赤鯱新報

【クラブニュース】第7回Jリーグ理事会後記者会見で、名古屋の誤報告についての事実確認が行われる。

本日7月26日に行われたJリーグ理事会後のオンライン記者会見では浦和に対する懲罰の報告などが行なわれたが、記者からは第22節の名古屋vs川崎戦中止にまつわる保健所からの指導誤認についての質問も飛んだ。同日には名古屋から「トップチーム活動停止に関するJリーグへの誤報告について」というリリースがあったばかりで、管轄保健所とのやり取りの中に齟齬があったことを認め、リーグの調査に対し全面協力する旨も発表されていたところだった。

理事会後のオンライン会見では記者の質問に対し、野々村芳和チェアマンが昨今のコロナ対策の緩和やガイドライン変更の最中だからこそ起こり得た、と表現。「リーグとしてはその時の情報をもとに中止の判断をしているので、その判断が変わることはない」としつつ、そのおおもとの情報に誤りがあったことについてはしっかりと調査を進めていくとした。チェアマンはまた「何かの罰を与えることを前提に調べているわけで今のところない」としており、どの程度の罰にするか、ではなく何が起きたのか、の精査が目的であることを強調し、その上で何かのルールに反することがあれば処罰もありうるとしている。もちろん今回の調査には虚偽の報告であったかもしれない、という可能性も含まれており、クラブの全面協力にはそういった部分での公明正大さも期待したいところ。

今回の誤認、誤報告については諸説飛び交う事態となっているが、とにかく今はリーグの調査結果を待つのみ。野々村チェアマンの言う通り「性善説に立ったルール」に則った上でのミスだったことを願うばかりで、とにかくスムーズな調査の進行と、再試合の日程調整が速やかに済まされることを望む。

〇野々村芳和チェアマンによる返答骨子

Jリーグとしてというか、お話のあった通り、数シーズン前からどうやって試合をしていくか、何としてでも試合を続けていくためにというルール設定はしてありますと。今回の判断をする時の条件は、名古屋から伝わってきた情報が後に間違っていた情報だったということがあったというわけです。リーグとしてはその時の情報をもとに中止の判断をしているので、その判断が変わることはないんですね。これはルールに則っての話をすれば、その後に間違っていたということがわかったということなので、現状は例えば名古屋に対してもそうですし、Jリーグの方もそうですけど、第三者に入ってもらって事実確認をしています。その中で、もしも何らかのペナルティが必要だということがあるのであれば、それはペナルティの対象には当然ながらなると思っています。今はそれを聞き取りを含めて弁護士さんなどにも入ってもらいながらやっているところではあります。一方ですごく難しいなと思っているのは、保健所がどう指導するか、それが果たして指導なのかどうなのかというのは、以前とだいぶ変わってきているんですね。これはそれぞれの地域の保健所によっても違っていたりします。例えば3人しか陽性者が出ていないけども、保健所が指導してクラブに活動停止を指導していたことがあったり、今は10数名出たとしても指導しないという場合も出てきたりしているので。それが指導したのか、「こうした方がいいですかね?」というクラブからの問いに対して保健所の方々が、「そうした方が良いんじゃないかと思います」のどこからどこまでが指導なのかというところが、現状は非常に難しい状況です。これは国のコロナの対策が緩和されてきているような、このタイミングだからこそ起こり得ることだとも思っているので。確かに今回の件はいろいろなステークホルダーに対して、かなりいろいろな、まあ迷惑がかかったところも当然ながらあると思いますけども、Jクラブ全体としては現状、いろいろなものが変わっていく状況の中で、コロナ対策というものの中で、どういう風に保健所とのコミュニケーションを取るかということは、今回のことを一つよい勉強として、各クラブも取り組んでいるのではないかなと思っています。

調査は何を視野に入れているかということは現状ないです。今回、どうしてこうなったのかというところですよね。あくまでも試合を開催していこうというこのルールは各チームの善意をもとに、性善説に立ったルール設計になっているので。もう1回、そこをいろいろな側面から観察することが今は一番必要なのかなと思います。ここで出てきた事実に何かのルールに抵触するならということがあれば、そのルールに則るということぐらい。何かの罰を与えることを前提に調べているわけで今のところないと思っていただければと思います。

事実確認とは虚偽の報告だったのかということも含めています。これはその時の判断の基準は保健所からの指導ではあったんですけど、一方で試合を中止する時に、最近多いのは13名が揃わないということがあったりするわけですね。濃厚接触者の数も含めて。今回の場合で言うと13名が揃わない、揃わなかったということは現状の調査ではわかっていたりするので、それはそれであるんですが、あの時の決定に対しての報告は果たして正しくできていたのか、できなかったのか、ということを今は調べているということです。

現状の調査としては、(13名揃わなかったという)そういうことも背景にあったということはわかっています。ただこれも名古屋に限ったことではないですけど、全部のクラブが濃厚接触者がこれだけいて13名揃いません、と言ってくるのを、あとから調査するのはなかなか難しかったりもするわけです。今この件に関してはしっかり調べた方が良いと感じていたりするので、リーグと名古屋で協力しながらその背景も含めて見に行っているということです。結果、できなかったよねというのは簡単ですが、とはいえ一番最初の判断の基準となるものが間違っていたのならば、そこは正さないといけないと思うので。まあ、先ほども言いましたがこれは性善説に立ったルールでもありますし、そこは再度確認をしている状況と思ってください。

〇リーグ広報による事実ベースの把握事項
まず本件に関して、7月15日のタイミングで試合中止の判断をしましたが、中止の判断、そして公表の後に保健所からリリースの内容について指摘がありました。その後、リーグの方に名古屋から報告がありました。当初は保健所からチーム活動停止の指導があったという風に認識をしていたんですけども、実際には保健所からは感染予防対策への指導、つまり換気を良くすることやサーキュレーターをきちんと適切に配置する、などの指導はしたが、チーム活動の停止を指導というところまでは言っていないという保健所からのご指摘でした。その内容をクラブからリーグに報告をいただきまして、リーグから両クラブに状況をご説明し、本日に至っていますということです。そして名古屋の保健所からの試合中止に関するリリースの強い訂正要望等があったので、名古屋のリリースについては修正をしたということになります。

川崎側からの具体的な抗議や要望というのはいただいておりません。

reported by 今井雄一朗

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ