赤鯱新報

【クラブニュース】クラブ30周年記念スペシャルオークションの落札者、岡本琢也さんの「30番ナンバーオーナー決定記者発表会」レポート

最後は社長、GM、岡本琢也さんの3ショットで記念撮影。サポーターの愛を感じることができた良い会見だった。

第30節広島戦当日の9月17日、試合開始前の豊田スタジアム記者会見場にて、クラブ30周年記念事業のひとつである「スペシャルオークション」の落札者による「30番ナンバーオーナー決定記者発表会」が行なわれた。その名の通り、クラブの周年にちなんだ背番号30のオーナーとなれる企画で、225件の応募の中、見事に落札したのは東京都在住の岡本琢也さん。10歳の頃からの生え抜き名古屋グランパスサポーターで、落札額は何と驚きの90万円! 「名古屋に来られるのは年2回で、本当にクラブに貢献できているのか…」という感涙ものの決意には、山口素弘GMも「トシを取ったからか泣きそうに…」と目を潤ませていた。岡本さんのクラブ愛はとにかく深く熱く、こうして何かを説明するよりもその言葉をお聞きいただく方が早いかと思う。今季終了まではクラブ公式HPの選手紹介のページに30番の選手として掲載される「今季最後の補強」(山口GM)がすでに成功していることが、よくわかるはずだ。

【記者会見】

小西工己社長
「名古屋グランパスの小西でございます。お暑い中、このようにたくさんの方にお越しいただきまして、幸せに思います。最近はこのような記者会見をやったことがなかったので、やっぱりハレの記者会見っていいものですね(笑)。皆様方と、この記者会見自体も楽しませていただきます。

クラブ30周年の今年は記念すべきシーズンであります。2月から始まった長い戦いも本日のサンフレッチェ広島戦を入れて残り5試合となりました。もう、本当にあと5試合なんですね。コロナ禍の中での戦いが続いていますが、8月からは声出し応援も一部解禁されまして、スタジアムに声援、チャントが鳴り響き、ファミリーの皆さんの存在の大きさを改めて感じている昨今であります。どんな時も共に戦ってくださる皆様方に心から感謝している状況です。

さて、30周年の記念試合を開催する本日、チームに新たなメンバーを迎えることになり、大変うれしく思っています。30周年記念オークション、こちらにご参加いただき、背番号30のナンバーオーナーになっていただきました、岡本琢也さんです。30年間ずっとクラブを応援してくださっている方です。共に歩み、闘い続けてくださったこと、今回の大きなご支援に心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。

先ほども少しお話をうかがったんですが、Jリーグが始まってすぐ、東京にご在住にもかかわらず、この後話があると思いますが、グランパスを好きになっていただいたということです。そして首都圏のファン、サポーターに囲まれながらも当時、山口素弘が来る前の弱小だったグランパスも心より応援してくださった。しかも、奥さんもずっと旦那さんをサポートしてくださった。仲が良いんですね、うらやましいぐらいに。ずっとグランパスを応援してくださった。この30番を背負う岡本様には、チームの一員として特別な体験をしていただきまして、名古屋グランパスをさらに好きになっていただければと思います。…これ以上好きになっていただいたらどうなってしまうんだろうとは思いますが(笑)、私と山口がその対応をさせていただきます。何よりも勝利が一番の喜びだと思いますので、本日も長谷川健太監督の目指す、熱くアグレッシブな闘いで共に勝利をつかみたいと思います。

名古屋グランパスは岡本様はじめ多くの方に支えていただいております。30周年の記念オークションを通じて、ご支援いただいたすべての方にこの場を借りて御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。皆様にいただいたご支援を糧に、大切なファミリーの皆様とともに、喜び、笑い、時には涙し、分かち合ってきた過去の思い出を次の30年、50年、1センチュリー、その先の未来へも紡いでいきたいと思っています。これからも皆様と共に、笑顔と喜びにあふれる歴史を紡いでいきたいと思っています。今日はよろしくお願いします」

山口素弘GM
「皆さんこんにちは。名古屋グランパスGMの山口です。Jリーグ開幕当時から、私も選手として走り回り、このグランパスでも4年間プレーさせていただき、いろいろな経験をさせていただきました。それで今の自分があると思っています。ですので、本当に本日クラブ30周年記念試合を開催するということ、そしてそれにかかわってきた者として、大変うれしく思っています。30年間ずっと名古屋グランパスを応援してくださってきた岡本さんには、このクラブにかかわって30年を歩んでいただき、そしてそれだけではなく、このような大きなご支援をいただいたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。おそらくは私が選手時代も声援を送っていただいていたんだろうなと思うと、感慨深い気持ちにもなります。おそらく熱い声援の倍以上のブーイングもあったかと思いますが(笑)、私自身はブーイングは声援の一部だと思っていますので、そのことは水に流します(笑)。

そう言いながらも今日こうしてお会いすることができて、本当に大変うれしい思いです。岡本さんには今日からこの30番をつけていただきます。そしてチームの一員として、これまでとは少し違ったポジションで、チームをサポートしていただき、そして最終戦までチームと一緒に戦っていただきたいと思います。クラブの公式サイトの方に、岡本さんのプロフィールも載ります。この加入がより良い風をチームに吹き込んでくれるのではないかと思っています。

そしてひとつ、皆さんにご報告というか、岡本さんの人柄をお伝えできればなと思います。30番のナンバーオーナーの特典として、勝利試合の選手が着用したユニフォームをプレゼントさせていただく予定だったのですが、岡本さんから受け取りの辞退が申し出されました。これは嫌というわけではなく(笑)、自分が受け取るのではなく、それでチャリティーオークションなどで活用していただけないか、と。そういう提案をいただきました。本当に素晴らしい人です。改めてこうして30番のナンバーオーナーになっていただき、ありがとうございます。活用方法についてはクラブの方でしっかり検討させていただきます。

こうしたありがたい後押しに恩返しするためにも、シーズン残りは少ないですが、1試合1試合しっかりと闘い、共に喜びを分かち合っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」

岡本琢也さん
「皆様はじめまして、こんにちは。岡本琢也と申します。このような会見はもちろん初めてですので、緊張していますので、うまく話せない部分もあるかと思いますけれども、お手柔らかにお願いします(笑)。まずはこのような会見の場を開いていただいてありがとうございます。またこのような会見をさせていただける機会を与えていただきまして、小西社長、山口ゼネラルマネージャーには感謝でいっぱいです。ありがとうございます。また今日の会見に先立ちまして、日程調整であったりで私のわがままをたくさん聞いていただいたグランパスの光持様、ハットトリックの福重様、立田様もありがとうございます。御礼申し上げます。

今回、オークションに参加させていただいたんですけども、まずはじめはスポーツナビというアプリを仕事の帰りに見ていて、そこでこのオークションの企画を知りまして、もうすぐにグランパスの公式HPを確認して、もうワクワクが止まらなくて。これは自分でやりたいな、という一心で、これは絶対に申し込もう!と思って詳細などを調べました。今日、たぶんいらっしゃっている赤鯱新報さんも私、購読させていただいているんですが、会見でインタビューを最初にしますと書いてあったので、自分が落札したら何を聞かれるのかな、ということを想像しながらオークションに参加したというか、やろうと思いました。妻にはなかなかお願いするのも難しいところがあったんですが、私の想いをいろいろプレゼンさせていただきまして、半ば強引に今日に至るというところです(笑)。

私はずっと東京に住んでおりまして、アウェイの試合には行くことができるんですけども、名古屋に来るのは年に2回で、なかなかグランパスに貢献できているのかなという想いはありました。ファンクラブは入っているんですけど、シーズンチケットを購入したりというのはなかなか難しいので、名古屋に住んでらっしゃるサポーターの方々とは境遇が違うので、こういったところで何かチームのためになればということで、お金が使えるのであればということで。非常に私にとっては、体験企画もあるし、チームにも貢献できて、素晴らしい企画だなと思ってある程度の予算をもって挑んだところ、無事に落札することができて、今日を迎えることができました。本当にいろいろな、写真撮影もさきほどさせていただきましたけど、もう胸がいっぱいで。もうここまででもいっぱいなんですけど、ぜひ今日グランパスが勝ってもらえれば、それが一番になるのかなと思います。この後の試合も楽しみにしたいと思います。

30番という番号はあまり今まで自分の中では気にしたことのない番号ではなく、今までは8番という数字が好きな番号だったんですけど、これからは8番と、30番を自分の番号にしていきたいなと思います。

最後にクラブへのお願いを、とのことですが、ここ数年間で当たり前のことが当たり前にできなくなった世の中になってしまって。先ほどのチャリティーオークションの話もありましたが、自分の好きなサッカーチームがあって、試合をしているところを見ることができるだけで、本当に幸せなことなんだなと、ここ数年ですごく強く思っています。当たり前のことができなくなるのは悲しいなと思いますし、このままグランパスが、先ほど社長から1センチュリーというお話がありましたが、私の願いとしては毎年優勝争いに絡んで、日本代表はグランパス出身ばかり、になるのが一番良いことなのかもしれないですけど、いま30年で50年、100年、グランパスがファミリーのずっと側にいてくれること。当たり前のようにサッカーの試合をしてくれることが、私としては一番のお願いだなという風に今は思っております。ただ、ひとつだけ。J2に落ちるとすごく悲しかったので、J1でずっと、これから先も永久にグランパスが続いていっていただければという風に思っています。

今年30周年ということで、私はいま40歳なんですけど、50周年の時にはちょうど還暦の60歳なので。ぜひ背番号50の赤いユニフォームを着て、一緒に戦えればと思いますし、100周年の時は110歳なので、そこまではどうかなというところがありますけど(笑)。ぜひ長生きして、ユニフォームを着続けていきたいなと思います。そういったところで私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございます」

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