「ファジラボ」寺田弘幸

【無料】【赤嶺真吾と、呑みながら】7月の全ゴールを解説!『この得点はチアゴも素晴らしいんですけど、俺からしたら和樹ですね』2022年8月(1)

昨年をもって現役を引退した赤嶺真吾さんと、お酒を呑みながら、お料理をいただきながら、いろんなことを語らっていく企画です。

今月は『火の鳥』で7月の全ゴールを振り返りました。

ストライカー目線の真吾さんと、ぜひ皆さんも一緒に振り返ってみてください。

第24節 熊本戦 0-2

 13分 伊東俊

赤嶺 「この試合は初めて子どもを連れて観に行っていたんですよ」

寺田 「そうなんだ! 初めてバイスが欠場して、阿部君が代わりに出た試合でもあったんだけど、立ち上がりから押し込まれて」

赤嶺 「そうですね。熊本は細かいパス回しがうまかったですね」

寺田 「それで逆サイドからのクロスが流れて阿部君がボールを持ったとき、まずイグォンに縦パスを付けたんだけど、また阿部君に戻ってきて、次に縦に入れたパスが相手にカットされてしまった」

赤嶺 「そうでしたね。この失点は、もちろん海大のパスミスが良くないです。DFが自軍でパスミスをしたら、やっぱり失点につながりやすいですけど、ミスが起こるのはしょうがないと思うし、俺はその後が大事だったと思いますね。杉山選手にボールが入ったとき、海大はチャージできたじゃないですか。だから、ここでファウルしてでも止めた方が良かったと思います」

寺田 「なるほど。何としてでも止めておく、ってことね」

赤嶺 「海大のミスはチャレンジしたミスだったし、ミスは絶対にある。もし俺だったら絶対にガツンと行っていると思います。自分はFWしかやったことないですけど、ここはイエローカードをもらってでも止めると思うし、もし俺がピッチ内にいたら、海大に『潰せ!』って言っていたと思いますね」

寺田 「良いことじゃないかもしれないけど、すごく大事なことだね。勝負がかかっているわけだから」

赤嶺 「結果論になりますけど、そういうところって本当に大事なんです。海大ももう若くはないですし、あそこはファウルした方がチームにとってもプラスになることを学んでいかないと。ファウルした結果、イエローカードをもらうかもしれないけど、そういうずる賢いプレーは、これからシーズン終盤ですごく大事になってくると思いますね。海大だけじゃなく、全選手に」

 57分 イヨハ理ヘンリー 

寺田 「2失点目はCKからの失点だったんだけど、ファジアーノは今年ずっとゾーンで守ってきている。それで、河井君、田中君、本山君のうち2人が相手の強い選手をマンツーで捕まえる形なんだけど、この守り方についてどう思う?)」

赤嶺 「ゾーンはゾーンで良い面もあれば悪い面もあって、どっちもそうなんですけど、自分が攻める側の立場になって言わせてもらうと、ゾーンの相手はブロックしやすいです。ゾーンで守っている相手って、基本みんながボールを見るんですよ。それで、自分の前に入られないように対応するっていう守り方なんで、本当にずる賢いチームだったら、自分がもし熊本側の分析だったら、いろいろなやり方を考えて臨みますね」

寺田 「ファジアーノの高さはリーグでもトップクラスだけど」

赤嶺 「それでもいろいろ手はあって、この得点シーンはすごくうまいです」

寺田 「どういうところが?」

赤嶺 「まず、相手がゾーンのときは走りやすいんです。しかも、イヨハは相手の死角になるコースを走ってチアゴの前に入ってきている」

寺田 「死角になるコース?」

赤嶺 「ゾーンで守っているDFの目線って、だいたいが、このシーンで言ったら左側になるんです。ゴール前にチアゴ、柳、海大がいますけど、彼らは左側から選手が飛び込んでくることの方が多いんで、そっちに意識が向く。だから、左側から来る選手は関節視野で見ているんですけど、イヨハは3人の右側を走ってチアゴの前に入っているじゃないですか」

寺田 「確かに」

赤嶺 「おそらくチアゴも柳もイヨハの動きは見えていなかったと思います。こうやって詳しく見れば納得できますよね」

寺田 「そういうことか。じゃあ、ファジアーノ側にできることがあったとしたら、田中君がイヨハを走らせないようにするってこと?」

赤嶺 「それも難しいと思いますよ。走るコースはめちゃくちゃあるんで」

寺田 「じゃあ、これは完全に熊本が上回った得点だったんだね」

 第25節 大宮戦 4-2

15分 徳元悠平

寺田 「熊本戦から中3日で臨んだ大宮戦もバイスは欠場となった中、阿部君に代わって濱田君が出場した試合だ」

赤嶺 「これは水輝の試合でしたね」

寺田 「そうそう。いろんな意味でドラマチックな試合だったけど、先制点は徳元君の右足だった」

赤嶺 「悠平か! これは良かったですね」

寺田 「良いシュートが飛んだよね」

赤嶺 「このシーンは、逆足だけど思い切って振ってミートできたのが1番良かったと思います。この試合の後に子どもと散歩している悠平とたまたま会ったんですけど、『右足だったから思い切り振れた』って言っていましたよ」

寺田 「逆足だった方が深く考えず思い切り打てるものなのかな?」

赤嶺 「特に左利きの場合はそうだと思いますよ。あと、このシーンは悠平とイグォンの関係性が良かったですよね」

寺田 「徳元君がイグォンに良い縦パスを入れている」

赤嶺 「そのパスで相手の裏を取れたのがまず良かったと思うし、ムークと合わずに失うんですけど、すぐに奪い返しに行ったことでセカンドボールを拾えたのも良かったです」

寺田 「徳元君も良く押し上げていた」

赤嶺 「そうですね、蹴った後にサポートは基本ですけど、けっこうな距離を走ってますね」

寺田 「今季初得点だったけど、徳元君の良さがすごく出ている得点だった。やっぱり彼の良さは攻撃的な部分だから」

赤嶺 「それは間違いないです」

寺田 「こういう形でゴールに向かっていくプレーを増やしてほしいね」

赤嶺 「そうですね。もっとアシストだったりシュートだったりを狙っていけば、悠平の良さがどんどん出ると思います」

64分 西村慧祐

寺田 「この試合は6つゴールが生まれるんで駆け足でいこう。64分にFKから同点に追い付かれた」

赤嶺 「(武田)英寿ね。彼とは昨年に琉球で一緒でしたけど、あれはめちゃくちゃ良いキックでしたね」

寺田 「最近、壁に味方が入っちゃいけないルールができたじゃない」

赤嶺 「はい」

寺田 「それって、けっこう影響あるの?」

赤嶺 「どうなんですかね。俺はキッカーをやったことがないんで、あんまり分からないんです(笑)」

寺田 「そっか」

赤嶺 「このゴールは、キックの精度が良かった。もうしょうがないですよ。英寿は自信を持ってますし」

寺田 「堀田君はよく反応して触っていると思うんだけど、ゴールラインに弾き出すことは難しかったかな」

赤嶺 「う~ん。確かに。でも、けっこうFKのシュートは威力があるんですよ」

寺田 「だから触るので精いっぱいか」

赤嶺 GKの感覚が俺にはよく分からないですけど、1つ言えることはこぼれ球のところですね。大宮がFKを蹴る側で、ファジアーノは守る側じゃないですか。だから、最初からファジアーノは身体の向きがゴールを背にする向きになっていて、大宮側はゴールに向かっているんです。蹴る瞬間、ファジアーノの選手は半身になっている選手もいますけど、どうしてもゴールに向かっていく大宮の選手の方が有利ですよね。だから、大宮の選手が早く触ったんだと思うんですよ」

寺田 「なるほど」

赤嶺 「守備側が最初からゴール方向に向いていることはあり得ないんで、ここは本当に難しいところです」

寺田 「だったら、やっぱり堀田君が前に落としたらダメなんじゃない?(笑)」

赤嶺 「いや~ 寺田さん、俺はGKじゃないから何とも言えない(笑)」

寺田 「そうね(笑)この得点は、やっぱりFKが素晴らしかった。武田君の得点と言ってもいいだろうね」

赤嶺 「そうですね。ファジアーノ側としては本当に防ぐのが難しかったと思います」

 74分 濱田水輝

赤嶺 「この水輝の得点はFKの精度も良かったですし、もちろん水輝の強さもあるし、タイミングも良かったですね。俺もうれしかったですよ、このゴールは。水輝とは一緒にやってきたし、今年の状況ももちろん見ていたんで」

寺田 「この河野君が蹴ったFKのボールもすごく良いよね」

赤嶺 「良いボールですね。水輝もゾーンで守る相手に対して、23M後ろから勢いを持って入っている」

寺田 「うんうん」

赤嶺 「和樹もいて、佐野君もいて、チアゴもいる。チアゴは競るつもりなかったと思うけど(笑)」

寺田 「柳君も濱田君と同じような態勢で飛び込もうとしている」

赤嶺 「河野君の蹴ったボールがけっこう速いボールだったと思うんですよ。これがふんわりだったら、柳が叩いていたかもしれない」

寺田 「濱田君のシュートはけっこう難しくない? 戻りながら頭を合わせている」

赤嶺 「そうですね。でも、これは本当に良いボールです」

寺田 「スピードがあったから?」

赤嶺 「それもありますし、ボールが相手のゾーンの手前に来ているんですよ。水輝も気持ち入り過ぎたけど、水輝の方が反応しやすいボールだった。あと、和樹、佐野君、チアゴの3人がゾーンの中にいたこともポイントだったと思います」

寺田 「それも大事な役割なのか」

赤嶺 「はい、大事です。全員がゾーンの外にいたら相手も水輝や柳にアタックに行きやすいですけど、ああやって3人いると、まずそっちを意識しないといけないんで」

寺田 「みんなが役割を果たして生まれたゴールだったのか。これが決勝点になれば、本当に美しい試合だったのに(笑)」

赤嶺 「水輝ともたまたま試合の後にあったんですよ。『水輝、ナイスゴールだったな』って言ったら、『決勝ゴールだったらマジで気持ち良かったのに』って言ってました(笑)」

 84分 菊地俊介

寺田 「この時間帯は大宮にずっとボールを持たれていたけど、それはある程度は仕方ないよね」

赤嶺 「ですね」

寺田 「ただ、この失点は本当にショックだった。右サイドで田中君が戻り切れずボールを運ばれたのが痛かった」

赤嶺 「そうですね。時間帯もありますけど、やっぱりボールに対してプレッシャーに行けてないですよね。ただ、その前のところで本山君がボールを奪いに行こうとしているんですよ。運動量がある選手だから行っても悪くないですけど、ここはポジションを崩さないで、陣形を崩さない方が良かったかもしれない。本山君が出たことでズレが生まれたところがあったんで、そういうところも含めてですけど、富山の落としはすごくうまいですね」

寺田PA内で濱田君が富山を捕まえていたんだけど」

赤嶺 「このシーンの水輝の対応は悪くなくて、富山が良かったと思います。クロスが上がる前に駆け引きをしているし、しっかりと菊地の動きや距離感を把握できていたからダイレクトで落とせたんだと思う。ファジアーノも人数はいましたけど、相手の方が連動していた。相手が上回った得点だったと思いますね」

寺田 「この得点はショックだったけど、だからこそチアゴの得点が本当にうれしかったよ」

 90+1分 チアゴ・アウベス

赤嶺 「この得点はチアゴも素晴らしいんですけど、俺からしたら和樹ですね。もちろん、チアゴはよく落ち着いていて、GKDFもよく見えていたと思う。そこは本当に素晴らしいです」

寺田 「河野君も良く上がったよね」

赤嶺 「そうですね。このオーバーラップも良かったです。成瀬の周りを使った判断も素晴らしいし、この時間帯での河野のスプリントも素晴らしいんですけど、このクロスに対して和樹がニアで潰れている。この潰れる動きが俺的には1番良かったです。あと、その前のCBの2人も良かったと思います。まず水輝が1回跳ね返してガチャガチャってなって、次にまた柳が跳ね返している。CB2人の強気なプレーがこのゴールにつながっていると思いますね」

寺田2人の強い気持ちが出たプレーだね」

赤嶺 「このルーズボール争いで勝ってないと、得点はなかったですから。バイスもそうですけど、CBの気持ちの強さはこのチームの大きな特徴だと思いますね」

寺田 「なるほど。真吾さんは、この得点シーンの齊藤君のような役割を良くやってきたと思うけど、やっぱりあそこがチャンスだと思って飛び込むの?」

赤嶺 「チャンスはチャンスです。ニアで合わせるのは難しいですけど、ここにピンポイントで合えばゴールなんで。しかも、和樹が止まっていたら、相手もそんなに動かなくていいんですよ。今のシーンで言うと、和樹が相手2人を引き連れているじゃないですか。それでこぼれ球がチアゴの前に落ちているんで、和樹の動きを評価する人は多いと思いますね」

寺田 「なるほどね。ああいう潰れ役をした後にゴールが決まったら、自分のゴールじゃなくてもうれしいの?」

赤嶺 「いや、うれしくないです(笑)」

寺田 「だよね(笑)」

赤嶺 「和樹もFWなんでうれしくなかったと思うし、おいしいのはチアゴですけど、俺は和樹の動きを評価したいですね」

 90分+5分 チアゴ・アウベス

寺田 「最後にチアゴがPKを獲得した場面は、カウンターだった」

赤嶺 「時間帯を含めて、ああいう対応になるDFの気持ちは分かるし、しょうがないでしょうね。でも、ここもあれじゃないですか。PKになる前の和樹のプレーですよ」

寺田 「」

赤嶺 「和樹とチアゴの関係、距離感がすごく良かったです。勝っている状況でアディショナルタイムでしたけど、2人ともちゃんとロングボールを蹴られた後に戻ってコンパクトにしている。結果的に2人の距離感が近くて、2人の連係で崩せていますから」

寺田 「さっきの決勝点もそうだけど、2トップの関係性で生まれたゴールと言ってもいいんだろうね」

赤嶺 「そうですね」

寺田 「チアゴの2得点ではあるけど(笑)」

赤嶺 「俺は和樹に蹴らしてやってよって思ったんですよ(笑) 和樹が決めたらもっとチームが活性化しますよ。和樹のゴールが早く見たいです」

〈 続 〉

(2)は9日 18:00にアップ予定です。

『炭焼 火の鳥』

岡山県岡山市北区丸の内1-9-15

選手たちもよく来店する焼鳥屋です。
美味しくいただきました。

 

赤嶺フットボールスクール
a-footballschool.com

『とにかく夢中でサッカーを楽しんでいた小学生時代。楽しむことが成長へ繋がると思います。このスクールでは、サッカーに必要な技術面を楽しみながら引き出します。一緒にサッカーを楽しみましょう』

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