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OBに聞け! 森安洋文さん(株式会社Football Heroes代表)その1「Aリーグもですが、ACLに出場したことも自分のなかでは大きな経験」【OB Interview シリーズ第1弾/無料公開】

 

Zoomインタビュー中の森安洋文さん。


 Zoom取材を本格的に展開していくにあたり、まずはかつてFC岐阜で活躍したOBのみなさんへのインタビューシリーズを敢行!
 記念するべき第1弾は、現在は英語とサッカーのスクール「EFA 英語フットボールアカデミー」を手がけ、アレッサンドロ デル ピエロさん来岐時の英語通訳としても知られる森安洋文さん(2012-2014)を直撃。2回に分けてお送りする。
 
◆スクールと家庭で、子ども目線で
 
――森安さんは「英語サッカー」のスクールをやっていらっしゃいますけれども、新型コロナウイルスの影響で自粛期間に入ってからはどのようなレッスンを開講しているのですか?
 
森安洋文 今はコロナの影響で通常のスクールが休校になっているのですが、何もしないのももったいないなと思い、『オンラインで英語サッカー』というものをやっています。
 これはご家庭のスペースでできる範囲のもので、もちろんできる内容には限りがありますけれども、ボールを使った運動であったり、ボールタッチを追求しています。
 
 全部で40分くらいなんですけど、最初の20分は座学で英語のレッスンをして、それが終わったらあとの20分は運動しようね、ボールタッチをしようねと、英語で進めていきます。もちろん日本語によるサポートを入れながら。
 あとは、ふつうのオンラインの英会話だけというのもやっています。
 
――オンラインと現場での指導とで、勝手が違うところはありますか?
 
森安 やっぱりすごく難しいですよね。スクールであれば、本来は対面で眼の前に子どもがいて「これができていない場合は、ここを触ってこう使うんだよ」という伝え方ができます。それがオンラインでは基本、一切できない。だからより教える側の能力が問われるなと感じましたね。
 
――ご家庭によって部屋のスペースがまちまちでしょうから、どの程度体を動かさせるかというのも悩むところなのでは?
 
森安 そうですね。でも大体、2畳くらいの面積があればできるだろうという範囲でやるようにしています。もちろんそれ以上のスペースがあれば理想的ではあります。実際、ベランダに人工芝を敷いているご家庭もありますし。パソコンを家のなかに置いて、子どもたちは外で、人工芝でやるみたいな。
 
 でもほぼほぼ、9割以上のお子さんたちは室内ですし、2畳から3畳の広さがあればできるエクササイズを考えて実施しているので、そこまで問題はないかなと。もちろん「壁にボールが当たるかもしれないのでお気をつけて」ということは伝えています。
 
――それこそリフティングの技術を身につけることを考えれば、狭い場所がむしろ適しているのかもしれませんね
 
森安 そうですね。とはいえ、まだ高いレベルにある子どもたちばかりではありませんし、あまりボールを蹴ってほしくない状況のご家庭もありますので、リフティングに関してはそこまではやっていないです。腿に1回、2回当ててキャッチするという程度ですね。腿であればそこまでボールが跳ね返ったときに角度がつくおそれはないので。
 
 一回足で試みたときはボールがボーンと壁に飛んでいたので、今のところは控えています。いずれにしても省スペース、壁にぶつけちゃいけないという意識をもって取り組むことによって、集中力が上がるとは思います。
 
――ところで最近、お子さんがお生まれになったそうですね。おめでとうございます。
 
森安 ありがとうございます。
 
――もうだいぶ大きくなってきましたか?
 
森安 1カ月と少しですね。不謹慎かもしれませんが、こういう時期の生まれでよかったのかもしれません。
 日頃は仕事と家庭の往復で自分の自由にできる時間は少ないのですが、自粛期間に入ると家庭で過ごす時間は長くなります。そのぶん、子どもと触れ合う時間も本来の生活より増えますし、私自身にとっては貴重な1カ月だったと思います。
 
――いかがでしょう、ご自身への影響は。
 
森安 そうですね。意識が子ども中心になってくるだろうとは、わかってはいたんですけど、やはりそうなったな、と思います。
 
――スクールですとかお子さん相手のお仕事にもいい影響があるのでは?
 
森安 逆に、スクールでそういう小さい子たちと触れ合っていたこともあって、家でも子どもの目線に合わせることができていると感じています。
 だから、スクールをやっていてよかったなと思いますね。それがスクールでは特に大事になってくるので。育児でやっているようなことが外でできるかはわからないですけど(笑)、楽しくやらせていただいています。
 
◆英語、そしてオーストラリア
 
――小さいときに渡米して英語はもう自然に、肌身で憶えていったのでしょうか?
 
森安 そうですね、生まれたのは日本なのですが、父の仕事の都合で物心付く前に米国に行き、そこで現地の幼稚園であったり小学校、中学校に通いました。そうすると、向こうで使う英語は日本でイメージする“アメリカ”のものなんですよね。だから文法に関しては理解しきれていないというか……オンライン英会話教室をやっていると、高校生から「どうしてここには『is』が入るんですか?」と訊ねられたとき、その場では即答できない場合もあります。仰ったように“肌感”でやってきたものなので、最近は生徒からの質問に答えられるよう、他の講師さんの授業を聞いて勉強するようにしています。
 
――一度日本に帰ったのち、再び英語圏への移住となりましたが、英語力はどのような推移を辿ったのですか?
 
森安 中学3年生で日本に帰ってきて、もう一度海外に行ったのは24歳のときですね。それがシドニーだったんですけれども、8年間くらい間が空いていましたから、やはり英語力は落ちていました。一日のうちで英語を使う時間が少なく日本語中心の生活になっていたので――。
 
 中3までは英語のほうが得意でしたし。24歳でオーストラリアに渡ったときは、スムーズに話せるようになるまでは少し時間がかかりました。忘れますね、ふつうに。
 会話はできるんですけど、反応するスピードが遅く少し間が空いてしまうんです。使うことはほんとうに大事だなと、あらためて思いました。
 
――デル ピエロさんとはシドニーFCで接点があったのでしょうか?
 
森安 いや、じつは接点はないんですよ。彼はぼくとの入れ替わりでシドニーに来たので。だからシドニー在住時代には面識はなく、彼の通訳として初めて会ったとき「じつはぼくもシドニーFCにいたんだよ」というエピソードを開陳することになったんです。
 
――なるほどなるほど、2012年の9月にデル ピエロさんがやってきて、森安さんが8月にシドニーを去っていたと。
 
森安 はい、ぼくはもう8月でOUTになっているので。ぼくがOUTになって彼が入ってくることができた――というのは選手時代にぼくがいじられるときのネタだったんですが、さすがにそれはデル ピエロさん本人には言えませんでした(笑)。
 
――シドニー時代の思い出というと?
 
森安 サッカーじゃないところ、オフ・ザ・ピッチの部分では、たとえばハロウィンのときには選手全員でコスチュームを着てレストランに行ったりとか。そういう、なかなか日本では味わえないような経験を向こうでできたのはいい思い出ですね。しかもみんなけっこうコスチュームに凝っていたので……。
 
 そういう日々の経験が楽しかったですし。サッカー面に関しては、向こうでプレーしたということもそうですけど、ACLに出場したことも自分のなかでは大きな経験だったと思います。
 
――加入して次の年にはACLで日本に再上陸を果たすわけですが、特別な感慨はありましたか?
 
森安 そもそも、ぼくは自分がACLに出られるとは思っていなかったんですよね。ぼくがシドニーに渡ったのは2010年の3月のこと。ちょうど現地のスポーツバーでは川崎フロンターレとメルボルン ビクトリーのACL第3節を放送していて、それを観た記憶があります。
 ちょっと変な感じでした。初めて海外でACLを観たので……その翌年、逆にぼくがオーストラリアから出場するチームのなかに入って試合に出たのですから、すごく不思議な感じでしたよね。観ている側から一年でプレーする側にまわるということに、やはり特別な感慨はありましたね。
 
――ちょうどオーストラリアのサッカーも変わりつつある時期だったのでは?
 
森安 ぼくがいた一年目に関してはまだフィジカル重視のプレースタイルでした。そのなかで自分のテクニカルな部分を出していけたから契約できたと思うんですけど、二年目になるとアンジェ ポステコグルー監督が率いるブリスベン ロアーがすごくポゼッションをするチームに変貌して、そこからリーグ全体も変わっていきました。
 
 ハリー キューウェルも戻ってきて、Aリーグがお金を使ってサッカー界を盛り上げようとしていたと感じます。それこそデル ピエロさんや小野伸二さん、ヘスキーなど名の通った選手が入ってくるようになり、まさに一大転換期であったと思います。
 
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