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橘田健人、マルシーニョの交代出場選手が流れを変える活躍。先行を許しながら3−3で決着/2022Jリーグ アジアチャレンジ vs札幌【速報レポート】

■車屋紳太郎のアクシデントが手痛い前半、0−2から2点を追いつく
早坂勇希、五十嵐太陽、松長根悠仁のフレッシュな選手を先発に加えた札幌戦は、予想していた4−3−3ではなく3-5-2でスタート。

若手選手の多さに加え、慣れないシステムだったこと。さらに流動的な札幌の攻撃を前にフロンターレは耐えきれず。取り消された10分のスパチョークの決定的なシュートの直後、正真正銘のゴールを中村桐耶に決められて失点。

さらに押し込まれる時間帯が続く中、車屋紳太郎が小柏剛の対応時に足を痛めピッチ外に。交代までは3分ほどの時間がかかったが、この間を4-4-1の形でしのぐと、22分に橘田健人がピッチに入る。この交代采配後に4−3−3にシステムを変更し、落ち着きを取り戻した形。

24分にはその橘田からのクロスを知念慶が合わせるが、これはオフサイドの判定でノーゴール。VARがあればゴールが認められていた場面だったが、サッカーは本来そういうものということで気にせずに、選手たちはプレーを継続した。

29分に松長根悠仁と佐々木旭とが布陣する左サイドのギャップを突かれ、最後はスパチョークに2失点目を喫するが、ペース自体は悪くなかった。

DAZNで解説の水沼貴史さんも口にしていたが、一人だけ高い強度での動きを続けていた橘田が強烈なミドルを突き刺して31分に1点を返すと、続く36分には宮城天が技ありのコントローシュートを流し込んで前半だけで同点に追いついた。

前半だけで2失点したのはいただけないが、若手選手を起用した上で、3バックでスタートするなどチャレンジングな試合の入りだったということで、やむをえない部分だったといえる。

鬼木達監督が試したかったであろう3バックを20分ほどで諦める必要があったのは残念だが、いつもの形でペースを取り戻す強さは見せられた、そんな前半だった。

■収穫は負けなかったこと

フロンターレは後半開始時に3枚替え。脇坂、知念、早坂に代えて瀬古樹、遠野大弥、そして丹野研太を投入。対する札幌はGK1枚を交代している。

49分に札幌の小柏が決定的なシュートを放つが、丹野のカバーに入った松井蓮之がこれをかき出してゴールを許さず。ただし、51分に小柏にねじ込まれ3失点目を喫してしまった。

フロンターレは63分に宮城、五十嵐に代わり出場のマルシーニョとジョアン・シミッチが流れを変える。交代出場直後の64分に、シミッチからのフィードを受けたマルシーニョが左サイドをえぐって決定機を作る。この直後。チャナティップから遠野へのパスのこぼれ球をマルシーニョが拾い同点とする。

試合はその後、少々膠着気味の展開に。フロンターレは86分に松長根と共に足をつっていたチャナティップが交代するが、ケガというわけではなさそう。

なおこの交代で小林悠と家長昭博の両選手が出場して存在感を示したが、勝ち越し弾を手にするまでには至らず。試合は結局3−3のドロー決着となっている。

なお、気になるのはケガ人で札幌は78分に小柏が左肩を痛めて退場している。肩は厄介なケガになりかねないのでしっかり治してもらいたいところ。

また、試合後に右太ももをテーピングしていた車屋が映し出されており、筋肉系のケガが想定される状況に。若手主体と言われていたベトナム遠征は、もともと不参加だった可能性もあるが、しっかり治してもらいたいところだ。

○宮城天
「アジアツアー最後の試合だということもあって、みんな勝って終わりたいということもありましたし、前半に2点取られる厳しい展開でしたけど、前半の中で追いつけて、後半逆転しようという中で、後半立ち上がりに失点してしまったのが課題だと思いますし、それでも追いつけるのが1つ、収穫だとは思いますが、それでも勝ちきらないといけなかったなと思います」

(取材・文/江藤高志)

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