知念慶、丹野研太両選手、サポーターとの最後のあいさつ【#オフログ】
知念慶、丹野研太の両選手の送別会が12月14日に行われた。
会場となった橘高校には、150人ほどのサポーターが足を運び、両選手に寂しさや感謝の言葉などを伝えていた。
送別会の冒頭、知念は5年間の在籍中、リーグ戦3回カップ戦1回と4回も優勝を経験できたことを感謝。
また在籍3シーズンの丹野はその短い期間の中で「タイトルというものを取れたことがすごく貴重な経験です」と口にして、そんなクラブでの3年間が「自分のサッカー人生の中でこれからも生きてくるんだろうなと思います」と述べていた。
サポーター一人ひとりと向き合って最後のあいさつを交わし、グータッチで別れを惜しんだ両選手は、挨拶を終えたあとに改めて取材対応してくれた。
まず対応した丹野研太はフロンターレでの印象深い試合として移籍後初スタメンのルヴァンカップ第2節のアウェイ鹿島戦を上げている。
「やっぱり一番最初の、移籍後初スタメン。ルヴァンの鹿島のアウェイが、大きな転機だったかなと思うし、そこに懸ける思いは強かったので。そこで結果が出せたのは、すごくその後に繋がったかなと振り返れば思っています」
移籍後もなかなかチャンスがもらえず「難しいという状況」での試合だったこともあり、なおさらのこと、印象深いと述べていた。
丹野研太「今日はそういう意味で大きなミスなくやれたというのは良かったなと思います」/ルヴァン杯GS第2節 鹿島戦【試合後コメント】
ちなみに丹野はフロンターレでの出場試合は無敗。そのことについては「最初は気にしてなかったですが、最後の方はちょっとそんな声も聞こえてきたりというのがあったんですけど」と述べて徐々にプレッシャーになっていた様子が伺えた。そして無敗で終われたことの一因を1試合1試合を大事に戦ったからだと述べている。
「やっぱり多くの試合に出ていない分、1試合1試合がすごく大事で。その積み重ねが数は多くないですけど、そういうふうにできたのかなって思っています」
まだまだ現役は継続したいということで、移籍先を模索しているところだとのことだった。
知念慶は、全員との交流を終えたあいさつ時に言葉を詰まらせたが、泣いていたわけではないと一言。
――最後、泣いてしまいましたけれど、どういう、、、。
「いや、泣いてないです!」
――(笑)
「こみ上げてきたんですけど、こらえました」
ちなみにこみ上げてきた理由について「わからないですね」としつつも、フロンターレでのたくさんの思い出が駆け巡ったからではないかと分析していた。
「本当にフロンターレでいろんな思い出があるので。色んな思い出が駆け巡って、凄い、こんな経験はなかなかできないと思うので。今日の会を開いてくれたファンサポーターのみなさんに感謝します」
そんな知念にとってフロンターレでの思い出のゴールは2つあるという。
「やっぱり皆さん言ってくれましたけど、1年目に決めた日立台での雨の日のゴール(2017年10月29日第31節柏戦)と、湘南戦で足つりながら決めたゴール(2021年9月26日第30節湘南戦)は、自分の中でも印象に残っているゴールですし。サポーターの皆さんに、印象に残っているゴールだなっていうのがすごく今日、分かりました」
1つ目の柏戦は、大雨で試合開始時間を繰り下げざるを得ない難しいピッチコンディションの中、0−2から反撃の狼煙を上げる一発で、90分の小林悠の同点弾に繋げたゴールだった。この勝ち点1が初優勝につながっており、クラブの歴史の中でも重要な得点だった。
【コメント】 J1 第31節 柏vs川崎(知念慶)「この勝ち点1が優勝につながるのか。何もなく終わるのかは今後の自分たち次第だと思う」
もう一つの湘南戦は、ACLのアウェイの蔚山戦を落としたあとの勝負の5連戦の3試合目。後半ATの90+4分に気持ちでねじ込んだ決勝点で、ゴール直後に足をつらせていたのが印象的だった。ちなみにその知念に駆け寄った脇坂泰斗も足をつらせていて、微笑ましかったのを覚えている。
知念慶「アキさんがあの態勢で持った時に、絶対あのファーのあの位置に来るって思ったので」/J1 第30節 vs湘南【試合後コメント】
なお今回の移籍は「簡単な決断ではなかたですし、相当な覚悟があっての決断なので」としつつ「人生で一番の勝負に出たような移籍」だとしていた。
知念はフロンターレでプレーし続けてほしい選手の一人ではあったが、覚悟の上の移籍だということで鹿島でぜひとも成功してほしいと思う。ちなみに「鹿島さんのサッカーは自分に合うんじゃないか」という思いがあったとのこと。また「川崎のライバルチームになりますが、川崎を倒せるくらいのチームだと思うので。そういうチームに移籍して、元チームメイトと対戦することはすごく楽しみです」と話していた。
バチバチのやりあいをどんな思いで見ることになるのだろうか。それはそれで楽しみなところだ。
(取材・文・写真/江藤高志)
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