赤鯱新報

【名古屋を見つめる冷静な視点:増川新報】第5回前編:2021年終盤戦総括、セットプレーの守備はどうだったのか

2005年から2013年までの9年間を名古屋で過ごし、2010年にはチームのリーグ初優勝に大きく貢献。同年のベストイレブンにも選出された名CBである増川隆洋さんが、この度「赤鯱新報」の“論説委員”として月に一度、その冷静な視点から見た名古屋グランパスについて語ってくれることになった。現役時代はその体格を生かしたパワフルな守備だけでなく、クレバーな戦術眼と試合の流れを読み、分析する力でもチームに多くをもたらした頭脳派は、フィッカデンティ監督率いるチームをどう見ているのか。第5回にして今季最終回となる今回はリーグ最終5節の中から見どころを抽出し、さらには監督交代含めた来季への展望を、かなり雑談多めでお届けする。プロ選手の感覚を感じられる雑談が、実は一番面白かったりするので…。

増川新報第5回・前編
2021年終盤戦総括、セットプレーの守備はどうだったのか

Q:まずは11月・12月の試合で印象に残っている試合はありますか?

「この期間はまず失点が多かったようなイメージがある一方、ゼロが2試合あるからそうでもないところもあって。名古屋は今まで通りにやっていた印象で、形になって得点が取れたら勝ちに持っていけるし、いつものようにという部分では失点も取られる時にはしっかり取られてしまうところもあった。ミス絡みのものもあったけど、セットプレーはやっぱり気になったかな。セットプレーになると、しっかりやられてしまう。けっこう大事なところでスコンと決められてしまうところはあって、勝負どころに弱い感じもそこには出てくる。カップで優勝しているチームに勝負どころが弱いというのも変なのだけど。セレッソとの試合は勝って最終戦で勝点3を獲れば来季のACLがどうか、というところまであったわけだし、あんなに良い形で先制できて、このままいくかな、と思ったら…。1失点目のバーの跳ね返りは難しいかなと思うけど、あれも普通なら跳ね返って外れてくれるところが、ランゲラックの反応が良すぎて当たってしまったところもあってね」

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