赤鯱新報

【2022シーズン昇格内定選手ミニインタビュー】豊田晃大「今は“チャレンジ”を念頭にプレーしています」

豊田晃大

2021年シーズンも残りわずかなのはトップチームだけではない。アカデミーもまた1年間の総決算を出す時期であり、今季はその中に来季のトップ昇格を決めている選手が3人もいる。以前にも昇格内定の際に喜びの声は届けたが、もっとしっかり話が聞きたいと思ったのは筆者だけではないはず。ということで、今回は昇格内定選手たちに改めてインタビューの場をいただいた次第。第2回は1年次からその恐るべき才能を発揮してきた豊田晃大である。だが想定していたインタビューとはちょっと毛色の違うものになった印象だ。天才は悩んでいた。ものすごく悩んでいた。だが、その苦悩に真っ直ぐに向き合っている姿は、とても魅力的で期待を抱かせるに十分だった。

Q:昇格が内定し、ACLの遠征帯同などもあり、現在の自分がトップで活躍するためにと考えていることは何がありますか。

「トップチームの練習参加をして、ACLにも帯同させてもらって。その前は自分の武器であったり特徴であったりを、何でもできる、どこのポジションもこなせるという部分だと思っていたんですが、トップに行ってからこれじゃ通用しないなって気持ちに正直言ってなりました。自分の実力不足を感じた時間でした。自分の武器である止める蹴るの質も、ゴール前の技術やアイデアにしても通用しなくて。止める蹴るなら阿部さんや曜一朗さん、アイデアだったらマテウスや直輝さん。正直このまま、今までのままで過ごしていたら、トップチームに合流した時や、チーム始動した時に、自分がピッチに立っている画を思い浮かべることができなくて。自分は厳しいんじゃないかということを実感しました。そういうトップチームに対する心残りがある状態でユースに戻ってくると、最初の1ヵ月や2ヵ月はトップのサッカーとユースでやることのどちらにフォーカスした方が良いんだろうと、自分の中での迷いであったりもあって。それでスタメン落ちする時期もあって、なかなかうまくいかないことが重なりました。でもこの前、吉村(圭司コーチ)さんと話す機会があって、自分はどちらかといえば監督の言うことを聞かずに自分がこうした方が良いと思うプレーをする選手なんですが、妥協も必要だと。『全部が全部、自分の考えでやったプレーが必ず評価される世界ではない。そこで監督が求めることをやるというのは、例えば移籍しても、どこのチームにいても求められるもの。そこで一度大人の対応というか、心を持ってやるのも大切だ』と言っていただいて。そこでようやく切り替えられました。今はユースの残り1ヵ月、後輩の選手たちのためにもできるだけ還元したい想いもありますし、そこにプラスで自分が成長して、できるだけ多くのものをこのチームに残していこうと思いが強いです」

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