「川崎フットボールアディクト」

高井幸大のA代表デビューを板倉滉と谷口彰悟の証言で振り返る【コラム】

高井幸大がA代表デビューを果たした。それもワールドカップの最終予選でだ。これまでの代表選手を振り返っても、そう多くないはずの経歴を作った高井だが、試合自体は「楽しんでやりました」と話していた。その高井が出場した71分の時点でスコアは4-0。大量得点の試合にありがちな、無駄な失点はしたくない。そういう意味で言うと、高井は無失点で試合を終わらせた守備陣の一人として責任を果たしたといえる。

なお、高井と交代したのは、アカデミーの先輩である板倉滉で、ピッチに入る高井に対し「楽しんで」と声がけしたのだとの事。その高井のプレーぶりをベンチから見た板倉は、「落ち着いてね、入っているし。普段どおりのプレーをね、あの状況でやってたんじゃないかなと思います」と話すと、ここ最近の成長ぶりに舌を巻いていた。

「(高井は)フロンターレでもそうだし、アンダーの代表でも素晴らしい活躍をしているのは知っていましたし。20歳になったばかりで、もう既に代表の1キャプを得て。自分と同じポジションということもあるので。まだまだ負けられないなという思いでやっていますけど。でも今日も堂々とデビューしてたし、落ち着いたプレー、いつも通りできていたと思うので。お互い、いい競争して、また次に向かいたいなと思います」

一方、3バックの中央に位置していた谷口彰悟は、途中交代出場してきた高井について「気を配ったところはあまりないですけど」と言う。何故ならば、高井がA代表デビューできたのは彼の実力が認められたと考えているからだ。

「彼もちゃんと実力を示してこの場にいるわけで。よく、森保さんも言われてますが、チャンスはプレゼントではないということで、彼自身が掴み取った結果、今日この舞台があるので」

そう話す谷口は、高井について「まず一人の選手として、リスペクトしながら」のプレーだったという。

ただ、「ただちょっと、ボールはたくさん触らせたいなという思いはあったので。最終予選でデビューするってなかなか緊張感があると思うので」との少しばかりの気遣いをしていたのだという。また、交代出場直後、ハイタッチで迎えたことについて「行くぞというようなこと。彼もちょっと緊張してるような顔だったので。思い切ってやれよという意味を込めてという感じです」と話している。

ただそれにしても高井の成長スピードはすごいとの認識を谷口も持っており「彼の今の成長速度はすごいですから。どんどん吸収してもらって、ビッグプレーヤーになってほしいなと思います」と話していた。

この後高井を含む代表チームはバーレーンへと移動。当地で最終予選を戦う。

「アウェイで気候も難しいと思うし。より良い準備をしていきたいなと思います」と話す高井に、次戦もプレー機会は与えられるだろうか。それにしても、U20W杯にお菓子を持ち込むなどと話していたのは昨年のこと。若者の急速な成長ぶりに驚くばかりだ。

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(取材・文/江藤高志)

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