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元木湊大「ここまで自分が積み重ねてきたことを出せるように、いい準備をして、いいプレーをしたいなと思っています」【コラム】【アカデミー】【無料公開】

今季高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグに昇格した川崎U-18(ユース)が等々力で公式戦を行う。2022年10月15日(土)の横浜FCユース戦が等々力で開催される今季最後の試合となる。キックオフは14時。入場は無料だ。
試合情報

アカデミーの選手にとって等々力での公式戦はどういう意味があるのか。そして今季のU-18の試合についてどんな手応えを持っているのか、大関友翔(3年生)、五木田季晋(3年生)、元木湊大(2年生)にそれぞれ聞いた。

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元木湊大「ここまで自分が積み重ねてきたことを出せるように、いい準備をして、いいプレーをしたいなと思っています」

川崎U-18を声とプレーで引き立てている元木湊大は、高校2年生になった今年、初めてポジションを掴んだ選手。試合に絡めない高校1年の日々については「悔しい思いだったり、サッカーも楽しくないっていう時期」だったという。そんな元木が初めてチャンスをもらったのが、プレミアリーグ昇格初年度の今季の大宮アルディージャU18との開幕戦だった。苦しい日々を乗り越えてようやく掴んだチャンスだったが、その試合で元木は低調なパフォーマンスしか残せなかった。

「高校2年生になって、初めて大宮アルディージャU18戦でチャンスをもらった時に、自分がやっぱり何もできてないっていうのを感じて。不甲斐ないプレーをすごい実感したし、ビデオを見るとやっぱり、自分がいてもいなくても変わらないって、自分でも思ってしまって」

ただ、そこで元木は踏みとどまる。そのまま終わりたくないと考え、サッカーに対する時間を増やすことを意識したという。

「これじゃ上へ行けないっていうか、今後生き残って行けないなっていうので、もっと自分には、サッカーに対する時間を増やす必要があるなっていうのは感じました」

そして、1週間を大切にするよう心がけたと話す。

「大宮アルディージャU18戦をきっかけに、コーチに聞いたり、ビデオを見たりして、常に1週間っていうのを大切にするようにっていうのを今までずっとやってきました」

だからチームとしての成績は下降気味ではあるのだが、個人的には成長を続けられているのではないかという。

「チームの成績は少し下がってるんですけど、個人的に一番最初の大宮アルディージャU18戦に比べると、自分のプレーをビデオとかで振り返った時に、余裕ができてたり、自分がしたいプレー、自分の個が出せるようになっていて、今年はずっと成長できてるかなというのは感じています」

その元木は、JFAアカデミー福島U-18戦ではそれまでとは逆の右サイドバックで出場。試合は結果的に敗れているが、多くの気付きがあったと話す。

「センターバックとのタテ関係だったり、サイドハーフとの関係性っていうのが初めてだったっていうので、やっぱり見える景色も違いました。自分の想像してる動きとは違った動きを仲間がした時に、やっぱやりづらさっていうのはあったんですけど、逆に言ったら、左サイドバックじゃ考えなかったようなことを考えることがすごいできて。あの試合は結果としては良くなかったんですけど、個人的にビデオでの振り返りとか、体感したことを含めると、凄い大きな1試合だったかなっていうのは感じました」

そうやって日々を大事にする選手だからこそ、3年生との残り短い時間を大事にしたいと話していた。

「最近はトップチームに大関(友翔)さんとかナガネ(松長根悠仁)さんたちが行っていて、やっぱその二人から盗めるものがあったので、もう少し長くやりたいという思いはあります。ただ、逆に言うと、(プレミアリーグEASTでは)6試合が終わったら、あの二人はトップチームに行って、自分達はそれを追いかける側になるので、この残り6試合の中で盗めるものは多くしていきたいなって思ってます」

ちなみに大関からはパスセンスを。松長根からは、パスに加え対人の守備の上手さを見習ってきたという。そういう身近なお手本がもうすぐ卒業してしまうことに寂しさはあるようだった。

取材させてもらった10月11日の練習では、ポジション別練習で佐原秀樹コーチの指導の元、ヘディングのクリア練習を。また長橋康弘監督の指導を受け、シュート練習などに汗を流していたが、そうやって日々の練習と向き合う中で、元木は今季最後の等々力での試合をむかえる。

「すごくいい環境でできることに、まず感謝の気持ちを持ってプレーしたいと思います。あとはたくさんの人が来てくれると思うので、ここまで自分が積み重ねてきたことを出せるように、いい準備をして、いいプレーをしたいなと思っています」

そして横浜FCユース戦を次のように展望した。

「チームとしては、大量得点で勝点3に繋げるっていうのと、個人的には得点にできるだけ多く絡んで行きたいです。前回、1-1で引き分けた市立船橋高校戦も、得点には関与できたんですけど、逆に失点にも関与してしまったので、今度は失点は無しで、できるだけ攻撃に自分の良さを出せるように頑張っていきたいって思っています」

大関友翔  1/3
五木田季晋 2/3

(取材・文・写真/江藤高志)

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