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金沢U-15の選手たちが「職業」を学ぶ【無料記事】

11月30日、金沢U-15に所属する中学2年生たちが、Jリーグ版よのなか科で「Jリーグに関連する職業」を学んだ。

これが全5回のプログラムのうちの3、4回目。これまでお金や理念について学んできた選手たちが今回は学ぶテーマは「職業」。ということで、まずはスパイクに関連する仕事を考えるところからスタートした。

一つの用具であるスパイクだけとっても、研究や製造、運搬、販売など、たくさんの人が関わっていることを、あらためて知った選手たち。

 

次は本格的にJリーグに関連するありとあらゆる職業を列挙していく。

まずは個人で考え、そして話し合いながら思いつく限りのものを挙げる。中には「親」と書いている選手もいたが、「親は職業じゃないだろ」とコーチ陣からしっかり突っ込まれていた。

その後、答え合わせ。耳慣れない職業もあり、とくに広告関連で「マーケッター」や「プランナー」などという職種が出てきた際には、コーチ陣が説明していた。

 

また、サッカー選手以外で興味のある(Jリーグ関連の)職業を聞かれた選手たち。用具関係や通訳がわりと人気のなかで、チェアマンやマスコット(の中の人)、チアリーダーといった職業を挙げる選手もいた。

一旦休憩を挟んでからは、仕事に携わる人々の意志・役割・能力を探っていく。そしてここで新木智也エキップメントマネージャーとクラブの映像コンテンツを制作する星野マサシさんが登場。それぞれがどんな仕事をしているか、そしてその職種に必要な能力などについて、選手たちに語りかけた。

いつも明るい新木さんだが、今回は「初めて」という体験のため、ど緊張。本人すら「いつもの自分じゃなかったです。難しかった」と振り返っていたが、先回りして考えることの大切さ、スタジアムでロッカールームをセッティングする際の細やかな心遣いを紹介。白井裕人はグローブもスパイクもたくさん準備をするので、隣とはひとつあけるようにしているなど、取材している側も知らないことが盛りだくさんだった。それでも「前に出すぎない」「陰の存在でいたい」という新木さんは「『知らなかったです』と言われることが、ある意味正解なんです」とも口にしていた。

 

続く星野さんも「こういう経験は初めて」ということだったが、こちらは軽快に話を展開。選手たちもほとんどが知っているという「ツエーゲンNOW」などを引き合いに出しながら、仕事を説明していった。必要な能力は構成力、カメラや音響などいろんな経験が必要と言うなかで、最も強調していたのは「自分が楽しむこと」。「その時、その時で好きだからやる、やりたいからやるということを積み重ねていくと、思いもよらないことが起こるかもしれないよ」と、自分の経験も踏まえて伝えていた。

話を終えた星野さん。「みんな真剣に話を聞いてくれていた。外部の人の話を聞くことがないと思うので、おもしろかったんじゃないですか。結局は僕自身が楽しみたかったんですけどね(笑)」と、自身も思い切り楽しんだ様子。そして、「楽しむ」ことを強調した意図については「僕もこれまでは、伝えたいとか心を揺さぶりたいという思いもあったけど、結局自分がおもしろいとか楽しいことをやることが結果に繋がるという成功体験をしてしまった。それがすごく大事だし、楽しいところに人とお金が寄ってくるって、その通りだなと感じたので」と話してくれた。

 

今年のJリーグ版よのなか科は明日の3日が最終回。大物ゲストも登場して、選手は自分たちの5年後を考える予定だ。

追記:話し始める1時間ぐらい前から、こんなふうに緊張気味だった新木さん。子どもたちに言い忘れていたことがあるそうで、「ツエーゲンから出ていってしまう人もいるけど、いつかツエーゲンにいてよかったと思えるようなチームになれるように、僕も頑張ります」とのことだった。

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