「川崎フットボールアディクト」

多摩川”闘”クラシコ/J1第13節FC東京vs川崎 1/2【感想戦】

5月12日に、国立競技場にて行われたJ1第13節の多摩川クラシコについて、「青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン」の後藤勝さんに、感想戦「多摩川”闘”クラシコ」をお願いしました。

前後編に分けて、掲載していきます。

■感想戦

江藤高志
感想戦、よろしくお願いします
後藤勝
よろしくお願いします

■一言振り返り

江藤高志
まずは一言の振り返りから始めたいと思います。川崎側から行きますね。
上福元選手のパスワークへの参加、というところで、もちろん前半から彼はやっていたんですが、より際立ったのが退場後。マイナス1なんですが、上福元選手のおかげで、プラスマイナスゼロくらいまでには戻せたなと。1点リードしているFC東京さんの心理的な部分と、追いつかなきゃいけないというところで割と、押し込めている時間も長かったと思うんですよね。そこでのリスク管理も含めて、上福元選手のおかげでラインを高く上げられていたことで、わりと重要な役割を担ったのかなと思っていました。何かそういう視点で見たときに何か思う事がありますか?キーパーの攻撃参加について
後藤勝
やっぱり気になったのは退場後で、要するに本来は東京が数的優位になっているんだけど、上福元選手がビルドアップに関わることで、数的に同数になっていた。もちろんキーパーが入ることの(川崎にとっては背後が空くという)危険性はあるんだけど、実質的には、ほぼ同数でできていた。10人になった後に際立っていました
江藤高志
結構やっていたんですけれど、あそこまで前に出られるかとか、ヘディングでクリアする場面もあったし、結構すごかったですね。

では東京さんですが「気持ちと強度」ということでお願いします

後藤勝
話すと長くなるんですが、東京は4-1-2-3で去年1年間やり、今年のプレシーズンに準備してきました。で、開幕後にけが人が続出して、4-2-3-1にしたりして、やり方を試行錯誤してきたのですが、これが基本形というものが定まらず、直近の札幌戦に大敗していますし、特に守備をどうするかというところが一番重要でした。そこを含めてまずこれがこのチームの基本形だというものを、もう一度定めないといけなかった。それが前提としてあると。それに対して準備期間が短い。実質、火、水、木。3日間しか準備期間が無くて、改めてこれが基本形だと定めて、やり直すには時間がない。で、選手はこのキーワード、まさに気持ちと強度、球際と切り替えなんですけど、そこの意識を高めようということで、選手間で意思統一しました。

ただこれは、選手はチーム戦術には干渉できないからそこ止まりということで、あとはベンチワークなんですけれども、ではベンチはどうしたかというところが焦点だった。そこで監督以下スタッフは新しいものを決めるんじゃなくて、前やったことに巻き戻してきたことになる。

今年の春先までやってきてた、一番慣れ親しんだ形。今年はそこに積み上げでさらにいろいろなトライをしていたんだけど、一旦それは置いといて、ちょっと一旦戻して、中にはあまりパスをつけないとか、以前の形に少し戻す。それによって、以前やっていた形だから、それはそれで、練習しなくてもできるという計算があったと思います。

いずれにしても、完成度が低い状態に意図的に戻して、かつ、球際や切り替えという原点に絞って強調したことになります。

それが戦術的にいわゆる未整備の状態とも言えるんですよね。言い換えると、それが前半の序盤に川崎に通用しちゃったんで、逆に言うと川崎さん大丈夫かなというところもあったんですが、そういう前半でした

江藤高志
多分そこが噛み合っていたのが、さっきも言いましたけれども、強度が強かったんですよね。だからみんな、ビビったわけじゃないけれども、これはちょっと丁寧にやらなきゃ駄目だとか、早目にやらなきゃいけないみたいな、怖さになったんだろうなと思っていて。それで、パスがちょっとずつズレていって、普通だったら繋がるところが繋がらない、みたいになっていたんだろうなと思っています。だから、タイミングものすごく悪いめぐり合わせんで今回、当たってしまったなと
後藤勝
なので、川崎対策というよりは、東京のこれしかできないという状態で、それで臨んだんですけど、それがたまたま川崎にとって嫌なものだったという。

で、これ会見で鬼木監督が言ってましたが、アグレッシブさが欠けていたという話。今、江藤さんの言った前半の序盤の困った状況というのを鬼木監督も分かっていたんでしょうね

江藤高志
うまく噛み合っちゃった
後藤勝
川崎目線でいうと、めぐり合わせが悪かったという感じですね

■先発メンバーについて

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