「川崎フットボールアディクト」

特別な日になった香取武の思いと、手にした結果。3-0の勝利で首位キープ/プレミアEAST2024第6節 vs市立船橋【レポート】

■負傷欠場の土屋櫂大への思い

市立船橋を生田に迎え、試合が行われた2024年5月12日は、川崎U-18の3点目を決めた香取武の誕生日の翌日。試合後の取材時にそのことを尋ねられた香取は、まっさきに土屋櫂大の名前を出した。

――昨日が誕生日ですよね。
「そうですね。今日がカイト(土屋櫂大)の誕生日で、特別な試合だったので」

市立船橋戦当日が誕生日で、負傷欠場した土屋について香取が言及したのは、その土屋と接触したのが香取だったからだ。

「実は、僕がケガをさせてしまって」

香取の表情が曇る。

「本当にこの試合、カイトがいなくて。自分も本当にやってしまったという感じなんですけど」

そう話す香取は、だからこそ「自分がその代わりに絶対点取るって決めてたので。それを実現できたので」とホッとした表情を見せた。そして「本当にカイトには早く復帰してもらって。クラブユースあたりかもしれないですけど。早く治してもらいたいです」と気づかっていた。

土屋は今後戦線離脱を余儀なくされるが、土屋が治療に専念できるよう、気合を入れていたという香取は「自分が決めないと思ってて。このゲーム、点が取れて嬉しいです」と表情を緩ませた。

その香取が決めた後半60分の3点目で川崎U-18は一気に楽になったが、そこまでは簡単な展開ではなかった。

■前半

立ち上がりから市立船橋を攻め立てた川崎U-18ではあったが、長橋康弘監督は「前半やっぱりどうしても勝ちたいという気持ちが逆にプレッシャーになったのか。なかなか自分たちのサッカーを展開できない」試合展開だったと話す。それでも前半18分に児玉昌太郎が先制点をマークして市立船橋をリード。

矢越幹都が蹴るCKを林駿佑が頭で折り返し、さらに香取武が頭で反応。これはポストに弾かれたが、こぼれを児玉が押し込んだ。

「練習の時に、こうやって入れ、という形になったので。こぼれ球は常に狙ってたんで。それがたまたまボールが目の前に来たので。そこは決められてよかったなと思います」

そう話す児玉の特徴はドリブルでの仕掛け。一学年上の岡野一恭平の系譜を受け継ぐ11番にはかかる期待が大きいが、だからこそもっと崩しに関わりたいと次節を見据えていた。

「自分の特徴のドリブルとかスピードとかは、前半から特徴として出ていたかなと思うんですけど、やっぱりもうちょっとゴールに絡みたいかなと。今日は1点取れましたけど、もっとセットプレーだけじゃなくて、崩しのところからもっと関われたらいいかなと思います」

ちなみに余談になるがこの児玉は今季のトップチームの沖縄合宿にサプライズで帯同。大いに刺激を受けたという。

恩納村合宿11日目「ファン・ウェルメスケルケン・際が練習に合流」【キャンプレポート】


「みんなプロの選手ばかりで。もちろんフィジカルとかも自分より全然強くて、その中でもやれることはあるなっていう発見ができたので。そこは自信を持ってやれてます」

沖縄合宿では発見もあったと話す児玉は「去年あんまり出れてなかったので。そういう意味でも期待していただいているのかないう意味で、自分もやってやろうという感じです」と強化部からの期待を受け止めていた。

なお、似ていると言われる岡野一との関係性については「似てるって言ってくれる方もいますけど、でも自分の形、、、。目指すところはそこ(岡野一の突破力)なんですけど、あまり意識しすぎずに、自分の形があるので。そこはもう自分の形に自信を持ってやっていこうかなと思います」と話している。

■ギアを上げた後半

前半を児玉の1得点で折り返した川崎U-18ではあるが、停滞気味だった試合展開を修正し迎えた後半について長橋監督は「後半本当に勇気を持ってゴールを目指すプレーがたくさん出て。あれが本来選手たちがやりたいサッカーだと思う」と評価。「これをまた成長につなげて、前半からまたああいうサッカーができるようにやっていければと思います」と話している。


そんな後半、川崎U-18は立ち上がりの55分に2点目を奪う。ポイントは関德晴からのスローインを胸トラップでキープした加治佐海の技術と、その加治佐からのリターンをもらった関の、相手DFを置き去りにする切り返しとそこからのクロスだった。ファーサイドに詰めていた知久陽輝がこれを押し込んで、川崎U-18待望の追加点となった。

「ノリ(関德晴)からすごいいいボールが出てきて。練習からも、ああいうボールがすごくあったので。信じて入ることができたのかなと思います」(知久陽輝)

ちなみに知久はこれがプレミア初ゴールということで嬉しい得点となった。

「プレミア初ゴールというのがあったので。開幕戦で決めてたらすごく良かったんですが、6試合もかかってしまって。自分としては点を意識していたので。やっと決められたので。やりました(サポーターのところに走りました)」

試合はさらに60分に3点目。冒頭に記した香取の得点で市立船橋を突き放し3-0での勝利となった。

なお、香取はゴールを決めた直後「追いついた!」というような言葉を発していたが、これは得点ランキングを意識してのこと。

「今4点目なんで、今回。庄司くん(啓太郎・横浜FCユース)がたぶん首位なので(尾谷ディヴァインチネドゥ・FC東京U-18も)。そこに追いついたから並んだと」

そう話す香取は得点王争いはかなり「意識している」と言う。というのも昨季、岡崎寅太郎の得点王の働きを間近で見ているため。

「岡崎選手が去年(得点王を)取ったので。その背中を見て、自分も取れたらなと思っています」

得点ランキング上位でプレーを続けるということは、それだけマークも厳しくなるということ。だからこそ「相手に読まれにくい選手になるっていうのは自分の中で得点を積み重ねるのには大事だと思うので」とそれを上回ることをイメージしているといいう。そのために「ワンパターンな動きではなくて、動きを組み合わせながら読まれない選手になる」のだと今後を見据えていた。

この試合の結果、川崎U-18は勝ち点を15に伸ばし首位をキープ。次節は5月18日の2位流経柏とのアウェイでの直接対決となる。

■コメント

長橋康弘監督と、知久陽輝、香取武、児玉昌太郎の各選手です。

次のページ

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ