「川崎フットボールアディクト」

凍るピッチとコンクリートの比喩。そして優しい山田新【#オフログ】

試合会場のことをあまり悪く言いたくはないのだが、事実として過酷なピッチコンディションであることは伝えておきたい。

事前に浦項のスタジアムは凍る事があると聞いていたのだが「またまた、ご冗談を」くらいに思っていた。ただ、氷点下に届かない10日の前日練習でも日陰のピッチは凍っており、ピッチからは硬い地面のような音さえ聞こえていた。そんなピッチについて前日練習を終えた選手たちに話を聞くと、そろってコンクリートのような硬さだとの声が聞こえてきた。

山田新は「本当にカッチカチなので。コンクリートみたいで」とのことで「ケガしないように。シーズンはじめですし。みんなそうですけど、相手もケガしなければいいなと思います」とフロンターレのみならず、浦項の選手からもケガ人がでなければと話していて優しかった。

一方、佐々木旭はもっと直接的に「コンクリです(笑)。本当に」と苦笑い。

「ポイントが入らないですし、すごい硬いので。そこは気をつけながらやりたいなと思います」

そう話す佐々木は「ポイントが地面に当たる音が、こういうところ(コンクリートの床)を歩く音がそのまま聞こえるくらい、硬い」のだと話していた。

同じく「めちゃめちゃ硬いです」と話す伊藤達哉は「結構硬いとかのレベルじゃなくて、もう本当に体感は、こういうの(コンクリートの)上に芝がちょっと乗っているぐらいの硬さなので」とのことで、練習では動きに制限を掛けて「止まったりとか、急な方向転換とか、ちょっと今日はしないようにして」いたとのこと。

ピッチの硬さは走るだけでも足や腰に負担として影響を及ぼす。また倒れ方が悪ければ、それもケガのリスクにつながる。シーズン開幕戦がそうした過酷な環境での試合となるが、ケガなくうまく乗り越えてほしいと思う。

ちなみに伊藤によるとより寒さが厳しそうなヨーロッパでは、寒さ対策がなされていたという。

「ヨーロッパは大体ピッチヒーターが付いているんで。凍ることはなくて、どっちらかというと芝がすごい緩くて。ベチョベチョっていうのがあるので」

ベチョベチョのピッチはそれはそれで嫌だが、硬さのデメリットを考えるとマシなのは間違いない。

(取材・文・写真/江藤高志)

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