【赤鯱短信】チームを活かし、チームに活かされる野上結貴。その懐の深さが名古屋を変えていく。
これだけの実力者なのだから、何も不思議なことではない。ただ、あまりに鮮やかすぎて驚きはあった。キャンプ中はなかなか序列が上がらず、開幕寸前まで本人も「ここから上げていかないとね」とアピールの立場を強調していたのだ。練習中の動きは良い。しかしそれだけでポジションを奪えるほど簡単な話ではない。長谷川健太監督はその点について練習試合も重要な評価の場として捉えている一方、「公式戦のメンバーに入った選手で、もしコンディションが悪くていつもの自分の力を出せないと、自分自身で判断するのであれば試合はやらなくていいと話している」と、プロとしての判断を尊重する意向を示していた。
かくして野上結貴は開幕後の練習ゲーム2試合をどちらも欠場。途中出場した横浜FC戦翌日はともかく、出場のなかった京都戦翌日もリカバリーのみで調整を続け、リーグ鳥栖戦、ルヴァンカップ神戸戦での好パフォーマンスにつなげていったのだから、実にプロフェッショナルなお手並みだったと感心もする。31歳、来月には32歳を迎えるベテランの調整法でもあるのだろうが、確固たる自信なくしてその選択も難しい。そしてなおのこと、彼に見えているものに興味が湧いて仕方がない。
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