「川崎フットボールアディクト」

握れてはいたが「理不尽な」先制点を巻き返せず/J1 第31節 vs名古屋【レポート】

J1 第31節
9月22日(日)16:04KICKOFF/豊田/32,768人)
名古屋 2 – 0 川崎

■「理不尽」な1失点目

サッカーに理不尽はつきものだが、アウェイの名古屋戦はそれが出た試合だった。

なにしろ1失点目だ。永井謙佑のロングシュートがまず理不尽。あれだけのコントロールシュートをあの距離で沈めるのは見事としか言いようがない。チョン・ソンリョンの頭上を越すファインシュートで、これは永井のシュート能力を褒めるしかなかった。

ただしこのゴールには物言いを付けざるを得ない。問題は副審の挙動で、永井が裏抜けした瞬間にフラッグを上げてファールをアピールしていたのだ。オフサイドギリギリのタイミングだったためだと推測するが、VAR導入後のJ1で言えば、オフサイドディレイを採用すべきだった。

結局、副審が上げたフラッグを視認した複数のフロンターレの選手たちは、何の問題かは分からなかったにせよ、何らかの問題があったものと誤認しており、ゴールが決まった後にも落ち着いた様子を見せていた。

改めてこの場面を見直すと、永井と対峙していた橘田健人は永井からは目を切らさずに対応を続けていたが、その後ろに控えていた高井幸大は、副審のフラッグアップを視認。永井がシュートモーションに入る前には左手を上げている。その後、永井がシュートモーションに入るが、橘田のボールへの寄せは緩慢だった。橘田は詰めることよりも遅らせることを優先させていたようだが、通常であればもっと鋭く寄せる場面で、不自然さを感じた部分だった。

なお、ゴール後にVARが入ったこの場面、オフサイドとハンドの可能性をクリアして得点に。VARは副審の旗については議論していないはずで、またプレーの最終決定権が主審にあり、副審が旗を上げたとしても主審の判断が優先されるということなのだろう。
(例えば、オフサイドの場面で副審が旗を上げたとしても、守備側に不利益がない場合など、主審はプレーを流すことがある)

ただし今回の場合、旗を上げた時点でフロンターレの複数の選手のプレー強度が弱まっており、それが副審の勇み足だったとしてもプレーは止めるべきだったのではないかと考える。このあたり、審判団の交信記録などが公開されないとわからないが、審判交流でカタールから来日中のアブドゥルハディ・アルルアイレさんが主審を務めていたのも不運な部分だった。アルルアイレ主審以外は日本語を母国語としているはずで、主審とそれ以外の審判団が、母国語ではない言語でコミュニケーションを取る必要があり、相互に理解を深めるのは難しかったはず。いずれにしても審判が目立ってしまったという点で残念な1失点目となった。

■握れてはいたが

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