「川崎フットボールアディクト」

【えとーセトラ】ハリルホジッチ前代表監督解任で考える、監督選考に必要なもの【書評】

■日本人らしいスタイル
本稿を書くきっかけになった「怒鳴るだけのざんねんコーチにならないためのオランダ式サッカー分析」は非常にわかりやすくサッカーを分析する方法を紹介している。なお、日本サッカー協会は「日本人らしいスタイルをもって戦っていく」ことを目指すと公言している。ただこれをわざわざ英訳して「Japan’s Way」と表現するセンスからして気に食わない。などと言葉選びのセンスを議論するのはさておき、本書で紹介された方法論を用いて、日本人らしいサッカーというものをしっかりと定義づけほてほしいと思う。そうすれば、定義づけた基準に従って評価することができるからだ。

Jリーグ発足から25年が経過し、何もせずに伸びる余地はもう無くなったと見ていい。ここからは欧州のサッカー先進国の研究成果を参考に日本人らしいスタイルをしっかり定義づけるべきであろう。そこから日本サッカーを構築してほしいと思う。

最後に余談になるが「怒鳴るだけのざんねんコーチにならないためのオランダ式サッカー分析」という書名は本当に残念だ。対象読者がコーチに絞られてしまいかねないからだが、そんな話を献本してくれた編集者にしたところ、書名を付けた本人だった。行きがかり上、言い繕うことはせず「一度絶版にして、ちょこっと編集して、書名を変えて再度売りに出したほうがいい」などと適当な事を言っておいた。そんなことはどうでもいいのだが、本当にいい本なのでサッカーを深掘りして観戦したい方は是非一度手にとってみてください。

(書評/江藤高志)

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