「川崎フットボールアディクト」

大島僚太の、チームを優先させる考えかた【コラム】

9月19日の練習時の大島僚太

あれから時間が経過して、気持ちも落ち着いたようだった。負傷した神戸戦後のミックスゾーンでは、足を止めず「左です」とだけつぶやいてスタジアムを後にしていた。その大島僚太に話を聞いた。

大島不在で戦われたC大阪戦の話になると、素直に勝利を喜んでいた。チームスポーツのサッカーにおいては当然の反応なのだが、少しだけ不思議な気もした。

一般論として、各クラブでレギュラーを張るプロサッカー選手の中の少なくない選手たちは、自らがプレーできていない試合でチームが勝つということに対して複雑な思いを抱くもの。チームが勝ってほしいという気持ちとは裏腹に、自らを欠いたチームの苦戦を見て、自分の存在理由を確かめたいという感情を持つのは普通だ。

しかし大島は違った。C大阪戦について聞くと間髪入れずに「勝てて嬉しかったです」と笑顔になった。そこで少しだけ突っ込んだ質問をした。「もちろん自分が出てない時に勝つのは…」と言いかけるが、最後は裏表のない表情で「勝ってくれてよかったという思いの方が強いです」と言葉を続けた。自分のことはさておき、チームの勝利を優先させる。それが大島という選手の偽らざる考え方なのだろう。その事がよくわかる受け答えがあった。

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