赤鯱新報

【赤鯱短信】冷静に、しかし渦巻きたぎる山中亮輔の執念。仕事人の左足に宿る、勝負を決める力。

山中亮輔には“執念”という言葉がよく似合う。自分に与えられた天賦を頼みに好きなサッカーで生きていく。その覚悟が誰よりも強いからこそ、何が何でも試合に出たい。昨季、Ⅽ大阪からリリースされた負傷離脱の報せは衝撃的で、それは今季の彼とのファーストコンタクトでも聞かずにはおれなかった。「以前より違和感のあった箇所の検査」の結果がアキレス腱部分断裂である。山中は「いや、我慢しながらやっていてっていうような感じで、きつかったですね」と笑っていた。過ぎたこととはいえ、聞いてるこちらの背筋が凍った。当時は座薬などの力を借りつつ、スパイクへの細工やテーピングはもちろん、走り方まで工夫して何とか自身を調整していた。何がそこまで、と問えば「他の選手が出てくるのも困るし、自分のポジションもそうやって守ってきた」と事もなげ。ところでなぜ今さらこんなことを書くかと言えば、現在の山中も似たような状況に置かれているからである。

(残り 2927文字/全文: 3330文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ