【トピックス】2021Jエリートリーグの1節が開催。名古屋は横浜FMに0-3と苦いスタートに。

いよいよ名古屋も第1節を迎えた2021Jエリートリーグ。横浜FMとの試合は、U-18のメンバーで挑むことになった。
本日3月22日、今季から開催される2021Jエリートリーグの1節が各地で開催され、名古屋も横浜FMをトヨタスポーツセンターに迎えて初戦を戦った。今回は両チームともにアカデミーの選手を中心としたメンバー構成となり、プロは横浜FMの高卒ルーキー2名のみ。名古屋は育成の観点から監督を吉村圭司U-18コーチとするなどトライアル要素も満載にこの一戦に臨んでいる。

試合を見つめるスタッフ陣。エリートリーグでは吉村圭司U-18コーチが監督を務め、コーチに古賀聡U-18監督、GKコーチに楢﨑正剛コーチが据えられた。
試合は前半だけで3失点を喫した名古屋が終始劣勢の展開となり、後半はスコアが動かないまま0-3で終了した。トップチームと同じアグレッシブな組織サッカーを操る横浜FMは完成度が高く、「一人ひとりがボールを受けるのを怖がって、距離感も遠くなってしまった」とキャプテンの加藤玄は苦い顔。ボールを持った選手が孤立することも多く、甲田英將や豊田晃大ら攻撃のキーマンたちもその実力を発揮したとは言い難い。単発的な速攻は追い越す動きも起こしにくく、蹴っては奪われ前線との距離が空いていく悪循環のなか、リズムをつかんだのは80分を過ぎてからと遅きに失した感が強い。かつてのチームメイトである楢﨑正剛GKコーチとともにチームを率いた吉村コーチは「もっとやらなければならないという基準が明確になった試合だった」としたが、プレミアリーグの開幕直前にそれを体感できたことには意義があったか。選手の自主性を尊重し、自分たちの判断力でゲームを挽回したという点では、確かに次への可能性は膨らませたともいえる。

ドリブルのキレ、ボールタッチの細かさは流石のものがあった甲田英將だが、今日は孤立することが多かった。
名古屋のトップチームで出場機会をうかがうメンバー、特に藤井陽也や石田凌太郎などの若手の出場がなかったのは何とも残念だったが、今後はアカデミーの選抜チームにそうしたメンバーを織り交ぜて戦うことにはなりそうだ。「来てくれた選手たちに対してプレーしやすい場にしたり、選手たちがより成長するための働きかけができれば」という吉村コーチの言葉からすれば、トップチームの育成の場の拡大というよりは、広い意味での若手の育成の場という捉え方が、名古屋としてのエリートリーグの捉え方になっていると感じた。その中で、2種登録されている甲田は「プロに直結する場だと思っています」と鼻息も荒く、加藤もまた「そういった選手に打ち勝たないと自分たちのトップ昇格はないと思っている。今日はもったいなかった」と悔しさをあらわにした。彼らのモチベーションの高さは、それだけでこの新たな大会の存在意義を示すようでもあった。
次節以降の開催はまだ日程が明らかにされていないが、まず1戦を行なったことで今後の運用も様々に検討されていくはず。エリートリーグの監督については固定することはないようで、次節は誰が呼ばれ、どのようなゲームと戦い方をその時々の“監督”が選んでいくことになるのかは逆に楽しみにもなってくる。敗戦スタートにはなったが、それだけに成長を感じられる場となるならば、もう一つの名古屋の戦いからも目が離せなくなってきた。
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- 1トップの真鍋隼虎を起点に攻め込んでいく名古屋。ボランチの齊藤洋大も果敢にポジションを上げていく。
- 相手のビルドアップにプレスをかける真鍋隼虎。ゲームキャプテンとして試合ではキャプテンマークを巻く。
- チームキャプテンの加藤玄。チームの心臓部、ボランチの位置から味方を鼓舞したが、横浜FMのプレッシャーに苦戦も多かった。
- ゲームメイカー齊藤洋大は激しいプレッシングになかなか本来の力を発揮できずにいた。
- 右サイドバックで奮闘した葉山新之輔。名古屋のシンノスケはここにもいる。
- 新高校1年生の源平倭人は抜擢とも言えるトップ下起用で奮起した。ボールタッチは柔らかいが、周囲との連係にはやはり課題を残した。
- GKは沖縄キャンプにも参加していた宮本流維。横浜FMの猛攻にさらされたが、ビッグセーブもまた多かった。