「川崎フットボールアディクト」

田中パウロ淳一「栃木シティを知ってもらえるチャンスですし、何人かの選手のキャリアの分岐点にもなるんじゃないかなとは思ってます」/天皇杯2回戦【インタビュー】

天皇杯2回戦の栃木シティFC戦を前に、田中パウロ淳一のインタビューをお届けしたい。
2012年にフロンターレに加入したパウロは、その翌年のシーズン中に夢を追いかけて退団。紆余曲折を経つつ、現在は栃木シティでプレーしている。

今回、天皇杯2回戦で対戦するにあたりフロンターレ戦への意気込みなどについて聞いた。
なおフロンターレ公式チャンネルの「【卒業後の今に密着】”vol.3 田中パウロ淳一” 練習時には厳しかった憲剛さんが、試合中は優しかった」の中にあるアパレルについては、パウロ個人のネットショップにて販売中なのでよかったら(犬を抱いた写真をクリック)

■フロンターレとの対戦について

――まずは、天皇杯の組み合わせが決まったときのことを教えてください。

「天皇杯の組み合わせが決まると、まずJリーグはどこと当たるか確認するんですよね。それで、一つ勝ったらフロンターレだと分かって、これはチャンスだな思いました。一つは過去の精算というと変な話なんですが、これで何か取り戻せるんじゃないかっていうか。そういう気持ちになりました。悪い辞め方をしてしまったので。

天皇杯については毎年J1、J2のどこと当たるかを見るんですけど、僕は今までは強いチームと対戦するのは嫌だなって思ってました。天皇杯で勝ち上がることを考えると、できれば強いチームとは当たらない方がいいじゃないですか。でもそういう気持ちではなかったですね。今すぐにでもやりたいなっていう気持ちでした」

ーー天皇杯一回戦のマルヤス戦は、1−0でリードした状態でベンチに下がり、同点に追いつかれて延長へ。どんな心境で試合を見ていたんでしょうか?

「同点ゴールはびっくりしました。ヤバっと思って。でも栃木は選手層が厚いチームだと思ってて。もちろんマルヤスさんは格上のチームでリスペクトはしますけど、負ける気は一切なかったんで。全力で応援しましたけど、負けることはないやろっていう気持ちでいました。

それよりも交代するまでに僕らがもっと差つけられたらもっと楽だったのになと思ってるんで、反省はしてます。

最終的に勝てて、まずホッとしました。こうやって周りの方にも色々注目してもらえたり、あとは、楽しみにしてるっていう話をよくもらってたんで。まずは試合が決まってホッとしました」

ーー偶然にも天皇杯直前の柏戦で来場することに。

「まさかという感じです。1週間前にそんなチームのイベントに参加させてもらえるなんてという感じです。

柏戦の前日に試合をしてて、めちゃめちゃきつかったです。けど、僕より広報さんやスタッフさんの方が僕よりしんどかったと思いますよ。僕は行って、喋ってるだけなので。

当日は、たくさんの人に並んでもらってびっくりしました。ガラガラになるかなって最初、予想してたんですが、全然、そんな事なかったので。でも良かったです。

柏戦を見ましたが、さすがにやっぱりみんなうまいなと思いました。前の選手が悠さん(小林悠)で、山口のときに一緒だった宮代大聖もいましたし。何か、チャンスを逃さないような目をしてたというか。ギラついているなっていうイメージと、あとはそれとまた違って、ボールを大事にして、なかなか相手もプレスかけても取りにくいなって、そういうバランスが取れているんじゃないかなっていう気はしました。このフロンターレと試合かと思うと、楽しみです。でも勝ちに行きます。喰いに行きますね、はい」

――栃木シティはどんなサッカーですか?

「4-2-3-1、4-3-3、タイプによって変わります。

僕は攻撃的にサイドで張ってっていう感じですかね。家長昭博選手みたいな感じというか、家長選手をもっとアグレッシブにした感じです。家長選手はミスしないと思うんですけど、僕はミスしてもいいから、なんかワンチャン狙いに行くっていう感じです。

栃木シティ全体がそういう感じですね。アグレッシブなプレーの上でのミスだったら大丈夫というか。ミスはつきものなんで。ミスしたあとの切り替えっていうのもすごく大事にしているチームです。

あとはチーム全体でよく走ってます。13〜14kmも走る選手がいて。僕はそこまで走れないですけど、チームのためにという選手ばかりです。この試合って、栃木シティを知ってもらえるチャンスですし、何人かの選手のキャリアの分岐点にもなるんじゃないかなとは思ってます。

フロンターレくらい行き切ってるチームの方がやりがいはありますし、フロンターレと試合するっていうのは注目してもらえる機会なので。そういう面ではやっぱ、サッカー人生の中で、さっきも言いましたけど、全員がここで人生変わるんじゃないかと思ってプレーすると思います。

僕は出るか出ないかはまだ分からないんですけど、もし出れば、上手いプレーしようとは思ってないですね。相手を慌てさせるプレーっていうか、他の人と違うと思わせるようなそんなプレーを見せたいですね。あとは、リーグ戦でゴール取れていないので、この天皇杯のために貯めてるっていう気持ちでいます」

――そういう意味でめぐり合わせの妙というか、運命的なものを感じますか?

「感じるというか勝たないと意味がないというか。負ければ何もなく終わっちゃうなっていうのは感じてます。僕はSNSとかもやってるんで、目立つ傾向にあるんですが、ここでのプレーで何とか爪痕を残せればちょっとサッカー人生変わるんじゃないかなっていう気持ちはあります」

■フロンターレ時代について

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