両チームにハットトリックが出た乱打戦はフロンターレに軍配。山田新が5得点全てに関わる活躍で勝利に導く/J1 第37節 vs東京V【レポート】
J1 第37節
11月30日(土)14:03KICKOFF/味スタ/26,387人)
東京V 4 – 5 川崎
■前後に揺さぶる
佐々木旭を起点としたロングボールが効いていた。
綱島悠斗の背後をマルシーニョに走らせて東京Vの最終ラインを背走させてチャンスメイク。
山本悠樹によると、スカウティング通りの攻め筋だったという。
「ウィングバックとセンターバックの間が空いているというスカウティングもあったので。チームとしてそこ、特にマルちゃんのところを狙えていたかなと思います」
そうやってラインを押し下げる効果が出たこともあり、東京Vの前線からのプレスをフロンターレの中盤はなんなく回避し続けた。
「プレスには来てたんですが、そこでひっくり返して前で起点を作れて得点も取れて。入りとしてはすごく良かったかなと思います」
なお、山本は東京Vのプレスの回避について「ソウタ(三浦颯太)を上げたりとか、俺が落ちたときにボランチがどこまで付いてくるかとか。その辺の塩梅を見ながら」試合を進めていたのだとも話す。仮に山本のところに東京Vの森田晃樹、もしくは齋藤功佑が来ないのであれば「自分でターンできます」と山本。また彼らボランチが付いてくるようであれば「もうアサヒに蹴飛ばしてもらえれば、セカンドは拾えるというのがあった」のだとしている。
佐々木からのフィードを「蹴飛ばしてもらえば」と表現する山本の感性がおもしろいが、もしかしたら、できればつなぎたいというような、サッカースタイルに対する美学のようなものがその背景にあるのかもしれない。
そんなことを考えつつ、佐々木のフィードについて書き添えておくと、彼はただ蹴り飛ばしていただけではない。相手からのプレスを受けても余裕をもって切り返す場面はあり、無人のスペースにドリブルで持ち出して局面を転換させるようなスキルも見せていた。蹴る場面と、つなぐ場面を織り交ぜていたことも、東京Vのプレスが効果的ではなかった要因の一つで、フロンターレが序盤を優位に進められる要因になっていた。
その佐々木のロングフィードが試合を転換させた13分の場面は、だから狙い通りの展開だった。マルシーニョを狙って佐々木が縦パスを入れると、これを綱島がヘディングミス。GKマテウスへのバックパスを狙ったが距離が届かず、山田新が追いついてしまった。
■山田新
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