「ファジラボ」寺田弘幸

【無料】『宮崎幾笑がキレキレだ。背番号10が結果を出せば、これはすごいことになる』【2022宮崎キャンプレポート(光輝)】

――キャンプで調子が良かったのは誰ですか?

寺田 「幾笑君です」

――どんなところが良いんですか?

寺田 「動きにキレがあるし、ゴールに向かっていくプレーがとても多くできています」

――開幕戦の先発もありそうですか?

寺田 「あるんじゃないかなと思っていますし、どういう形であっても試合には絡んでくると思っています。僕は幾笑君が序盤戦のキーマンの1人になると思ってるんです」

光り輝く背番号10のプレーが見られると思います。期待していてください。

(寺田弘幸)

指揮官の期待を感じる中で

キャンプが始まって間もなく木山隆之監督に宮崎幾笑について聞くと、けっこう厳しい言葉が返ってきた。

「もっとゴールに向かわないと。彼とはよく話をするんだけど、チームとしてボールを保持するためにポジションを取ることも大事だけど、ウイングは最終的にエリアの中に入っていってシュートを打っていかないと。そういうところをはじめ、まだまだ物足りない」(木山監督)

でも、それも期待の大きさの表れだったんだと思う。

ドリブルでのカットイン。縦への突破。ダイアゴナルに走ってゴール前へ侵入する動き。背後を突くランニング。これら木山監督がウイングに求めるプレーは、そのまま幾笑の特徴と重なる。だから、「逃げずに厳しいところで勝負しろ!」「結果を出せ!」っていう指揮官の想いが込められていたに違いない。

出色のパフォーマンス

それからずっと背番号10に注目していたけど、テゲバジャーロ宮崎とのトレーニングマッチの幾笑は出色のデキだった。キャプテンマークを託したのも指揮官の期待の表れだったんだと思うけど、その期待に応えるように幾笑は何度もボックス内に入っていくプレーを見せた。

しかし、あと一歩のところまで何度も入り込んだのに、得点が奪えなかった。
試合後に少しだけ会話をすると、彼は頭を振りながら話した。

寺田 「3点くらい取れたじゃん!」
幾笑 「ほんと。そこがオレの課題っすよね」

寺田 「もったいないな~」
幾笑 「あ~ あんだけチャンスがあったのに。今日は寝れないっすよ」

悔やんでも悔やみ切れない様子だった。ただ、幾笑の表情は明るかった。自分の身体が動いている実感があって、自分のプレーを表現できているからだろう。

翌日以降も幾笑の動きはどんどんキレ味が増していく。3日に“ニアゾーン”を突いていく練習をしたときも誰よりも鋭い動きを見せていたので、バスに乗り込む前に足を止めてもらった。

寺田 「絶好調って言っても良さそうだ」
幾笑 「このまま落とさずいきたいですね。本当に今が大事ですし、さらにコンディションを良くしていけるように、コンビネーションも深まるように、やっていきたいです」

寺田 「今日は木山監督の指示にも熱がこもっていた。幾笑君はどんなことを意識している?」
幾笑 「ゴールエリア付近でプレーする回数を増やすことが一番。質も大事ですけど、まずは回数です。それから、そこまで行ったら簡単に下げないで、個人で突破してクロスを上げていきたい。ただ、個人で行こうとしても縦にも中にも行けないくらいスペースがないときがあるんで、そういうときは味方と距離を近くしてコンビネーションで入っていきたいです」

寺田 「ニアゾーンに入っていくときはプレースピードも上がっている。そこでクオリティを出すのは簡単じゃないと思うけど」
幾笑 「そうですね。しかもオレの場合はだいたいDFが左足を切る対応をしてくる。だから右足でクロスやシュートに行くことが多くなるんで、どうしても精度は落ちてしまうけど、さっきも言ったように数で勝負していこうと思っていますし、ニアには絶対に入っていこうっていうチームの約束事があるんで、クロスを上げるときはスペースに流し込むイメージでやっていきたいです」

頭の中に具体的なプレーイメージが浮かんでいた。「一番自分の特徴が生きる場所」と自覚する右ウイングでプレーしているし、身体も良く動くから、どんどんアイディアも浮かんでくるんだろう。今はプレーするのが楽しくて仕方ないようだ。

開幕戦で結果を出せば

寺田 「もう2月に入ったし、開幕も近づいてきているね」
幾笑 「早く試合をCスタでしたい。それが今の一番の想いです。早くCスタのピッチに立って勝ちたいし、昨年はCスタで決められなかったんで、早く点を取りたいです」

まだレギュラー争いに決着がついたわけではないけど、幾笑は開幕戦をしっかりとイメージして日々を過ごしている。自分が一番、自分に期待しているんだ。

ちょっと話題を変えようと思って、生やしている髭について聞いてみた。
「オレ、けっこう生えるんですよ。剃るのもめんどくさいんで、じゃあもう生やしていこうかなって(笑) これからどうするかは、周りの反応も見ながら決めていきます」
とのこと。いろんな意味で今年は昨年とは違う姿を見せてくれそうだ。

幾笑が輝きを放つ右ウイングには、チアゴ・アウベスがいる。白井陽斗もいる。おそらくハン・イグォンも右ウイングが最も力を発揮できるポジションだろう。並大抵のパフォーマンスではピッチに立つ時間を獲得できない状況にあるけど、今の幾笑からは一気にレギュラーを射止めてしまいそうな勢いが感じられる。

幾笑がもし開幕戦で望んでいるような結果を出せば―
さらに結果を出し続けて自信を膨らませていけば―

今年の攻撃陣の競争力はものすごく高まっていく。勢いに乗って開幕ダッシュを飾るためにも、年間を通してハイレベルな競争を繰り広げていくためにも、背番号10に大きな期待を寄せたい。

〈 了 〉

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