赤鯱新報

マテウス「本当に自分にとっては楽しくサッカーをしたい、1秒1秒、しっかりそれを味わって。最後にみんなと勝利を分かち合うことが一番の目的だったので。そこにしっかり貢献することができて、僕にとってすごく嬉しいです」【名古屋vs浦和】試合後の選手コメント

■天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 ラウンド16
8月2日(水)名古屋 3-0 浦和(19:03KICK OFF/CS港/6,975人)
得点者:25’マテウスカストロ(名古屋)75’キャスパーユンカー(名古屋)84’和泉竜司(名古屋)
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○マテウス選手
Q:明日でチームを離れますが、今日はどんな気持ちで試合に臨みましたか。
「一番の気持ちはとにかくサポーターの皆様にしっかり喜びを届けたいなと、そういう気持ちを持って入りました。本当に自分にとっては楽しくサッカーをしたい、1秒1秒、しっかりそれを味わって。最後にみんなと勝利を分かち合うことが一番の目的だったので。そこにしっかり貢献することができて、僕にとってすごく嬉しいです」

Q:マテウス選手らしい直接フリーキックでの見事なゴールでした。
「そうですね。相手の壁を見た瞬間にすごく大きかったにで、まずは壁の上を越そうとするとバーの上を越えてしまうので。どこを狙えばいいのかっていうことを最初に考えました。そしてキーパー側のところを狙って、少し変化をかけたらキーパーに対してちょっと難しくなるのではないか、という思いで蹴って、ほんとに狙い通りのシュートでした」

Q:決まった瞬間の率直な思いは。
「どんな喜び方をすればいいのか全くわからなかったので(笑)、とりあえず仲間と一緒に、ベンチの方に向かっていって喜ぼうかなという風に思いました」

Q:随所にマテウス選手らしいプレーが見られたと思います。最後に交代する場面には天を仰いだり、涙するような仕草も見られました。どんな気持ちでピッチを後にしましたか。
「いろいろな思いが自分の心にあって。まずは感謝の気持ちをしっかりとみんなに伝えたいなという気持ちがあって、ほんとに僕がここに居る時間はブラジルにいるようで、僕の第二の母国にように、ほんとに、心から、思っています。でもここは終わりではないという気持ちもあって、今はしっかり新しいチャレンジに向かって頑張っていますけど、またこっちに戻って、終わっていないヒストリーを続けていけたらと思っています。本当に全ての日本の人々、この国を本当に僕は愛しています。また、きっとこっちに戻るという気持ちが心の中にある。しっかりそれを願って、またその夢を叶えていきたいなという風に思っています」

Q:せっかくなので、マテウス選手が好きな日本語を聞かせてください(笑)。
「すごく難しいですね(笑)。今は何も思い浮かばないです(笑)」

Q:応援してきてくれたサポーター、ファミリーの皆さんに改めてメッセージを聞かせてください。
「本当に感謝の気持ちしかありません。今日までずっと支えてくれた人たちが、今年グランパスが3冠を取れるように遠いところからでもしっかり応援していきたいなと思っています。僕も遠いところで気持ちも新たにしますが、でも、しっかりグランパスの試合を見て、応援して。みんなが優勝できるように心から願っています。本当に、ありがとうございました」

Q:とても気持ちのこもった試合だったと思います。試合中の自分の気持ちの変化、感じたことはどんなことですか。
「レフリーの笛が聞こえた瞬間に、チームの勝利に貢献ができたっていう喜びはすごくありましたが、自分がピッチに入った瞬間には本当に終わってほしくない試合だっていう思いがずっと、自分の心の中にありました。でも、やっぱりいつかは終わるんだなっていう風にも思って、ピッチから去った時にはその思いもありました。何が何でも、一番大事なのは、やっぱりチームの勝利。そしてみんなに対しては、本当に感謝の気持ちしかありません」

Q:プレーの迫力も感じましたし、遊び心も感じました。今日の自分はどういうプレーを表現しようと思っていましたか。
「先ほども言ったんですけども、1秒1秒を噛みしめながら、試合を感じたかった。もちろん結果を第一優先として望んでいましたが、ただ、今まで通りにサポーターに盛り上がってもらうためにも良いプレーを出すという思いもすごくありました。結果として良いパフォーマンスを残すことができたのが、僕にとってはすごく嬉しいことですし、最後はいい形で終わりたかったので、それができてすごく嬉しいです」

Q:ドリブルのテクニックも、”シャペウ”も決めて、ああいうプレーは勝手に出ましたか。狙ってましたか。
「(笑)。もちろん、ああいうプレーは狙ってやるわけではないですし、その状況によって何をしなければいけない、相手の守備に対して逃げることもしなければ、というような状況の中で見つけたのが、あの自分が選択したプレーです。そこは別に何も考えず、あの瞬間はこうすれば相手に対して、逃げ切れるかなって思いでやりました」

Q:ただ、エラシコを失敗したのは、見逃しませんでしたよ?(笑)。
「(笑)。そうですね、あれは、完全に失敗しました(笑)。なぜかというと、自分のゴールに向かって思いきり走りきって、そのあとにボール奪った瞬間、とにかく速い攻撃につなげようと思った中で、サイドにボールを持ち運んだ瞬間には、もう本当に息が切れるぐらいの疲れがあったんです(笑)。そこでエラシコを狙ったら、大失敗でした(笑)。あと理由がもうひとつ。ゴールを決めた瞬間に、ゴールに向かってほんとにスプリントかけて、みんなと喜ぼうと思った瞬間です。あれは余計なスプリントだったかな(笑)。それがなければあのエラシコをはたぶん、失敗しなかったと思います(笑)」

Q:本当に楽しめましたね、今日の試合は。
「そうですね(笑)。やっぱり楽しくやろうという気持ちがある中で、チームの勝利に自分の責任もあるという思いの中で。一番望んでいたのはやっぱり勝利です。それを獲得することができて、楽しむこともできて、ほんとに大満足です」

Q:交代する時にはターレス選手の交代でした。あの時にもいろいろと思うこともあったのかなと思いますが。
「交代の瞬間にはいろいろなことを思い浮かべて、日本に来た初日から、今までの流れの中で、本当にたくさんのいろいろな思い出がありました。辛いこともあったし、嬉しいこともあって、でも、ほんとに数えきれないぐらいのいろいろな夢を叶えることができました。僕だけではなくて、家族のみんな、みんなの夢をかなえることができた。これから新しいチャレンジに向かってやっていきますが、またさらにいろいろな夢を叶えられるように、全力を尽くしてやります。ターレスも自分の夢をしっかり叶えて、ここから良い形でスタートして、良い形で終われるように、ほんとに、心から願っています」

Q:試合終了後にはサポーターにチャントの大合唱を受けました。仲間には背番号と同じ数だけ胴上げをしてもらいました。あの時の気持ちは。
「我々がピッチに入る理由は、チームメイトのために、サポーターのために、その思いがあるからこそ毎回ピッチに立ちたいという思いがあります。最後にサポーターとチームメイトと一緒にこういう風な終わり方ができるのが僕にとって、すごく嬉しいことですし、本当にいろいろな選手にも支えてもらいました。特に厳しい状況、いろいろな難しい状況があった時には、米本選手だったり、稲垣選手だったり、いつも近くにいる選手が支えてくれたり、いろいろなサポートの言葉を与えてくれました。本当に、彼らに対しては感謝の気持ちしかありません。このファミリーの一員としてやれたということを光栄に思っていますし、これからも引き続き応援していきたいなと思います」

Q:グランパスでの一番の思い出を教えてください。
「たくさんの思い出がある、ほんとに幸せな時間がたくさんありました。でも、一番の思い出と言われると、一番最初に思い浮かぶのがやっぱりタイトルです。ルヴァンカップの優勝が、今は一番の思い出になるんじゃないかなと思います」

Q:いま感じている部分というのは、チームを離れる寂しさなのか、新しいことにチャレンジする気持ちなのか、どちらが強いですか。
「そうですね…(笑)。一番最初にオファーを受けた時に、一番最初に思い浮かんだのが、日本から離れるのはほんとに恋しくなるなということでした。日本の人々とか、チームメイトとか、家族としての慣れ親しんだ人たち、いろいろなことがやっぱり思い浮かんで。でもやっぱり新しいチャレンジに向かって自分も頑張らなきゃいけないという思いもありました。頭の中にいろんな思いが混ざる中で、最終的には前に進まなければいけないという思いが強かった。だから今の気持ちは、日本のことは恋しくなりますが、前に進む力も必要だなという風に思っています」

Q:日本に来る前と今で、日本サッカーに対する印象の変化はありましたか。
「もちろん、たくさんあります。日本に来ると決まった時には、あまりJリーグのことは知らなかったですし、いろいろなことを調べました。いろいろな情報、いろいろなことがあって、そして日本に来てからは本当に自分にとって大きなサプライズがありました。サプライズとしても、とてもポジティブなサプライズで、ほんとに人々のリスペクトや、いろいろなところに対してしっかりと物事がまとまっているなという風に感じました。僕もサッカー選手として、テクニックだったり、フィジカル、コンディショニング、いろいろな部分で成長することができた。今の”マテウス”という選手がいる理由は、日本に来たからだという風に思っています。この国に対して、この国の人々に対して、本当に、感謝の気持ちしかありません」

Q:また会いましょう。
「その通りです。また会いましょう!」

reported by 今井雄一朗

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