赤鯱新報

【横浜FCvs名古屋】プレビュー:様々な蓄積を土台に、今季の表現に挑む一戦目。良い幕開けを迎える準備はできている。

■明治安田生命J1リーグ 第1節
2月18日(土)横浜FCvs名古屋(14:00KICK OFF/ニッパツ)
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時間というのは楽しければ楽しいほどあっと言う間に過ぎていく。夢中になって、充実している時間ほど短く感じる。30年前に産声をあげたJリーグはすっかり大人になり、ワールドカップで話題になる日本代表を生み出す基盤ともなった。名古屋グランパスは開幕前夜の1992年に誕生し、30周年イヤーの昨季は厳しい闘いを強いられたが、その悔しさをバネとした高いモチベーションのもとで準備を進めてきた。1月10日からの約6週間を使って調整を重ねてきた2023年版名古屋の出来はまずまずのもの。「結果がどうなるかはわからない。ただ、良い準備ができれば良い結果につながる確率は上がる」。長年の経験から長谷川健太監督は慎重な言葉選びに気を払っていたが、少なくとも昨年のようなドタバタ感はない。何が言いたいかというと、30年も、6週間も、あっという間だった。その理由は、すでに書いた。

つくづく感じるのは、蓄積の重要性だ。クラブとしての歴史はリーグ最長のオリジナル10でも、いまだ確固たるクラブカラー、根本的なスタイルが明確なチームではない。黄金期と呼ばれたいくつかのシーズンはヨーロピアンなフットボールの香りがしたものだが、それをクラブとして追求し続けてきたかと言えば断言できないところがある。どちらかと言えば就任した監督によって色を変えるところがあり、ゆえに継続性に乏しいところがあった。特にここ7~8年はかなり方向性の違う指揮官を次々と起用してきたことから、選手もサッカーも二転三転している。そこに今じわじわと、そして着実な手応えを伴って、足し算のサッカーが組み上げられてきた感覚が芽生えてきた。

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