赤鯱新報

野田愛斗「『今は我慢だ』っていう声かけもできて耐えられたというのはひとつ、自分たちが成長した点かなと思います」【U-18プレミアリーグWESTvs米子北:フォトレポート】

■高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023 WEST 第16節
2023年10月1日 11:00 KickOff/トヨタスポーツセンター 第2グラウンド(人工芝)
名古屋グランパスU18 0-0 米子北高校
―――
野田愛斗
○野田愛斗選手
Q:典型的な高体連のチームとの試合という感じでした。いかにしてセカンドボールを拾うかなど、はっきりはしてる一方で試合中には考えることも多かったのでは。
「やっぱリ最初から、前期の戦いだったり、スカウティングの中でも、たとえばキーパーがキャッチしたらすぐ蹴ってくるとか、ラフな五分五分のボールを入れてきて、そこからのセカンド勝負というのはわかっていた中で。前半はそこで自分たちがセカンドボールを拾って押し込むことができたんですけど、押し込んでいる時に味方全体の動きが止まって、なかなか外回しのプレーが多くなったり、ゴール方向に仕掛けれないっていうシーンが多くありました。そこは課題としてひとつ出たっていうのと、後半は相手が前から来て、序盤から自分たちの入りも良くなくて押し込まれたんですけど、そこで我慢して、全員で声掛け合って。『今は我慢だ』っていう声かけもできて耐えられたというのはひとつ、自分たちが成長した点かなと思います」

Q:前半の途中で一度試合が止まった時間帯があって、その後にボール回しの動きが速くなったりと変化を感じました。
「前半の最初の方はテンポが遅くて、相手が来てなくて余裕があるんですけど、そこでボールを持ってから考えちゃったりとかして、相手のスライドが間に合ってしまっていました。そこで、相手が来てなくても速く判断して、テンポよくボールを動かして、相手のバイタルのところに人だったりを動かして。そういうところがボールを速く動かせば空いてくるんで、そこを意識してプレーできてたと思います」

Q:先ほどの「外回しばっかりになっちゃった」というところは、石橋選手などは特にマークが2人きても突破できていましたし、逆にそこはどう使おうと思っていたのでしょうか。
「最初から外回しになるっていうのは自分たちの目指すサッカーじゃなくて。まず最初は得点に直結するゴールに近いところ、中央から崩して、中央を狙うからバシのところが空いてきて、と。相手が中を見るからサイドが薄くなって、そこでよりバシが仕掛けやすくなったりしますし、そこでバシが持ったら自分が横に入っていったりっていうことでチャンスというのは作れると思うので。外だけ見るんじゃなくて、中を見るから外が空くとか、外、外から中とか、そういうのは意識してやってました」

Q:得点に直結する部分、スタメンであれば野中選手や西森悠選手を使うところは、それほど出せなかったと思います。パスは入れづらい、相手の守備も堅いというところがありましたか。
「相手は4-4-2で綺麗にブロック作っていて、そこのプレスバックの意識だったりもけっこう高くて。無理に(野中)祐吾だったり悠人に入れてボールを失うよりは、それもケースによるんですけど、やっぱり狙いづらいというか。ちょっと距離感が遠かったりもあって、あまり縦に差し込めなかったっていう印象があります」

Q:前半の終盤からどんどん押し込めるようになり、後半もそういう感じで優位性を持って試合をできたと思いますが、良くなかった時間帯と比べての一番の差は何があったのでしょうか。
「やっぱり良くない時間というのはセカンドボールへの一人ひとりのアラートさだったり、相手の長いボールに対して、そのボールを落としてしまって、相手に自分たちが後ろ向きで対応して、相手が前向きになるっていう自分たちで苦しい時間にしていて。逆に自分たちがちゃんと跳ね返して、そのセカンドに対してひとりだけじゃなく、全体でかかわりに行けている時というのは自分たちのボールになったり、そこではがせたりというシーンが多くて。そこだと思います」

Q:しかし今日はセンターバックの頑張りで試合がもたせられたところもあり、1点取ってあげたかったところでしたね。自分のチャンスも含めて、攻撃の反省はいかがですか。
「前半はシュートも少なかったし、よりゴールに向かうアクションだったり、個の力で相手をはがしたり、そういう時が一番チャンスになると思うんで。より前線の選手はパスもそうですけど、自分ではがしたり、自分でシュートを打つっていう意識が今日はちょっと足りなかったかなと思います」

Q:試合終盤はこちらが単純に蹴っても追い越せたり、競り勝てたりという数も増えました。もちろん相手も疲れたところがあり、それだけにチャンスをひとつものにしたかったかなとことだったのでは。
「(苦笑)」

Q:苦笑いですね(笑)。野田選手のところにもチャンスは多かったです。
「俺が決めとけばって感じです。今日は(苦笑)」

Q:ただあの終盤でボランチの野田選手が前線に何度も顔を出して、シュートを狙う数を増やせたのは体力的にも、能力的にも手応えがあるのでは。
「はい。やっぱり春先とかだと、そこは意識してやってたんですけど、足に疲労が溜まって前に行けないとか、特に試合の後半にそういうことも多かったんです。でも最近、夏過ぎからは徐々に足も後半になってもきつくないし、だからあと一歩が出せるし、後半になっても前にスプリントしていけるなっていう感覚はけっこうあって。そこはまあ、伸びてきてるなと思います」

Q:おそらくはそこで体力がもつ分、危機察知の部分もかなり存在感が出てきた気がします。 ここは危ない、というところに野田選手がいることは多いです。
「そこも去年から意識はしていたところではあるんですけど、優位な状況の変化というのは予測して動くことはけっこうできてたんです。でも、自分たちが相手より不利になりそうなときの状況の変化に対して、自分は身体が反応できてなかったんですね。そこはまあ、去年の宇水さんが自分によく、もう毎回毎回言ってくれていたことで(笑)。そこがやっとついてきたなっていう感じです」

Q:それは感じるものなのですか、それとも読むものなのですか。
「そこはもう、感覚で『ヤバい』とかそういう感じです。もう最近はなんか、考えるというよりは身体で反応するっていう感じになってきました」

Q:ボランチとしてはその感覚が出てくるのは大きいと思います。成長を感じるのでは。
「(苦笑)」

Q:自分では言えませんよね(笑)。しかしこういう試合で勝てるようになっていかないと、順位も上がっていかないところがあります。糧にして次へと取り組むべきことは、どんなことがありますか。
「ここ2試合、ジュビロと米子北戦でやっと、自分たちのアグレッシブなサッカーだったりが徐々に出せるようになってきているので、次はよりラストのゴールを決めきるところだったり、バイタル入ってからの質だったりもそうですし、あと今日は無失点でしたけど、まだ自分たちの守りきる力というのはまだまだ足りないと思うんです。サッカーの本質である決めるか、止めるか、というラストのところの質をトレーニングでもっと上げていきたいです」

reported by 今井雄一朗

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