赤鯱新報

【赤鯱短信】変わらないからこそ、姿を変えるチームの写し鏡。稲垣祥が体現するは、名古屋の戦いそのものだ。

「それはたぶんね、外から見ている人がすげえ思うことですよ。“中の人”はもう目の前で必死です」

にこやかに、そして落ち着いた口調で稲垣祥は言った。少し前にもこの時期に、上位を争うゴールデンウィークがあったが、と問われた際の返答だ。シチュエーションはシチュエーションにすぎず、それを意識して戦えるほどサッカーは簡単ではないとも言いたげで、しかしその表情には少しの意地悪さもなかった。稲垣は本当に、純粋な気持ちで目の前の一戦に集中することを繰り返しているのだ。そして今季はその“ルーティーン”に、この上ない自信が加わっている。昨年王者の本拠に乗り込む今節は、置かれた状況的に上位直接対決という重要性をはらむ。そうした外的要因も気にならないほど、名古屋というチームはいま、強さを誇示できている。

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