【クラブニュース】今季のSDGsアカデミーの施策の全容が見えてきた。第4回セッションで選手たちのアイデアがより具体的な催しの種に。
2024年11月05日 12時00分
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第4回のSDGsアカデミーは前回と同じJICA中部のミーティングルームで行われた。前日、前々日と遠征に行っていた選手たちはちょっと疲れた表情で、季節柄かマスク着用で体調管理に努める選手もちらほら。
前週にも行なわれていた今季のSDGsアカデミーの企画セッション2回目が昨日4日に行われ、前回セッションで出されたアイデアをより具体的に、実際に行なうものとしての企画検討段階に入った。会場は1週間前と同じJICA中部で行われ、今回はクラブスタッフやオブザーバーの数もより増やして選手たちをサポート。大きく4つの企画が立ち上げられたところから、実施日時も含めて一気に流れが加速した。
会場の後方には前回セッションで出された選手たちのアイデアがカテゴリー分けされて貼りだされていた。ここからさらなるアイデアの集束が行われる。
土日と関西遠征に出かけていた選手たちは朝10時からの集まりにやや疲れた表情ではあったが、いざ会が始まれば集中力を高めて話に集中。まずはユニフォームスポンサーでもある「AZAPA」が行なっている共創についての説明を受けたあと、前回の振り返りをしつつ具体的に行なうイベントの内容について考え出した。数多く出たアイデアの中から自分がこれだと思ったものを選び、「マグネットテーブル」という手法でさらにアイデアの集束を実施。最終的に4つのグループに分かれるところまでが個人ワークで、そこから先はグループワークによって何をしたいか、どうしたらできるか、というところまでを考えることに。
まずはこの日の段取り、流れについて説明を受ける。杉浦駿吾も疲れた様子だったが、一度集中すると目もぱっちりと。
選手たちがブラジル人キッズたちと行ないたいと思った企画は「大運動会」「ミニゲーム大会」「バーベキュー」「エスコートキッズ」の4つで、次は5W1Hを明確にしながら実際にどんなイベントにしていきたいかを検討。この段階からはスタッフたち大人がアドバイザーとなって選手たちの思考を刺激し、さらなる視点やアイデアを引き出しながら企画の具体性を上げていった。「バーベキューをやるには何が必要か」「この企画をやる意味は何なのか」「これをやるための段取りは」など曖昧なままでは困る部分を補完されていくにつれ選手たちの目の色も変わり、プレゼン用に模造紙に書かれた文言は大きくはっきりと自分たちの意図が表現されていたと思う。
大人たちのサポートも受けつつ、手元の紙に書きながらアイデアの発展を狙う。
遠征の疲れもあり、なかなか議論がまとまっていかない時間帯もあったが、そこもやはりブラジル人キッズたちとの実際の交流もあってか「やりたいこと」の部分に思いが生まれ、発表の段になるとかなりしっかりとした内容が落とし込まれていたと思う。なおかつ日時の都合、企画を行なう場所の都合も含め、最終的には12月1日に豊田市運動公園で行われるプレミアリーグWESTの東福岡高戦が“本番”になることで大方の内容は固まった様子。会場の大きさのおかげで4つの企画すべてを網羅するような形にしようという方向性にもなり、U-18の選手たちが捻り出したアイデアを余すことなく形にする、賑やかな1日がここから計画されていくことになった。
発表が終わると大人たちからの講評もあった。三木隆司監督は「こういう姿を見ることはあまりないので良かった。多文化共生の部分とみんなの強みや今季掲げた『応援されるチーム』という部分を踏まえると、どうやって今後進めていった方がいいのか。本当にみんなが一生懸命やっていることを見てもらうのは重要」と話し、ルヴァンカップ決勝も例に挙げて「もう一歩踏み込んで考えよう」と呼びかけた。
セッションの最後は野村勇仁が「具体的な案が出たので、それを来週でより具体化して、自分たちらしい企画をやっていけるようにしましょう」と締めの挨拶。彼の班が形にした「名古屋グランパス ブラジルDay」の案は今回のメイン企画となっていくようで、どこまでの拡がりを持った催しになっていくのかとても楽しみだ。次回のセッションはトップチームの鹿島戦当日ということで取材はできないが、今後の展開からも目が離せない。
~当日の様子~
遠征でルヴァンカップ決勝を見られなかった選手たちのためにか、始まる前にはハイライト映像が流されていた。
体調管理が重要な季節になってきた。マスク着用の選手も多数。これは左が大西利都で、右が青木正宗。
何の変哲もない伊藤ケンに見えて、実際はマスクの下で口が高速で動いていた。
池間叶の後ろには三木隆司監督と佐枝篤コーチが。
近くに行くとすぐにカメラを意識するので、「落ち着け」とジェスチャーしてから無防備なところを撮る。
ユニフォームスポンサーの「AZAPA」の宮田豊氏による同社の取り組みについて聞く中原蒼空。なぜかにっこり。
鶴田周がちょこちょこカメラにアピールしていたのは気づいていました。
興味深い話に聞き入る選手たち。丸山世来人は列車遅延により遅刻が懸念されたが、ギリギリ間に合っていた。
伊藤ケン。カメラを意識する男。
野村勇仁は話に引き込まれていた。
伊澤翔登の集中力はすごかった。
え、誰この美少年…。
最初のパートが終わって休憩時間。一息つく選手たち。
ヘトヘトの神戸間那。
休憩が終わり、この日のセッションは本格化。まずは前回出たアイデアを見返すところからスタート。
周囲の仲間たちと話し合いながら、自分がやりたいものを自分の中で具体化していく。
池間叶と伊藤ケンが仲良くアイデアを見返す。
小室秀太の寝ぐせをみんなで直す。
池間叶も小室秀太の寝ぐせを直す。ほんとに寝ぐせ?
アイデアの振り返りが終わると、今回の取り組みが実施できそうな日時の提案があった。もろもろの事情を踏まえると、12月1日のプレミアリーグ東福岡戦か、21~22日あたりが候補日に。
被写体を探していると、だいたい松嶋好誠と目が合う。実は萩裕陽も。
集中しましょう。
次に行われる「マグネットテーブル」のために、自分がやりたいことを書き出す選手たち。佐枝篤コーチはさながら学校の先生のように選手たちの間を見て回っていた。
書き出しが早々に終わってアピールタイムの松嶋好誠。
ペットボトルの水で渦潮を生み出す伊藤ケン。
自分のアイデアを書き出したら「マグネットテーブル」の始まり。
仲間を見つけて合流していく。
直接の接触によって池間叶とアイデアを共有する野村勇仁。に見えました。
自分と同じ考えなのか、相手の方が良いアイデアなのか、一緒にできるものなのか。いろいろ検討しながら選手たちは新たなグループを作っていく。
松嶋好誠はバーベキューがやりたい。
バーベキュー大会がどうしてもやりたい萩裕陽。無言の圧がすごい。
大運動会がやりたい杉浦駿吾が大号令をかける。
こちらのグループはエスコートキッズがやりたいことに。
バーベキューが似合いそうな選手たち。
運動会がやりたいグループは丸山世来人が猛アピール。
特に誰もアピールしてこなかったこの集団は、ミニゲーム大会がやりたい選手たち。
机の配置を変えてグループごとにミーティング開始。今度は5W1Hをはっきりさせながら、イベントに具体性を持たせていく。
という写真を撮っていたら、鶴田周と目が合ってしまった。
素敵な笑顔をありがとう。
おとなしい選手たちが集まったミニゲーム大会のグループは、中原蒼空がまとめ役となっていた様子。
気まずそうな大西利都と、笑う神戸間那。大西は鼻毛を抜いていた。
話が脱線しがちな伊藤ケンに笑顔で話しかける三木隆司監督。
何か笑っているので行ってみたら、そこには西森脩斗の似顔絵?が。八色真人画伯の作品です。
そこに三木隆司監督が登場。とっさに青木正宗は似顔絵を隠した。
ものすごく真面目に進めていた野村勇仁のグループ。スタッフの言葉にも真剣に耳を傾ける。いや別に他のグループが真面目じゃなかったとは言わないけど。
真面目に話したかと思えば脇道に逸れてしまう2年生トリオ。
真面目な議論の脇にそびえ立つ、マッキーの塔。
一段高くなった。
やれるのか、小室秀太。
チャレンジ精神は買った。
「大運動会」を揮毫する杉浦駿吾。
真面目に模造紙に文言を書き込んでいく苅米飛和の後ろで不穏な動きが。
丸山世来人のムダ毛いや「エラ毛」(と聞こえました)を抜く杉浦駿吾。
青木正宗が書いた何かに爆笑する野中祐吾。
青木正宗画伯による「佐枝篤コーチ」だった。周囲から聞こえる「これ載るぞ」の声。はい。
ふたりの似顔絵で遊ぶ青木正宗。
どんどん形にしていく池間叶たちのグループ。優秀。
このグループも徐々にスピードアップしてきた。
青木正宗画伯は飾り付けを担当。
これは…エンブレム?
筆致は大胆だった。
いよいよ発表。まずは大運動会グループから。
発表者は八色真人。
しっかり5W1Hを明確に構成された企画案。「途中にBBQを入れてもよい」にはあるグループから笑いが起きた。
次はミニゲーム大会のグループの発表。
交流の際のウォーキングサッカーが大盛り上がりだった成功体験をもとに企画されたところが良い。
発表者は平川大翔。
模造紙の陰から大西利都の視線。
逆に隠れる神戸間那。
ちょっと群を抜いていたのがこのグループ。
「名古屋グランパス ブラジルDay」の企画案は当日の流れや今後の恒例化など、かなり細部まで作り込まれていた。
発表者は池間叶。
そして野村勇仁だった。
最後はバーベキュー組。タイトルが尖ってる。
発表者は伊藤ケン。
「費用は大人に頼る」という部分にスタッフ苦笑。
このグループは何か視線を感じる度が高いんだよなあ…。
三木隆司監督の話を真剣に聞く選手たち。
次々と出てくるスタッフたちの講評に、選手たちもいろいろなヒントを得たはず。
あっと言う間に2時間ほどのセッションは終了。かなり具体化したイメージは、最終的に全部のアイデアを取り込んでひとつの企画にしようということになった。
鶴田周。カメラに目ざとすぎるぞ。
最後は野村勇仁が締めの言葉。「具体的な案が出たので、それを来週でより具体化して、自分たちらしい企画をやっていけるようにしましょう」と、次週のセッションへつないだ。
reported by 今井雄一朗