赤鯱新報

【町田vs名古屋】レビュー:“想像力”の差が生んだ、スコア以上の大敗。4連敗が示すチームの問題点は、自らの強みの裏返しにも似て。

■明治安田J1リーグ 第22節
7月6日(土)町田 1-0 名古屋(18:03KICK OFF/Gスタ/9,117人)
得点者:30’下田北斗(町田)
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完成度の差がそのまま内容と結果に表れた。言うなれば奇襲、しかしスクランブル布陣にも近いメンバー構成はサプライズであればこそ意思統一が肝のはずが、選手たちに一体感は乏しく、何をこの試合の勝因にしたいのかが不明瞭だったと言わざるを得ない。稲垣祥のスタートからのDFライン起用、中山克広のシャドー配置、そしてボランチ森島司の本格採用。それらの選択肢には確たる理由があるのだが、ではその起用を活かしきるための方策が整えられていたのかと言えば、ピッチ内の表現としてはやはり疑問だ。後半に従来の形に近くなってからようやく意図は見え始めたが、町田のゲームと化していた45分間のツケは重く大きく、得点の期待感をもったプレーは前半の内田宅哉のヘディングぐらい。“決定機”と呼べそうなのがこの1回で、シュートが5本では選手のクオリティにも限界がある。その根底に流れる不調の源は町田を見れば明確に理解できる。意思を持ったプレーを全員で意図して繰り出せば、ミスもミスではなくなり、次のアクションの起点になる。首位を走る強さはその一点に集約され、それこそが今の名古屋に不足している決定的な敗因でもあった。

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