【クラブニュース】今池でのフラッグ交換に大須練り歩き。開幕翌日にサポートタウンで選手たちがファミリーとの交流を大いに図った。
開幕戦翌日の2月16日は午前に練習試合が行われ、午後にはふたつのイベントが名古屋市内で行われていた。どちらも毎年の恒例となっているサポートタウンとの“共同作業”で、ひとつは例年、新人が参加する今池商店街で掲出されているフラッグの交換。もうひとつは大須商店街での練り歩きである。どちらも新たなシーズンの開幕を感じさせる初々しいイベントで、今回は今池に加藤玄と杉浦駿吾が、大須にマテウスが参加し、ファミリーたちとの交流を大いに楽しんだ。

さっそくフラッグ交換スタート。加藤玄も脚立に乗って手を伸ばす。

しっかり交換して笑顔。かわいい。
今池でのフラッグ交換は1年間の掲出ですっかり色あせてしまった街頭のフラッグを、サポーター有志とともに次々と交換していくもの。脚立を使って一つひとつ手作業で交換していく際にはフラッグの受け渡しや移動などの間に、激励の言葉などをかけられている光景はほほえましくも熱を感じるもので、「こういう一つひとつの活動が応援してもらうことにつながる」(加藤)、「僕は名古屋生まれ名古屋育ちなので、こういった形で街全体を盛り上げる活動に貢献できるのは本当にうれしい」(杉浦)と、両選手ともにプロサッカー選手としての自覚も深まった様子だった。

ちょっと尋常ではない盛況ぶりの大須練り歩きになった。
すごかったのはマテウスの大須練り歩きだ。昨季も三國ケネディエブス、中山克広、小野雅史ら新加入選手3人が参加し大盛況だった応援パレードだが、参加するのがほかならぬマテウスということで集まったサポーターの数が桁違い。大須商店街を練り歩くと、大げさでなく商店街が人で埋まったのではないかと思えるほどの人手に、マテウスも「すごく愛情が伝わってきた」と心から喜んでいた。異様な熱気に包まれた練り歩きの後に行われた報道陣への対応の際には、悔しい開幕戦について「過ぎたことはもう元に戻せないけれど、そこでしっかり学ぶべきことを学び、次の試合に向けてしっかりとやっていきたい」とコメント。久々の豊田スタジアムでのプレーについても、「ファミリーの皆様が満員にしてくれた印象があるスタジアム。今回も満員にしてくれると思う」と、最高の環境での今季初勝利に期待を寄せた。
どちらのイベントも街やファンからの“サポート”の感覚を選手たちが感じるものとなり、彼らは意気込みも新た。こうした街ぐるみのチームになっていくことで、苦しい時のエネルギーもきっと湧いてくるに違いない。
今回はふたつのイベントの様子を写真で、そして参加選手たちのコメントもたっぷりお届けする。
- 2月16日に行われた今池商店街でのフラッグ交換には、サポーター有志も数多く集まった。
- 集まったサポーター有志に挨拶をする加藤玄。
- 杉浦駿吾もしっかりとあいさつ。両選手ともに若いが言葉がはっきりしていて好印象。
- さっそくフラッグ交換スタート。加藤玄も脚立に乗って手を伸ばす。
- サポーター有志から新しいフラッグを受け取って交換する。
- 慎重に作業を進める。
- 旗が絡んでいないかをしっかりチェック。
- 無事に交換できて笑顔。
- 杉浦駿吾もサポーターと協力してフラッグの撤去と交換を行っていく。
- 古いフラッグと新しいフラッグを交換する。
- これでいいかな?と戸惑いながらの交換。
加藤玄選手&杉浦駿吾選手
Q:こうして今池の真ん中でのフラッグ交換を、サポーターの皆さんと一緒に行なうといったイベントを経験してみての感想は。
加藤「先に喋りたいでしょ?」
杉浦「いやいや、玄くん先でいい」
加藤「そう?(笑)。じゃあ、こうやってファミリーの方と直接、交流させていただける機会ってあんまりないと思うんで。すごく貴重な経験をさせていただいてるなとは感じていますし、こういう一つひとつの活動が応援してもらうことにつながると思います。クラブがまたファミリーの方と盛り上がってくひとつのきっかけになるなとも感じているんで、大切にしたいなと思っています」
杉浦「僕は名古屋生まれ名古屋育ちなんで、こういった形でファミリーの方と、こういう街全体を盛り上げる活動に貢献させていただけるのは本当に嬉しく思います。サッカー選手はもちろんピッチの上で表現するのが一番ですけど、それ以外にもできることはあると思うので、こういう活動を活かして、より自分が何ができるのかなっていうのは考えていきたいなと思います」
Q:サポーターの方たちからかけられた言葉などはありましたか。
加藤「応援してくれていると、そういう言葉をすごく伝えてくださって。なかなかこうやって直接言ってもらえる機会ってほんとにないと思うんで、ありがたいなっていうのは思いました。昨日(開幕戦)はほんとに悲しい思いをさせてしまったんで、また頑張りたいなっていう思いになりました」
杉浦「僕はその、友達の知り合いの方だったり、そういう共通の友人もここに来てくださっていて。そういった方からも『応援してるよ』っていうのは伝えていただいたんで、もっともっと影響力のある選手になりたいなっていうのは改めて感じました」
Q:開幕戦は残念な結果にはなりましたが、その試合を受けて次のホーム開幕戦に向け、どう立て直していきたいでしょうか。
加藤「そうですね。ほんとに昨日は不甲斐なかったし、非常に残念な結果で。結果も内容もともに。でも、必要以上に悲観的になる必要はないって、改めて冷静に試合映像を見直しても思いましたし、キャンプの取り組み自体も、キャンプが終わってこっち戻ってきてからのトレーニングの内容自体もほんとに素晴らしかったと思っています。それは紛れもない事実だと思うので、キャンプでやってきたことを信じて歩みを進めたいなとも思いますし、ほんとに力のあるチームだってことをほんとに証明したいので、また1週間、いい準備したいなとは思ってます」
Q:加藤選手はデビューしたこと、60分間で終わってしまったこと、負けたこと。そこに対する嬉しさ、悲しさ、悔しさみたいなものの中でどれが一番強いですか。
加藤「いや、もう自分に対しての憤りですかね、やっぱり。デビューに対する高揚とかはほとんどなくて、それはけっこう自分でもびっくりするぐらい落ち着いてたし、むしろもっと緊張して何も見えなくなるんじゃないかと思ってたんで。そういう意味では、ほんとになんであの場でもっと勇気持って、いろいろな決断やプレーができなかったんだろうって。そういう自分への不甲斐なさからくる怒りとか憤りみたいなものが一番大きいですね」
Q:杉浦選手はメンバー外でしたが、翌日の練習試合では得点もしてアピールしました。そこで開幕戦の感想や、それを受けて練習試合ではどんなプレーをしてやろうと思ってましたか。
杉浦「昨日の試合を見てどう感じたかとかは、僕はメンバーにすら入れていないのが現状なので、僕がとやかく言う必要もないと思うんです。でもあの試合を見て、自分は練習試合でより若さだったり、勢いをチームにもたらしたいなっていう風には感じたので。今日の試合は1得点しかできなかったですけど、今の自分の出来ることはほんとに少ないですけど、そのできることを最大限に出して、これからもアピールして。自分でその出場機会というのをつかみ取りたいなっていうのは、昨日の試合を見て思いました」
Q:アカデミーの先輩がチームに帰ってきて、開幕戦に出ているというのは、どんな感じでしたか。
杉浦「まあ、ほんと素直に“すごいな”っていうのが一番ではあるんですけど。まあ…、もっとボール触れたんじゃないかなって」
加藤「おい(笑)」
Q:加藤選手はもっとボールを触って、もっとやってくれるだろうって期待していたんですね(笑)。
杉浦「そうです(笑)。ほんと、キャンプの時も玄くんが練習試合の1本目や2本目に出ているのを見ていて、ほんとにすごいなって、素直にすごいなって思ってたんで。だからもっともっとゲームを作ってくれたら僕は嬉しかったです」
Q:加藤選手、後輩から焚きつけられましたが(笑)。
加藤「いや、おっしゃる通りです(笑)」
Q:ただ、こうやって後輩に限らず、いろいろな人が見てくれている舞台に立ったことはまたひとつ励みになると思います。そういった意味でも、またどのように自分を変えていきたい、持ち上げていきたいと思いますか。
加藤「いやもう、先ほども申し上げたように、この憤りが自分のパワーに変わると思ってるんで。ほんとに悔しさを絶対忘れないで、また次にああいう舞台で自分の強みを表現できるようにしたいなと思います。ただ、アカデミーの選手が開幕戦に立ったというのはやっぱりクラブとして大きいことだと思うので、アカデミー出身の選手がチームを引っ張っていく姿を示したいなと思います」
Q:ホーム開幕戦は神戸が、またさらに手ごわい相手との対戦ですが、どう戦いたいですか。
加藤「もう自分たちのフットボールを見せたいなと思います。相手どうこうはそこに全く関係ないと思うんで。キャンプを通して積み上げてきたこともそうだし、自分個人としてのプレーヤーとしての価値もそうだし、そういうものはほんとに昨年のチャンピオンですけど、全く関係ないと思うんで。とにかく自分たちの良さとか、自分の良さをピッチの上で表現したいなと思います」
Q:杉浦選手もシーズンが始まったことですし、どうやってここから試合に出られる自分を作っていくかってところですね。ここから1週間、2週間、3週間と続く序盤戦を、どう戦っていきたいですか。
杉浦「ほんとに常に自分にベクトルを向けて、自分がやれることだったり、やるべきこと、与えられたタスクっていうのをより高いレベルでこなして。そしてそれ以上のものを表現していくっていうことでしか、自分の出場機会っていうのは拓けてこないと思うんで。ほんとにいま自分が武器としてるものは何か、いま自分に足りないものは何かっていうのをより自己分析して、さらなるレベルアップすることでしか、試合には出れないと思うので。そこを意識して日々毎日を大事に取り組んでいきたいなっていうのは思います」
Q:次はホーム開幕戦でたくさんのサポーターも来てくれると思います。サポーターへの意気込み、または呼びかけたいことを、それぞれ教えてください。
加藤「自分自身、ほんとにあれだけのサポーターの方に応援していただけたのは初めてで。なんかこう、負けた時に初めて、応援してくれた人に対して申し訳ないって気持ちになったんですね、川崎戦では。ああいう感じは初めてだったし、応援してくれた人たちに歓喜をもたらしたいっていう思いになれたことって、すごく初めてだったんで。やっぱりそういう力、そういう感情って強いエネルギーになるなって思ってるんで、ほんとにとにかく勝利で笑顔にしてあげさせられるように、すべてを出したいなと思います」
杉浦「僕はメンバーに入ったとしても入らなかったとしても、チームのためにできることは多くあると思うんで。ほんとにできることを100パーセント取り組んで、少しでもチームに貢献して。チームは勝って、その喜びを分かち合えるようになったらいいなっていうのは思います」
Q:杉浦選手は、やはり身近な先輩が開幕戦の大舞台に出たという部分には刺激を感じましたか。
杉浦「ほんと刺激になりましたし、ほんとに玄くんはいろいろなことを研究していて。研究というか学んで、自分もいろいろと、例えば『この食べている物はどうなの?』だったり、いろいろ教えてもらってるんで。『本当にそこまで考えてるんだ…』っていうぐらい考えているっていうことを知れたので、自分もよりリスペクトして、自分も早く一緒にピッチに立てるように頑張りたいと思います」
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