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耐えるべきところで耐えた金沢U-18。クラ選出場決定【無料記事】

4日に行われた北信越クラブユースサッカー選手権(U-18)準決勝。金沢U-18は松本U-18と対戦し5−2で勝利、2年連続となる本大会出場を決めた。

 

金沢U-18フォーメーション

 

最終的なスコアこそ5−2だったが、ラスト15分まではどちらに転ぶかわからない展開だった。まず試合を動かしたのは金沢。5分、最終ラインからのロングボールに中川豪が反応。キーパーボールかと思われたが、これがマイボールになると「最初はどんどん打っていこうと思っていた」という中川が冷静に流し込んで先制する。

 

その後も14分には柳村龍慎がカットインから右足でシュート、さらに22分にも柳村がミドルシュート、30分には混戦のなかから中川がシュートを放つなど、金沢にチャンスがなかったわけではないが、基本的には松本にボールを握られて押し込まれる展開が続いた。

 

10分には左サイドからのクロス気味のシュートがポストを叩いてヒヤリとさせられると、33分にもコーナーキックから大きなピンチが訪れるが、これもシュートが枠を外れる。しかし37分、コーナーキックからファーサイドに高いボールが入ると、これを松本のエース、田中想来に決められて試合は振り出しに。

 

金沢はマイボールになってもうまく繋げず、なかなか効果的に前に運ぶことができない場面も続いた。「前半はあまり自分たちのプレーができなくて、押し込まれることが多かった」と振り返ったのは平川稜。齋藤将基監督も「最初の時点で硬いな」と感じていたようだ。さらにハーフタイムでも「すごく静かだった。いつもだったらもっとしゃべりながらみんなで共有したり、『どこがやられているからこういうふうに対応しようよ』という声があるのに、今日はそれがなかった」と、普段とは違う緊張感のなかで戦っていた金沢。

 

それでも齋藤監督から相手の状況、試合の状況を見て戦うようにという指示を受けた後半は、激しさや前への意識という意識を取り戻し、立ち上がりからチャンスを量産する。開始直後の48分には右サイドから伊勢野華立がクロスを入れると中川がシュート。これが相手に当たり混戦になったところを柳村が押し込んで再びリードを奪う。

 

55分には村田健人のオーバーラップからチャンスをつくると、その直後のコーナーキックでも混戦となったところから中川が狙うが、シュートはわずかに左。58分には松浦魅空のスルーパスに平川が抜け出しかけるもトラップが決まらない。17分にはカウンターから伊勢野が持ち運び、ラストパスを受けた中川がシュートと決定機は多かった。

 

後半はサイド攻撃やカウンターでもチャンスはあったが、中川と平川の2トップが相手のセンターバックの間でフリーになっていたり、中央を抜けてチャンスをつくるシーンが増えた。これについて平川は「前半と比べて相手のセンターバックの距離感が広がっていることが多かったので、そこを狙っていくことを意識していた」と冷静に分析。中川も「(金沢の)2トップふたりが、どっちも足元、どっちも背後にならないように、ふたりで関係をつくるように(コーチングスタッフから)言われていた。相手のギャップとか背後でボールを受けられるようにしていた」と、うまくスペースをつくり、見極めながら戦えていたようだ。ハーフタイムで齋藤監督から指示を受けた「相手を見る」と言う部分も後半は改善されたようだった。

 

しかし追加点を奪えないでいると、またも流れは松本に。ボールを持たれて幅を使って動かされると、前半と同じようにクロスやコーナーキックから危ない場面がたびたび見られるようになる。「苦しい時間だったのでは?」と監督に尋ねると、「苦しくはなかったと思いますよ。ビハインドになったわけではなかったし、いつも通り全員で攻撃をして全員で守備をしていこうということだったので」と冷静に戦況を見守っていた様子。

 

その言葉通り、押し込まれる時間帯を全員でしのぎきると、79分。久しぶりに奪ったコーナーを柳村がファーにキック。これをラインギリギリで高橋祐翔が折り返すと相手に当たったボールがゴールに吸い込まれリードを広げた。

 

ここからは怒涛のゴールラッシュ。37分には柳村が起点をつくり、そこを中川が追い越してクロスを上げると平川が押し込んで4点目。さらにその直後には今度はお返しに平川のクロスから中川が決めて5−1とした。87分に失点はしてしまったが、5−2で勝利した金沢が4度目となるクラ選出場を決めた。

 

そして本日行われた新潟U-18との決勝ではガラッとメンバーを変えて臨み、高校1年・吉村征也の決勝ゴールで2年連続の優勝(昨年は抽選)となった。

 

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