「川崎フットボールアディクト」

フロあがりの楽しみ【#オフログ】

※タイトル画像は2017年7月18日の北海道・七飯町合宿での一コマ。三笘薫は筑波大2年生。守田英正は流経大4年生。

ちなみにこの日に守田、三笘の両者に取材していて、当時はこんな言葉を口にしていた。

◯守田英正
「対人とかはやれてるので、つなぎのところとかパススピードの速さといったところを経験したいと思っています。大学では経験できないことなので。進路については7月中には結論を出したいと思います」

○三笘薫
――合宿は久しぶりだと思いますが、どういうところを課題として見ていますか?
「プレースピードの確認というか、自分のレベルがどれくらいなのかを知る上では大事なキャンプになりますが、パススピードとかはまだ遅いのかなというのは感じました。判断のスピードも遅いというのは感じます。この2日間で」

守田、三笘共に入浴前で、守田は7月27日に加入が正式発表。三笘は翌年の2018年7月13日に加入が発表旗手怜央の加入と同日の発表だった。

前置きが長くなったが以下、本文スタート

本田圭佑が2022年9月23日に「サッカーは結局のところ個よ。」とつぶやいていた。

つぶやいた時間帯を見るに、日本代表のアメリカ戦の試合前だったようだが、その言葉を裏付けるかのように、アメリカ戦ではフロンターレ出身選手が個の力を発揮して「フロあがり」の活躍を見せてくれた。

ここでフロあがりという言葉について説明しておくと、フロンターレから移籍して活躍している選手のことを指す言葉で、ごく一部で使われ始めているもの。26周年の今季にそういう言葉が出てくることと合わせて個人的にちょっとおもしろがっている。

話を戻すが、アメリカ戦のフロあがりの筆頭が先発した守田英正。フィジカルの強さと運動量、そして戦術眼を武器に遠藤航とともに中盤で睨みを効かせつつ、守備から攻撃への切り替えにダイレクトの縦パスで貢献。バイタルエリアで前を向けるチャンスがあったので、あとはシュートを打つことをもっと意識してもらいたいところ。田中碧のように。

そして、なによりも衝撃的だったのが、68分からの出場だったにも関わらず、1ゴールをマークした三笘薫の決定力。

この試合、三笘はドリブル後のパスを引っ掛けることが多く、らしくないプレーが続いていた。三笘の凄さはトップスピードで50mドリブルで運んだあとのパスをちゃんと攻撃的な意図を持って味方に繋げられるところにある。

真っ先に思い浮かぶのが、2020年11月18日の横浜FM戦。この時は50mどころか70mを疾走し、最後は右足アウトのクロスでアシストを決めていて本当にスーパーだった。

ただし、このアメリカ戦ではそんな三笘らしさが出ておらず、今日は三笘の日ではないかな?などと思っていた88分にあっさりとゴールしてしまうのが三笘の真骨頂。

左サイドでボールを引き出した三笘は二人のDFにアプローチされながらボールキープ。飛び込ませないようボールタッチしつつ、さらに、シュートを打たせないことを意図して正面に立ったDFに、当てないように、そしてゴールに入るようにコントロールシュート。これが決まるのだからすごかった。

三笘薫という選手の真髄が詰まったゴールだった。

いい感じに仕上がった、フロあがりの選手たちのプレーを堪能させてもらいました。

※守田英正、三笘薫についてはインスタグラムでも書いています。
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(取材・文・写真/江藤高志)

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