「川崎フットボールアディクト」

吉田明宏社長「サッカーをやりたいという子どもたちが増えているのならば、それに応えることは、我々は使命だと思っています」3/3【インタビュー】【無料公開】

■育成

昨年のフロンターレの話題の一つが、アカデミー出身選手のカタールワールドカップでの大活躍と、U-18のプレミアEAST昇格初年度での優勝といったアカデミーの成果であろう。

現在生田にて建設が進んでいるフロンタウン生田が完成することで、川崎市内に複数の拠点を整備できる効果は大きいのではないかと吉田社長は話す。

「生田が加わる事で、中原、等々力、麻生それから富士見(富士通スタジアム川崎)に拠点を構えることになります。川崎市は縦長ですがある程度はカバーできるのかなと思います」

さらに、三笘薫、田中碧のさぎぬま兄弟で盛り上がったように、裾野を広げることを意識したスクール事業の拡充も視野に入っているという。

「ワールドカップの活躍でさぎぬま兄弟の話で結構盛り上がっています。裾野を広げていくという意味でも、スクール事業は、皆さんの希望があればどんどん増やしていくつもりです」

もちろん川崎市内の街クラブにも配慮し「独占するつもりは全くなくて。街クラブさんとも連携しながら、我々がお伝えできることがあれば、共有しながらやって行く。本当に今サッカーがこれだけ盛り上がって、サッカーをやりたいという子どもたちが増えているのならば、それに応えることは、我々は使命だと思っていますので、そこはきちっとやっていきたいなと思っています」と前向きだった。

そうやってスクールででもフロンターレに関わった子どもたちが、遠い将来に結婚して子育てし、世代をつないでいくことではじめてフロンターレは川崎に根付いていけるのではないか。そのためにはやはり100年ぐらいの長いスパンで考える必要があるのではないかと吉田社長は未来を見据えていた。

なお、アカデミーについては1学年で10数人ほどの子どもたちしか受け入れられないが、アカデミー出身選手の活躍はクラブにとって誇りや活力につながることもあり、当然のことながら育成の大きな柱の一つであることは間違いない。

■タイトル奪還に向けて

最後に今季の展望について吉田社長は「タイトル奪還は目指すところ」だとして、鬼木達監督とも「膝詰めで」話をしてきたのだのこと。

またチーム人件費も必要であれば増額は視野に入れるとのこと。

「やっぱり、強いチームを皆さん楽しみに来ていただいていますからね」

昨季は、初タイトル獲得の2017年以降で初めての無冠のシーズンだった。タイトル奪還への思いはプレッシャーだと吉田社長は話すが、「プレッシャーも含めて応援だと思い、ありがたく感じています。強化のみんなに頑張ってもらいたいと思います。そして、全社一丸となってサポートしていきたいと思います」と力強かった。

新チームの始動から沖縄合宿を経て、2月17日に横浜FM戦でシーズンが開幕する。タイトル奪還の道のりはどう進んでいくだろうか。

(取材協力/川崎フロンターレ 取材・構成・写真/江藤高志)

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