあると述べていた。
「私の母親も日本人だということもあり、その家族の前でプレーするのは、とても特別な気持ちがあるというふうに感じています」
ちなみに等々力には、おばあさんが来場していたとのこと。
そのチャン・シンイチに試合後に、改めて日本での試合について聞くと「結構特別。これは2回目で、はじめは横浜で」と話しはじめた。チャン・シンイチは、16歳から香港でプロデビューしているが、コロナもあって海外での試合のチャンスが無かった時期も。だから「今回、日本で試合に出られて、2つ日本のすごい強いチーム(川崎、横浜FM)とやって。結構いい感じでした」と振り返る。ただし、結果が出なかったと残念がっていた。
なお、アウェイでの第1戦も含め、攻撃面で違いを見せていたチャン・シンイチはこの第2戦でも活躍。後半79分には左サイドからゴール正面のサウロ・ミネイロにピンポイントクロス。山口瑠伊が際どく膝でクリアするという決定機を演出している。
この場面も含め、上海申花はチームとして決定機は作れどゴールは割れず。ラウンド16での敗退となってしまった。それについては「ちょっと残念に思いました。チャンスはあったけど、ちゃんと試合を進められず」と悔しそう。そして「川崎はもともと日本でも強いチームだから」とフロンターレの強さをたたえていた。
個人的にJリーグで戦えるだけの能力があるように感じたが「チャンスがあったら考えるけど、先に自分は集中して、未来を考えます」と堅実だった。
なお上海申花の国内リーグの再開は3月29日。この間、チャン・シンイチは香港代表としての日程を消化することになっている。
「ちょっと休んでから、香港代表での試合に集中してやりたい」
香港代表は3月19日にマカオ戦を戦い、3月25日のアジアカップ3次予選をシンガポールを相手に戦うことになる。
「香港代表がアジアカップで戦う(出場権を取る)のが目標になっているので。ちゃんと体を準備して頭を準備して、試合ちゃんとやりたいと思います」そう、今後を展望していた。
日本語で質問していいかと尋ねると「ゆっくり話してもらえれば」と快く対応してくれたナイスガイだっただけに、そのチャン・シンイチの活躍により、香港代表のアジアカップ出場獲得のニュースが届くことを楽しみにしたい。そして、いつの日か日本代表との対戦でも見てみたいと感じさせられた選手だった。
(取材・文・写真/江藤高志)