赤鯱新報

【2023新春特別企画】 唯一無二の映像を生み出す男たちの想い。熱く赤いスタジアムを生み出す“舞台演出”/part1.“最長”の2016年、ひとつの転機

※画像はイメージです

ここ数年、ずっと思っていたことがあった。「名古屋グランパスの選手紹介は凝っている」。アウェイゲームの取材に行く度に、演出の豪華さや手の込んだ表現、とにかく名古屋の制作スタッフの気合を感じずにはいられなかった。いわゆる“舞台演出”であるこうした試合前映像の数々は、もはや作品と呼べるだけのクオリティと見どころがあり、どこかで一度詳しく聞いてみたい…。という想いにご快諾いただき、今回は新春の特別コラムとして名古屋グランパスの運営・イベントグループの杉野由仁郎さんと、制作チームを代表して株式会社WONDERSの岩田玲さんのインタビューをお届けする。試合前のお楽しみとして定着したあの映像の数々に携わってきたお二人の話は期待通りに面白く、興味深いものに。新年の読み物として、ぜひぜひご一読を。

Profile
杉野由仁郎
名古屋グランパス マーケティング部 運営・イベントグループ グループリーダー
2009年名古屋グランパススクールコーチに始まり、2013年からはフロントサイドに転向しスクール運営に従事。2017年より現運営・イベントグループにて試合運営、映像制作などの演出やイベント企画などを統括しチームを支えている。

岩田玲
WONDERS Inc.代表 クリエイティブディレクター・ストラテジスト
戦略的にクリエイティブを考える人。クリエイティブのチカラでチームやビジネスを本質的に強くすることを常に目指しています。グランパスファン歴は20年。2009年よりプロモーションや制作、スタジアム演出などグランパスのクリエイティブに携わっています。

1.“最長”の2016年、ひとつの転機

Q:今回は試合開始前の選手紹介の際に流れる映像の制作についていろいろお聞きしたいと思い、クラブのご担当である運営・イベントグループのリーダー杉野さん、そして株式会社WONDERSの岩田さんにお話を伺います。とにかくここ数年、それまでもそうだったのですが、特にこの数年で名古屋の試合前映像は他クラブに比べても気合が入っていることを感じていたんです。作品としての作り込みと言いますか。

杉野:他のクラブの方からも、「名古屋ってすごいものを作っていますね」というお声がけをいただいたり、そういった声を他の場所でも耳にします。私も運営担当としてアウェイの試合に行くと、相手クラブの選手紹介を見せていただきますし、本当にいろんな形がある中で、名古屋の映像にはオリジナル感があるというか、我々ならではの表現ができていると感じるところはありますね。

岩田:僕はもともとゴール裏のサポーター出身でして、オリジナリティみたいなところは、グランパスファミリーの気質や独自性や熱量みたいなものとして、もとからすごくあると思っていました。それを表現すること自体が映像を受け入れていただけるかどうかという部分になってくると考えています。自分自身がサポーターでもあるので、必然的にああいった熱量のある仕上げ方になっていくというか。

(残り 3074文字/全文: 4383文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ