「川崎フットボールアディクト」

リーグ最終戦を勝利で飾れず。ファイナルに向け出た課題/プレミアリーグ第22節 vs青森山田【レポート】

川崎U18はすでにプレミアEAST優勝を決めており、東西のプレミア優勝チームが直接対決する12月11日の国立競技場でのファイナルの大舞台が控えている。そういう意味で、この試合も無駄にすることはできないという状況にあった。だからこそ、修正すべき課題が洗い出せた敗戦となった。

ちなみに選手たちはこの試合に向けてモチベーション高く臨んでいた。たとえば松長根悠仁は横浜FMユース戦後、「次の青森山田戦に勝って、勢い持ったまま、ファイナルにいけるように、頑張りたいと思います」と発言。同じく大関友翔は「青森山田は攻撃にすごい来ると思いますし、守備のプレスも来ると思うので。簡単な試合にならないと思います」と警戒しており、横浜FMユース戦の4失点を反省した上でこの青森山田を戦いたいとしていた。

川崎U18の選手たちに気持ちは入っていた。ただ、それを上回る迫力を持って試合に臨んで来たのが青森山田だった。球際の強さ、出足の鋭さなどで川崎U18を上回る前半を見せた結果、川崎U18は受け身の試合運びになってしまう。そうした試合展開を悔やむのが由井航太。

「チームとしても、個人としても、相手の圧に負けてしまっていたので。負けるべくして負けたのかなと思います」

相手の圧が高かった前半は特に外に逃げる場面が多く、またゴール正面を塞がれていた関係で、単調なクロスが増えてしまっていた。もちろんそれでは青森山田の牙城は崩せない。ただ、前半を1点リードで折り返した後半に、青森山田がラインを少し下げたことにより、川崎U18が多少攻め筋を見出すことができるようになったと長橋監督は振り返る。

「相手が構えるそのラインというのを少し下げたところで、ある程度そこまで侵入できたんで。やっぱり幅使うっていうところは選手たちも意識して、そういうポジションをとってくれたんですけれども」

ただ、それでもゴール正面に入っていくのは至難の業で、そこをもう少し勇気を持って入っていってほしかったと長橋監督は話していた。

「なかなかそこから崩せないというところで、クロスを放り込むというようなのが多くてですね。少し、選手たちが相手を見ながら中央から崩すようなシーンがあったんですけど、あんなところをね。もっとこう勇気持ってやってくれればいいのかなっていう印象はあるんですけどね。はい」

1点をリードされていた前半30分にPKのチャンスがあったが、キッカーの五木田季晋のシュートはコースが甘く青森山田のGK葛西淳がこれをキャッチ。同点に追いつくチャンスを逃していたのも痛かった。

悪いところばかりが出てしまったが、逆に言うとファイナルを前に膿を出し切れたという言い方も可能。そういう視点で青森山田戦を振り返るのは五木田だ。

「ファイナルじゃなくて、今日で良かったなと。ファイナルではもう本当に思いっきりやるだけかなというふうに思うので、今日こういうの経験できて良かったのかなって思います」

対戦相手の圧が強いとわかったときに、それに試合中に合わせていく必要がある。それができていなかったと話す五木田は、「いつもはないようなロストだったりとか、ちょっとボール受けに行くところで怖がったりしてるっていうのは感じてはいた」のだと話し、チーム内にいつもとは違う様子が見られたという。そして「前半の中で、自分たちで変えることができなかったっていうのは、僕としてもチームとしても、そこは課題なのかなっていうふうには思います」と反省していた。

この敗戦を踏まえ鳥栖とのファイナルではタフな姿を見せてくれることを期待したいと思う。

【コメント】■ファイナルに向けて

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