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小松裕志代表取締役社長インタビュー「FC岐阜がめざすもの」前編【2023FC岐阜始動/2月13日17時から無料公開】

 
 上野優作監督のもと、改めて基礎からフットボールを叩き込み、攻撃的なスタイルを築き上げていこうとしているFC岐阜。そのピッチ内の方向性は、このクラブが目指すもの、このクラブが掲げている理念から導き出されたものだ。これから先どこを目指そうとしているのか、小松裕志代表取締役社長の語り下ろしによって解きほぐしていく。
 
◆選手を育てて闘うクラブに
 

撮影:後藤勝


 昨年のホーム最終戦セレモニーでは率直に反省を述べさせていただきました。結果が出ていない以上、そこに対して何が問題だったのかを我々は明確化しなければいけませんし、それに対する次の修正案ももちろんです。
 予算を投じて上をめざすことそれ自体がよかったか悪かったかに関しては、もしJ2に上がっていたら大きな盛り上がりを得ていたかもしれず、現時点でも厳密には私自身にも判断がつかないところがあります。
 ただいずれにしても、行動の成否を結果で示す必要があるとは思っています。J2に昇格するですとか、若手がアカデミーからもっと多く育ってというように、目に見えるかたちで皆様に見ていただかないと、結果としてそれがよかったのか悪かったのかははっきりしない。

 未来のイメージとしては、FC岐阜がJ1で優勝争いをしている光景を描いています。所属している選手の平均年齢が20~25歳くらいの若手が中心で、6~7割の出身地が岐阜。躍動感のあるサッカーを提供し、皆様が毎試合「岐阜の試合を観に行こうぜ」と言い、岐阜全体が盛り上がる、そういう一大注目コンテンツとしてFC岐阜が存在する。そこで優勝するかしないかはわからないですが、常に優勝争いをするグループに加わり、毎シーズン活躍した若い選手たちが古橋(亨梧)選手みたいに海外のクラブにどんどん引き抜かれていく。海外に引き抜かれていってもどんどん若手が育成されて上がってくるので、そういう18~20歳の若い子たちが試合に出て活躍する。
 こういう流れを、まずはビッグピクチャーとしてイメージしています。

 では、そこに行き着くまでに何をしなければいけないのか。セレモニーのときにも話しましたけど、まだまだ我々の認知が不十分なので、岐阜県を全部網羅出来るような拠点を抑え、その周辺のスクールをも巻き込んでのアカデミー活動を、潜在的なスポンサーやファン層の獲得も含めてやっていきたい。

 複数の活動拠点を持ち、いくつかのエリアに分かれている岐阜県全体を網羅するようなリソースを獲得していって、そこでまずアカデミーを育てたい。そうなると、FC岐阜U-15が1チームだけだとスケーラビリティ(規模に対応出来る度合い)が足りないので、たとえば飛騨、東濃、中濃、岐阜、西濃の各地域に準じてブロックを区切り、FC岐阜U-15を複数つくって、子どもたちを下から獲得してちゃんと育てられるような環境を土台として作っていき、優れた選手がいたらFC岐阜U-18に集約する、というのが理想です。当然、(岐阜市以外からやってくる子のための)寮も必要ですし、学校との提携も必要ですし、U-18のその後のキャリアパスという点でも我々は一定程度責任があると思いますので、プロサッカー選手になれなかった場合のキャリアプランも含めて準備をしていかないといけない。

 FC岐阜U-18までプレーしたが高校を卒業してすぐほかのプロクラブへと加入することは難しいという場合には、岐阜県にある大学と提携させていただいて、そこに岐阜の選手を進学させ、四年間鍛え上げ、サッカーだけでなく社会人としての基礎も学ばせたうえで、そのあともう一回プロに挑戦しようと。そういう流れにしたいと思っています。

 そうなるためには、指導の質の一貫性を保たないといけない。誰が指導してもブレない、
どの指導者が見ても選手評価があまりブレないような体制を我々がつくっていかないといけないと思うんです。どういうサッカーをするのか、志向していくのかということを、岐阜県内のどのブロックにいようと、みんなが同じ目線を持ってやっていかないといけない。

 そういった意味では、育成の指導者の育成が大事だと思っています。岐阜の歴史、土地柄、風土、県民性といったものを可能なかぎりクラブが目指すサッカーのスタイルに採り入れつつ、岐阜が今後クラブとして子どもたちに求める要素をつくっていく。一度つくったらそれで終わりではなく、毎年毎年やっていってトライアンドエラーを繰り返し、よりブラッシュアップしながら今後5年、10年をかけてよりよいものにしていく。そうなってきたときにDNAを受け継いだ子どもたちがアカデミーから輩出されて、どんどんトップチームに昇格していくようになるわけですよね。そうなると、自ずとトップチームのスタイルも我々の築き上げていく岐阜カラー、岐阜スタイルにより収斂されていくのではないかな、と思っています。

 私はアマチュアの立場で選手をしていましたが、今は社長という立場で岐阜フットボールクラブという企業の価値をどうやって上げるかということにフォーカスしているので、毎試合どうやって勝つかというところに関しては私が話すことではないと思っています。ただこれまでは練習の現場で何が起きているのか、それにどう対処しているのかを我々フロントが十分には把握出来ていなかったということが反省点としてあります。
 どういう戦術を採るにしても、チーム全員の意思が統一されていないとダメだと思うので、それには約束事を決めていけばいいと思うんですよね。それがどんどん自分たちのチームに馴染んでいって、このケースではこうだと試合で実践に移せるようになる。そういった部分をより正確に把握出来るように、今年は一週間ごとに現場からトレーニングレポートを提出してもらっています。これによってチームが目指していることであったり、やろうとしていることは明確にわかります。また、チームが目指していることが試合で出来なかった場合に、監督やコーチの落とし込みが足りなかったのか、選手が実践しきれなかったのか、どこが問題点なのかがはっきりしやすくなるとも考えています。

 上野監督の目指す方向性は我々の考えているものと大きく変わらないですし、経験値をたくさん持っている方なので、フットボール面に関しては上野さんの手腕にお任せして、ぼくらは確立された選手たちを送り込めるように企業努力をしていこうというところなんですね。
 その先に、どんどん海外クラブへと人を送り出せるようなクラブ経営を可能であればしたいと思っています。それが引いてはFC岐阜でプレーしたいと思う選手を増やすきっかけになるかもしれません。足りないものはまだまだあるにせよ、拠点が出来ればU-15やU-18の目指す取り組みが現実味を帯びてくる。企業様ともそういった話をしてきましたし、現状もしているところです。

 現状、42の市町村から応援をいただいて本当に有難く思っております。その中でも特に熱心にFC岐阜を応援したいという方々とお会いさせていただくようになって、我々の価値を理解してくださり、一緒に思ってくださるような組織または行政と一歩ずつやっていきたい。それが結果的には岐阜県全域をカバーするような体制づくりにつながればと思っています。

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