【名古屋vs神戸】レビュー:見えたのは可能性か、あるいは明確なる課題の数々か。厳しく見てこそ名古屋の未来は拓けてくる。
■YBCルヴァンカップ グループステージ 第5節
5月24日(水)名古屋 0-1 神戸(19:33KICK OFF/豊田ス/6,266人)
得点者:64’リンコン(神戸)
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善戦したように見えて、選手たちは厳しさを感じ続けていたのではないだろうか。ともにターンオーバーをし、それでも神戸の方が選手個々の持つ実績や技術、経験に優るマッチアップの中では、五分にも渡り合ったような試合の展開と結果は見た目にともすれば好印象を残す。これでいくつもあった決定機のどれかが得点になっていれば、その印象はもっとポジティブな受け取り方もできただろうが、手放しに前向きな評価をしては危険な試合だ。若いスタメンを最後尾から束ねた河面旺成は試合を振り返る中で何度も言葉に詰まり、これがノーマルな試合ではないことをうかがわせた。観戦者はそれを楽しめば良かったが、ピッチ上で戦った選手たちにとっては死活問題である。とにかく難しさばかりが募る敗戦を、“若者たちの経験の場”とだけ捉えてしまうのはやはり違う。
何もかもをネガティブにとらえるつもりはない。スタメン11人中8人が現役の、そしてOBのアカデミー出身者という陣容を実現できたのは、クラブにとってはひとつの成功だ。2種登録も、特別指定も、誰彼構わずなれるものでは当然ない。武田洋平、河面、山田陸の3人が名古屋の血筋を導く役割を担い、前半をゼロでしのいだこと、4度の決定機を生み出したことは彼ら11人の実力を示すものではあり、だからこそ詰めの甘さが際立ちもする。神戸にもトップチームの連動感や迫力、戦術的な強さはあまりなく、リンコンやパトリッキ、サンペールらを中心とした個の力は脅威だった反面、誰にどこで得点をさせたいのかという意図が不明瞭で、それゆえの隙を突けたのが若き名古屋の反撃のきっかけにもなった。豊田晃大はその狙いも明確に、そして執拗に突いていけた部分については手応えとしており、返す返すも決定力だけがこの日の課題と痛感する。
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