【プレミアリーグWEST再開特別インタビュー】池間叶「代表経験を活かして、成長した姿をサポーターに見てもらいたい」
夏の一大決戦を終えて束の間の休息を挟み、いよいよ高校年代最高峰の舞台・プレミアリーグが再開する。本来ならば前週の岡山U-18戦がその初戦だったのだが、トップチームと同様に台風の影響で延期となり、7日に行われる鹿児島城西とのホームゲームが名古屋ユースの再開初戦となった。今回は夏のクラブユース選手権後にU-18日本代表に選出され、新たな知見と経験を得た池間叶にインタビューを敢行。自身初の代表経験と残るシーズンへの意気込みを聞いた。
Q:何はともあれ、U-18日本代表での活動はいかがでしたか。
「自分は今まで県トレ止まりだったので、初めての日本代表で。でも自分の力で出場時間を確保できなかったので、悔しい部分の方が多いです。ただその中で、他の選手を見て学んだことも多いので、自分の成長のためにはなったかなっていうのは感じます。まあ、出場時間は短かったですけど、経験として良いものを得られたなっていうのはあります」
Q:青いユニフォーム、代表のジャージを着てのプレー、いつもと違うメンバーとの練習や試合はどうでしたか。
「あの青いユニフォームを着て試合に出る、1試合目の韓国戦は途中出場だったので、自分の中でもしっかりプレーしようとは思っていました。相手は日本人じゃなくて韓国の選手ですし、当たりのところはいつもよりも激しく行こうと。あとは応援の力も、名古屋でも多くの声援をもらってるんですけど、代表の応援もすごくて。日本代表のエンブレムを背負って戦う責任だったり、覚悟も大きなものを感じたので、またあそこに入ってやりたいっていう気持ちは大きくなりました。代表の選手たちとのプレーでも、練習でいつもやれてる部分でやれなかったこともありましたし、自分のクロスやビルドアップの部分はうまくいったところもあったけど、仲間に合わせるところの難しさも感じました。自分の特徴を多く出すことで自分が合わせる、というのも大切だと思いますけど、味方に合わせてもらえるような武器を練習中から出していって、短い期間でうまくフィットしていかないといけないっていう部分も感じました」
Q:単純に初代表という部分では、選ばれたと聞いた時の気持ちはどんな感じでしたか。
「実は一応、去年からそういう話は聞いていたこともあって、古賀さんから。でもその時は選ばれなくて。去年は自分もプレミアリーグに出させてもらってましたから、去年に選ばれなかった時の悔しい気持ちもあったんで、今回選ばれて嬉しい気持ちはありました。でも、その直前のクラブユースでのプレーは自分的にも波があったんで、選出はびっくりした部分が多かったですね」
Q:つまり去年も年代別代表の候補には入ってたと?
「去年のプレシーズンの前橋招待の時にちょっと話には上がっていたらしいです。選ばれるかも、と。その時の方が嬉しさは大きかったかもしれないです(笑)」
Q:海外の代表チームとの対戦やいつもと違う環境での準備の中で、今回得てきた収穫、あるいは課題はどんなものがありますか。
「自分は足元の技術のところで少し自信はあったんです。去年のチームでは4-4-2のサイドバックでやらせてもらって、いたので、今回の代表でもウイングバックとサイドバックのポジションで選んでもらったんですけど、センターバックやボランチ、サイドハーフとの関係性を今回の代表活動の中ではうまく持てなかったっていう課題がありました。ワンツーで入っていくところだったり、積極的にインナーラップ、オーバーラップして攻撃参加する部分ですね。球際の部分ももっとやらないといけないと感じましたし、最終戦のエコパでやったアルゼンチン戦はベンチから見ていて、代表チームはすごく闘っていましたし、あれぐらい恐れず闘っていかないと、外国籍選手相手に自分が優ることができないですし、だから自分も成長しないという感じはベンチから見ていて思いました。球際の部分で負けないこと、ビルドアップの部分にもっともっとできる部分はありましたから、攻撃にアクセントをつけて、落ち着きをもたらせる、どっちの強弱もつけられるような選手になりたいっていうのは思ったことです」
Q:普段から飄々とみんなを操って、自分のプレーを出している印象だったので、ちょっと意外な感想でした。自分でも思った以上にうまくいかなかったな、みたいな感じがあったのでは。
「緊張が少しはあったと思うんです。だからいつも通りの感じでやろうっていうのは思っていて、でもあんまり自分が合わせることだったり、内側入ったり、自分のプレーを出せなかった。味方もちょっと難しい部分はあったと思います」
Q:自分からの働きかけ、発信がうまくできなかったのですね。そうやって今、自分の意識が上がった状態で戻ってきたU-18でのトレーニングでは、自分の変化も感じたりしますか。
「落ち着きの部分がちょっとずつですけど、変わってきたかなってのはあって。たとえばロングボールとかが来た時、そこで相手のサイドバックとかが前に出てくると、自分はワンタッチのヘディングとかで外に出すことが多かったんですけど、そこをトラップしてマイボールにしようとしていたり。落ち着いて相手の動きを見ながらプレーするっていう部分は、ちょっとずつ変わってきているとは思っていて、今は意識してやっている部分でもあります」
Q:クラブユース選手権のことは先ほどご自分でも言っていたようにパフォーマンスに波があったと思います。いま振り返って今回の大会はどういった反省がありますか。
「最初のベルマーレ戦の時、いやクラブユースに入る前のプレミアの神村学園戦が、自分的にパフォーマンスが悪くて。そのままの感じでクラブースに行っちゃったところがありました。だから初戦にも上手く入れず、夕方のキックオフ時間だったので、そこまでの過ごし方の部分でも反省はあります。そういったことで自分の身体の重さが顕著に出ちゃったというのはありましたね。緊張の部分も、去年の大会も自分は経験していて、去年のような感じになりたくないっていう部分、3年生で最後の大会でもあったんで、自分がチームを勝たせたいっていう思いもあった中で、それがちょっと裏目に出ちゃったところもあったと思います。いつも通りにやっておけば、違った部分もたぶんあったと思います。あの会場のグラウンドにも適応して、自分の技術を発揮できればよかった。そこは自分の技術面が足りなかったんで、メンタルの部分と技術の部分、両方をもっと上げていかないといけませんね」
Q:逆に良かった試合もあったわけで、なぜ良い試合にできたと思いますか。
「そこは徐々に上がっていった感じでした。ベルマーレ戦に出て、プレーが悪くて、次の試合は(野中)祐吾と(伊澤)翔登が戦ってくれて。自分は出場がなかったので、本当に悔しい気持ちをその期間に感じていました。でも本当に自分が出てチームを勝たせたい、そういう思いがあったから、自分の気持ちが大会期間中にだんだん上がっていったというか。もっとやらないと、っていうことも、(杉浦)駿吾が同部屋だったんで、ふたりで話したりして。そういったことで徐々にですけど、でもどんどん自分のプレーができるようになって、サンフレッチェ戦だったりでアシストもできて、結果をやっと残せた。だからたぶん、良くなっていったのは気持ちの部分、ですかね」
Q:いろいろなことがあった夏でしたね。自分にとってすごくいい経験をして、一回り大きくなった状態で、プレミアの再開後の試合に臨めそうですか。
「はい。この夏は去年よりも濃度が高かったなって感じてます。自分の弱いところだったり、自分の良いところ、ストロングなところだったりを、本当に知ることができました。それを知るきっかけになった場所だったり、場面だったりが本当に多くあったので、あんまり上手くいかなかったところもありますけど、それも経験という捉え方をして、もっと頑張りたいなっていう気持ちは高まっています」
Q:ということは、逆に言うと何をしたら自分が良くなる、何をしたら自分が良くないという尺度もつかめてきているのでは。
「自分はひとつのプレー、ひとつのミス、たとえばひとつボールの取られ方が悪かったりするだけで、プレーが変わってしまうところがあるんです。その切り替えのところだったりは思います。だから守備でぶつかりに行って、ボール取り切るところからショートカウンターにつなげたり、あとはもう左足をたくさん使って、本当に相手の脅威になれるような選手になれば、自分の気持ちの面から『これならいける』って思えるようになる。試合中にもどんどんそういう気持ちが出てくるようになると思うんです」
Q:プレミアリーグが再開します。半年が過ぎてこのチームの良い時、悪い時もわかってきたと思いますが、ここからはどんなところを強調して、このチームを勝たせていく、強くしていきたいですか。
「このメンバーは去年、クラブユースの後から失速したのを経験しています。だから普段の会話でも『ここで落としちゃダメだよね』と話しますし、ここから本当に自分たちで上げていかないと、去年みたいなことになってしまう。全員が強い気持ちをもって、首位の大津とは8ポイント差なので、自分たちももう落とせないので、全部勝つことを目指してやっていきます。誰が出ても、このチームには特徴がある選手が多いので、特にウイングバックだったり前の選手は本当に全員が危機感を持ってやっていると思います。いろいろな経験をしてきた選手も多いので、全員が練習中から競争環境を高く意識してやっていますし、そうやっていけば自ずと結果がついてくる。そしてサポーターの人たちと勝利をを分かち合うためにやっていきたいし、このチームなら勝てると思います」
Q:自分のプレーとして強調していきたい部分はどうですか。
「一番はもちろん左足のキックで、アシストと、ゴールも。自分はまだ1ゴールですし、アシストもそんなに多くはないので、もっと攻撃に参加して左足のキックを活かそうと思っています。それと自分は落ち着きを作る部分も、このチームでの役割だったり、できることだと思っているので、試合の流れを見ながら味方を動かして、チームのエンジンとなれるような存在になっていきたいと思います」
Q:まずはホームでの鹿児島城西戦から再開します。今の自分の気持ちは。
「これもこの期間で徐々に上がってきていると思いますし、まずはこの1試合目で、代表で経験して成長した姿をサポーターの人たちに見せたいと思っています。試合に出たら少しでも前期との違いを見せることができればと思います」