三木隆司監督「終わりよければ全て良し、じゃないけど。そのぐらいの気持ちで日々のトレーニングに向かってほしい」
〇三木隆司監督
Q:富山はプレミアではなかなかお目にかかれないスタイルで、見ていて面白かったです。
「まあ、ああやってくる、“来ない”相手でしたね。相手を見て、ちゃんとやろうとする、というか、やってきた。こちらが奪いに行けばボールを入れてきて、セカンド拾って。そこの力関係というかは、こっちの方が上回っていたので、あれですけど。でもあれで富山の前の選手がもっとしっかり収められる、大津のような選手が揃っていた、となると、じゃあもうちょっとボランチのポジションは…と、みんながゲームの中で感じていけるようにする。やりたいことと、できることと、相手が狙っていることと、っていうところを選手がわかってくれればいいかなとは思いますね」
Q:最初はそれで苦戦したというか、プレスに行ってもはまらない、という状況がありました。
「ただそこのところ、セカンドボールのところだったり、逆のポジションだったりっていうところは今週もやっていたので。そういう意識は選手にはあったのかなと思いますけど」
Q:途中から名古屋の方が球際が作れるようになり、状況が変わりました。監督の指示もあったと思いますが、選手たちが変えた部分もあったのでしょうか。
「ちょっとマンツーマン気味じゃないですけど、相手が4-3-3の時と4-4-2の時では同じような守り方でも、たぶん人に行きすぎると、4-4-2で前が縦関係になられると難しいところがあるんで。そこは4-3-3とはちょっと違うよ、っていうのを伝えましたけど。そこは中でも喋っていたので、そのコミュニケーションというのは、コミュニケーションというか、コーチング自体が、野村は比較的話してましたけど、他の選手がもうちょっと話せるようにならなきゃいけない。もっと、後ろの選手が話さなきゃいけない、コーチングできなきゃいけないのは確かなので」
Q:今シーズンも終盤となり、残り4試合です。ここで何ができるかというか、どんな成長を見せられるかっていうところだとは思いますが。
「選手が今季は勝点48というところを目標に立てて、プレミア優勝だと。だからいま勝点は36で、あと4つ勝てばそこには到達する。そこは自分たちが立てた目標に対して、日々何ができるのかっていうところを見つめながらやれればなと。別に何か違うことをやるつもりはないですし、今までのところに、あとはプラスアルファ、ちょっとチャレンジするようなところは伝えたいなと思います」
Q:選手個々の成長も、チームのしてのまとまり連動感、連帯感みたいな部分についても、このシーズンの中ではある程度の手応えを感じられていますか。
「3年生が、人に目を向けるわけでもなく、自分自身に向けて責任感を持ってやってくれた部分はあるかなとは思うんです。そこは3年生がしっかりしてたんじゃないかなって。僕はユースを古賀さんの時に見ていた時から、やっぱり3年生の存在って、別にサッカーの上手い下手じゃなく、チームとしてまとまったり、目標に向かったりってするの時に、どうしても3年生のメンタルや人間性の部分がすごく大きく影響すると思うので。それはトップチームでもそうですし、最上級生、ベテランと言われる選手だったりの、そういう部分が今年に関して言えば、もちろん抜けてる時ありましたけど、青木正宗を中心に、そういうところはやってくれてたのかなとは思いますけどね」
Q:結果的に、現在のスタメンには2年生も多く入っているような状態になって、若々しさと経験のある選手のバランスというのもあったのかなとは思いますが。
「そこは試合のところは、ピッチでは、僕はそこまで2年生だからとか、っていうつもりでは考えてないですけど。もちろん僕たちの、僕の目標としてはトップにつなげることなんで、そういう意味では3年生を積極的に使うことと、同じだったら2年生で、より可能性を僕らが感じるような、テーブルに上がるような選手を増やしていくっていうのも、考える1つの要素ではありますね」
Q:残り4試合に向けてのチームへの期待値は、これまでの試合よりも高かったりもしますか。
「そこは、それこそメンタリティの部分で。じゃあ自分がどういう姿になりたいのかっていうところを考えた時に、ここで尻つぼみになるのか。じゃあ、4連敗してシーズン終わるのか。ちょっとでも何かにチャレンジできたか、っていうのが、大学にもそうだし、来シーズンにもつながるところだとは思う。終わりよければ全て良し、じゃないけど。そのぐらいの気持ちで日々のトレーニングに向かってほしいなとは思いますけどね」
Q:今季のチームは攻守の柱のような存在として杉浦駿吾選手と青木正宗選手がいました。青木選手はキャプテンを任されて、杉浦選手はトップチーム昇格が決まったことで、彼らの変化やチームへのいい影響を感じましたか。
「いや、もちろん(西森)悠斗が副キャプテンになったということは、みんなに選ばれて正宗がキャプテンになったわけなので。そこは本人が、政宗が一番感じたのかなと思うので。すごく、一回り大きくなったと思います。ちょっとネガティブに、逆に責任を感じすぎる部分はあいつ自身にはあるので、もしかしたらそうじゃなかったら もっといいプレーができたのかもしれない。伸び伸びとプレーしたのかもしれない。でもそこはわからない。でもキャプテンになったことで、考えなきゃいけないことだったり、責任感だったりは増したのは間違いないし、駿吾に関しても、トップに昇格決まってから、これは選手にいつも言うんですけど、『代表とかトップに行って、何も変わらないやつは無理だよ』って。でも、彼はひたむきに、上手いというか、今のユースの中で『できる』と言われてる選手はストロングももちろんそうですけど課題にも、両方に目を向けないとトップでなんて絶対に無理。そういう面では駿吾はそういうことにも常に目を向けて取り組めるようにはなっているかなと。あいつに対して、別に僕が基準を下げるというか、ちょっと乗せすぎることはしたくない。それは他の選手だったらそうするかもしれないけど」
Q:杉浦選手は結果的に、プレミアリーグ得点ランク上位のシーズンにもなりました。
「まあ、そのあたりのクオリティというか、そこはあいつ自身がトレーニングでも意識しているし、日々のトレーニングでも、アフターでも意識して。結果、スムーズに左足で蹴れたりとかっていうことにはつながっているのは間違いないかと思う。そこは自分に目を向けてやってる証拠かなとは思いますけどね」