赤鯱新報

【名古屋vs川崎F】プレビュー:乾坤一擲。場外戦もそこそこに、目を凝らしたい川崎とのぶつかり合い。

■明治安田生命J1リーグ 第22節
9月14日(水)名古屋vs川崎F(19:30KICK OFF/豊田ス)
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このタイミングで川崎とのホームゲームを戦うことになった経緯については、純粋のこの好カードを楽しみたい見地からすれば場外戦としてあまり触れたくはない。だが、その下敷きとなっている部分に罰金が科せられる処分があったのだから、無視するわけにはいかないのもまた確か。気を付けなければいけないのは、長谷川健太監督も川崎の鬼木達監督も言うように、選手やスタッフに何かの罪があるわけではない一方で、今回の裁定が出たから名古屋がまったく悪くないというスタンスを取るのも違和感があるということ。もともと試合ができない状態だったことと、報告の際の不備があったことは別問題で、「Jリーグ関係者の遵守すべき義務の違反」があったことは事実としてJリーグから責任を問われていることを忘れてはいけない。「故意ではなかったにせよ、クラブとしての活動を怠った上で、試合開催の可否が軽んじられたということ自体が大問題」という野々村芳和チェアマンの言葉もしっかりと受け止め、名古屋の側としては粛々と、この“騒動”については構えているべきではないかと思う。

さて本題。神戸とのタフな試合を経てのチームはモチベーションも高く準備を進めているようで、長谷川監督もその様子には頼もしさを感じている様子。試合前のオンライン取材に対応したレオ シルバも、「こういう試合は自分にとっては大きなチャンス」と高ぶりを隠さない。チーム最年長の大ベテランはこの時期になってむしろコンディションを上げている印象すらあり、「良い形でレベルアップしてきているのかな」と嬉しそうに笑った。不用意なボールロストも少なく、相手のプレスをひとりでかわしてアドバンテージを生み出す昨今のプレーぶりは高い水準で安定しており、川崎の強力な構成力、即時奪還のプレッシャーに対しても名古屋のよりどころとなってくれればありがたい。「中盤の選手は大きな責任感を持たなければいけない」という言葉には含蓄が豊富で、彼のハードワークとクリエイティビティーはチームとしてもっと有効活用すべきだ。力を引き出されるだけでなく、仲間がレオの力を引き出す動きが出てくることで、名古屋の好循環は加速する。

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