初のJ3リーグアウォーズ開催。表彰選手の顔ぶれから読み取れるものとは【ぷち★ぎふ/無料コーナー】
全日程を終えた翌11月21日、J3リーグアウォーズが開催され、以下12人の選手が個人表彰の対象となった。
<最優秀ゴール賞>
FW ロリス ティネッリ(Y.S.C.C.横浜)※2022年9月25日J3第26節、対松本山雅FC戦44分の得点
<ベストイレブン>
GK 内山圭(藤枝MYFC)
DF 家泉怜依(いわきFC)
DF 林堂眞(カターレ富山)
DF 安藤智哉(FC今治)
DF 広瀬健太(鹿児島ユナイテッドFC)
MF 嵯峨理久(いわきFC)
MF 日高大(いわきFC)
MF 山下優人(いわきFC)
MF 横山暁之(藤枝MYFC)
FW 有田稜(いわきFC)※最優秀選手賞、得点王(17得点)との個人表彰三冠
FW 有田光希(鹿児島ユナイテッドFC)
この顔ぶれから現在のJ3がどういう傾向にあるかを読み取ることが出来そうだ。有田光希と林堂眞はJ2での経験が豊富な選手だが、いわきFCの選手が4人選出されたこともあり、全体的にはキャリアの浅い若手や中堅が目につく。予算規模の問題もありそうだが、自クラブで活躍させるにしろ市場価値を高めるにしろ、選手を自クラブの環境で育てることにサッカー界がいかに敏感になっているかということのあらわれであるとも言える。
鍛えて伸ばす典型のいわきからは有田稜というMVP、得点王、ベストイレブンの三冠プレーヤーが輩出された。オンライン会見では「フィジカル面は自分でも強くなった実感はある」と成長について語っていたが、これはいわきの選手すべてに言えること。キャプテンの山下優人が「監督がめざすこと、やろうとしていることをチーム全員が共有しながら一年間積み上げてこれたことがこの結果につながったのかと思う。J2に昇格する来季は変わらずどんどん前に向けてプレーし、謙虚に、貪欲に自分たちがどれだけ通用するか挑戦していきたい」と言うように、ひとつの基準、方向に沿って積み上げた結果が個人としてもチームとしても成長につながったのではないか。かねてからフィジカル強化を主眼としていたいわきは今シーズンからスプリントコーチを採用し、鍛え上げた肉体と走る行為とサッカーとを結びつけた。飽くなき追求が強さの根本にある。
ベストイレブンのディフェンダー4人のうち半分を高身長の若手が占めていることにも着目したい。流通経済大学から新卒でいわきに加入した身長185cmの家泉怜依は「高さ、対人が評価され受賞したのではないかと思う」と言っていたが、これは愛知学院大学からFC今治に加入して2年目となる身長190cmの安藤智哉も同じこと。ゴール前のスペシャリストであるセンターバックに身体能力が高いタイプのプレーヤーを確保することも上位進出に欠かせない要素のひとつだ。
また、コンセプトに沿った選手の獲得という意味では、藤枝MYFCのゴールキーパー内山圭の受賞が目を引く。須藤大輔監督の師匠に当たる大木武監督のロアッソ熊本で2020シーズンはレギュラーだった内山はボールを保持するサッカーへの適合性が高い。「超攻撃的にやっていくなかでゴールキーパーからつなぐチームなのでJ2に昇格する来季も今季と変わらずつづけていきたい」と言えるのは、一貫したスタイルが浸透しているからこそだろう。
最優秀ゴール賞を獲得したロリス ティネッリはルクセンブルク出身のフォワード。J2を経験していないY.S.C.C.横浜が欧州のマイナー国から大卒2年目相当の選手を引っ張ってきたことを考えても、資金的なコストをかけずとも発掘に対して積極的になる必要があるとは言える。そのロリス ティネッリが「Jリーグに関してはポジティブな驚きを感じています。3部リーグでもこういったレベルで試合が出来るということは自分の成長にもつながると思い、来られて大変よかったと思っています」と述べたように、J2を経験したクラブが大半を占めJ3のレベルは2014シーズンの開設当初とは比べものにならないくらい向上している。FC岐阜としても2023シーズン以降のチームを設計していくにあたり、こういった状況を十分認識しなければならないだろう。
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