和倉ユースを終えた金沢U-18。キャプテンと監督に聞きました【無料記事】
金沢U-18は7〜11日にかけて行われた和倉ユースで大津(0−2)、桐蔭(1−1)、帝京(3−0)、米子北(0−1)、星稜(1[1PK0]1)、東海大福岡(1−2)という、高体連のチームと対戦を重ねた。
最終日の東海大福岡戦は前半を0−0で折り返すと、後半早々に立て続けに2失点。その後、吉村征也のゴールで1点を返すも1−2の敗戦となった。”自分たちの全国大会”という意気込みで臨んだキャプテン高橋祐翔と齋藤将基監督に、大会最終日に話を聞いた。
高橋祐翔
ーー和倉ユース6試合を振り返って。
「個を磨くという部分ですごく成長した選手もいた。僕自身も守備の部分の意識をもって戦うことができた。本当にこの5日間はよかったと思う」
ーーキャプテンの目から見て個の部分で変わった選手は?
「自分とボランチを組んでいる(本田)祐基などは今日の試合(東海大福岡戦)もそうだけど、ロングボールにどんどんをチャレンジしていた。ミスはあるけど、そこに出せるようになったという成長を感じた。いままで祐基は長いボールを出すというよりは、機動力で関わっていく選手だった。そこにプラスしてロングボールを蹴ることができる選手になろうとしている」
ーー米子北戦と星稜戦はどんな試合だった?
「米子北戦は前半はずっとこっちがボールをもっていたけど、課題であるアタックの部分でなかなか崩せないし、決めきるところで決めきれないというのが多かった。後半は逆に相手にもたれることが多くて、前半に決めていればとすごく悔やまれる試合だった。星稜戦はみんな少し体が重くて走れていないなという感じだった」
ーーいろんな課題が出た大会?
「僕たちはまだまだ下手。とくに得点が少ないので、前のアタックの部分をもっとやっていかないといけない。そこを増やしていかないと勝てない。攻撃陣がもっと意識してやっていかないといけない」
ーー最終日は別として、簡単な失点は少なくなってきているのでは?
「まだ軽い失点は多いけど、前より失点は減った。ついていく部分とか体を張る部分とかはできてきているのかなとは思う」
ーー今日は吉村選手のゴール?
「そうです。(吉村)征也もゴールにゴールにというところでは成長してきていると思う」
ーープリンスリーグ北信越は1ヶ月の9月9日に再開。
「時間はないと思うけど、アタックの部分、得点力の部分をもっともっと伸ばしていきたい。6試合全勝する気持ちで、絶対に広島にいきたい」
ーー最後に15日からクラブユース選手権に臨むU-15の後輩たちにメッセージを。
「僕のときは全国大会にいけなかったので、本当に頑張ってほしい。ツエーゲンはベスト8が最高なので、その壁をぜひ越えてほしい。絶対にいけると思います」
齋藤将基U-18監督
ーー和倉ユースを振り返って。
「結果にフォーカスするのではなく、成長にフォーカスするということはできていた。タフに戦うということはできていた。グラウンドの中での情報量が増えてきたのはいいことだけど、それに対して多少遅れが出てきている。選択肢があればあるほど迷うことは出てくる。その0コンマ何秒をどれだけ早く決断できるか。その準備はしておかなければいけない。ずっとビルドアップを意識してやってきたからこそ、そこにとらわれすぎているかなと。自分たちのスタイルとして攻撃して、失ってもすぐ奪い返して、また攻撃するということの繰り返しをどれだけできるかということを今回はやっていた。そこに関してはまだまだ。個のところももうちょっとやっていかなければいけない。他のチームを見ると、ひとりで剥がせる選手がいるが、うちは少ない。すぐうしろを向いてしまったり。そういう姿は見たくないぞという話はした。奪われてもいいから、とられてもいいからゴールに迫る姿勢をまずは見せていかないといけない。そうしないと修正もできない。チャレンジするところはもっとやっていかないといけない」
ーーそれは見ていても感じた。どちらかというと何度でもやり直してという感じだった。
「揺さぶりからアタックのところ、もうちょっと前でやりたいし、スペースアタックのところ、スプリントをもっともっと増やしていかないと上のレベルでは通用しない。とくにアタッカーのスプリント本数は相当少ない。夏だからとかではなくて、できるところまででいいからやってみようと。チームに対するイメージとしてはうまいね、でも怖くないねというものだと思う。うまくはなってきたと思うし、前よりもボールを動かせるようにはなってきたと思う。ただ怖くない。もっと怖い選手になっていけるようにトライしていってほしい」
ーー大津戦の失点に繋がったのはサイドチェンジが入って仕掛けられずに戻したところからだった。
「相手がそこで仕掛けるのが嫌なのか、やり直すのが嫌なのか、それはユース年代ではわかっていかないといけない。Jのクラブはやめるうまさもあるけど、逆に高体連はやりきる強さがある。やりきる強さがあって、やめる選択ができるようになっていかないといけない。そこはずっと課題。やめる選択はいつでもできるので、まずはやりきる強さ磨いていこうと。いまは質というより量をどんどん増やしていこうと。スプリント回数、中に入っていく回数、奪う回数。判断してチャレンジして(奪いにいって)、それで入れ替わられても、自分で決断したのならそれでいいと言う。そういうのがない状態で、そのままいってしまうのはよくない」
ーーこの夏は個の成長がテーマだということだったが、今大会で成長を感じた選手は?
「2年生はすごくよくなっていると思う。(本田)祐基はミスはあるけど怖がらずにどんどんボールを受ける。(吉村)征也も収まりがよくなってきた。今日も1点とったけど、ああいうのが増えてきた。(島野)竜太朗は余裕をもってやっているけど、とんがるところも必要かな。でも2年生の成長はすごく感じた。あとは1年生をどう鍛えるか。そして僕らの課題はやっぱり3年生をどういうふうに突き抜けさせるか。ひとつ上のカテゴリーにどんどん送り届けられるようにしていかないといけない。1、2年生でもプリンスを戦えるようなアカデミーの体制になっていくのが理想」
ーーリーグ戦再開まであと1ヶ月。どういうところにフォーカスして再開を迎えたい?
「結果を求めながらというのが育成なので結果は常に意識するけど、個の特徴というところをもっと求めたい。あとはベースをもっと上げるのは継続してやっていくところ。みんな頑張っているけど、まだ小さい枠で頑張っている。その枠をもうちょっと広げていきたい。もっと頑張れるんだよと。僕らが見ている感覚と、あの子たちが見ている感覚のギャップをなくしていけるようにしたい。まだまだリミットを外せない子が多いので。(プレミアリーグプレーオフ進出の)2位とは離されているけど、試合数が残っていてちょっとでも可能性がある限りはそこにトライしていかなければいけない」
ーー和倉ユースで上のレベルを見られたことで変わっていくかもしれない?
「基本的にはどこが相手でも『できるな』と感じたと思う。でもプレミアムにいるチームとかクラブユース決勝トーナメント常連チームは細かいことを確実にやる。当たり前のこと、勝負どころを理解しながらパワーを使える。それは去年も全国にいって感じたこと。『やれるな』という気持ちはあるかもしれないけど、それは勘違いで、やらされているというか、ここはやらせてはいけないというところでは絶対にやらせてくれない。そこで何ができるか。そういうところの差は小さいようだけど、埋めるのはすごく時間がかかる。そういったことを実感してくれていたらいいなと思う」