赤鯱新報

【名古屋を見つめる冷静な視点:増川新報】第4回前編:ACLの敗戦に見る、名古屋の拭えない傾向

2005年から2013年までの9年間を名古屋で過ごし、2010年にはチームのリーグ初優勝に大きく貢献。同年のベストイレブンにも選出された名CBである増川隆洋さんが、この度「赤鯱新報」の“論説委員”として月に一度、その冷静な視点から見た名古屋グランパスについて語ってくれることになった。現役時代はその体格を生かしたパワフルな守備だけでなく、クレバーな戦術眼と試合の流れを読み、分析する力でもチームに多くをもたらした頭脳派は、フィッカデンティ監督率いるチームをどう見ているのか。第4回となる10月はルヴァンカップ決勝を中心にピッチ内で起きていた現場の感覚についてが、話題の中心になっていった。

増川新報第4回・前編
ACLの敗戦に見る、名古屋の拭えない傾向

Q:さて10月の名古屋グランパスを振り返りましょう。多いのでいくつかの試合に絞っていこうかと思います。
「10月も忙しかったね。グランパスだけじゃないの? こんなに忙しかったのは」

Q:名古屋は今季のJリーグで一番キツい道のりを歩んでいる気がしますね(笑)
「ACLで海外遠征があったのもまた。聞いてはいたけど、本当に厳しい。タフにはなるけど、結果が出ているところで何とか保つところがある」

Q:逆にそこを考えての少数精鋭、ある程度のメンバー固定なのかなとも思っています。
「確かに、早く負けたら負けたで試合数も減るし、逆に勝っているからこんなに忙しいんだよ、というところに持っていければメンタル的には保ちやすいかもね。負けると隔離もあるからメンタルは厳しくなりそうだ。発散するところがないから。そういうところはあるかもね。メンバーもあまり変えないし」

Q:DFラインはほぼ変えませんね。右サイドバックを選ぶ、あとは出場停止とかに応じてぐらいで。
「そうだね。宮原くんか、成瀬くんか。しかしタフだよ。あれだけ守備が多い試合をして」

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