【若鯱通信】第11回:プレミア参入戦直前インタビューその2 杉田将宏選手「内容よりも結果が大事。今度は勝って泣きます!」
最終学年の今季は杉浦文哉とのダブルキャプテン体制でチームを牽引。
プリンスリーグ東海では15得点で得点王にも輝く充実のシーズンとなった。
昨年、プレミアリーグからの降格に悔し涙を流した熱い男は1年後の今、
プレミア参入戦を歓喜の涙で飾ろうとしている。
「J1昇格プレーオフには良い影響をもらった」
Q:いよいよプレミア参入戦です。今の心境は?
チームはプリンスリーグ東海をかなり良い形で終えることができたので、そのままの雰囲気で参入戦に入っていければと考えています。春先はけっこう良い形でみんなでやりたいプレーができていたのですが、途中でそれが失速してしまう時期がありました。だけど、最後はまた追い上げることができたと思っています。
Q:1年のチーム状態についてはキャプテンとしてどのように感じていたのですか。
やっぱり失速した時期が気にはなりましたね。自分でもうまくいっていないなと感じていました。だから練習で選手同士の話し合いをして、それが今につながるものにできたと思います。そういった部分でもここまでのチームのやり方としては間違っていなかったかなと思っていますね。
Q:キャプテンとして自分主導で行なったことだったのでしょうか。
僕だけでなく、みんなも一緒に考えてくれました。3年生と2年生が中心になってしっかりとお互いに話をすることができたと思います。良い意見交換になりました。悪い時期というのは試合中にもネガティブな発言が増えていたところがあったんですが、練習中に話し合うことでその意図が伝わるようになったんです。そこからはまた自分たちの思うようなプレーができるようになって、前向きな声掛けが増えていきました。そうなると良い雰囲気で試合に臨めるようにもなりましたし、大きかったです。
Q:戦い方は1年を通じて変えることなくやってきたのでしょうか。
はい。やること自体は変わっていませんが、先ほども言いましたが失速した時期には思うようにプレーできないということはありました。
Q:その中で杉田選手はプリンスリーグ東海の得点王に輝いています。
はい(笑)。もちろんFWなので、目に見える結果として得点王というのは狙ってはいました。個人として得点王でリーグを終われたことは良かったと思います。でも実際はもっと得点を決められる場面はありましたし、そういう細かい部分までを突き詰めていかないと、参入戦では勝って行けないとも思っています。一つのチャンスでちゃんとゴールが奪えるようにしていきたいですね。今季はボランチをやっている時期もあったのですが、1年を通してコツコツとゴールは重ねられたかなと思います。自分でも成長を感じたところでした。
Q:杉田選手といえば豊富な運動量とボールに関わる回数の多さが持ち味です。その点で成長した部分はありましたか。
去年に引き続きというか、運動量の部分ではけっこう前から行こうというのは意識している部分です。今年はジョナタンとの距離感が近くプレーできていて、僕ら2人の関係で攻撃をうまくやっていこうという意図をもってやっていました。例えばジョナタンが降りれば自分は背後を狙いますし、そういう2人の関係性を意識してきました。もちろん自分たち2人が全ての攻撃に関われるわけではないので、事前にボランチやCBの選手とも話はしていて、自分たちが良い状態の時にパスを出してくれるような要求はしていました。
Q:今季は前からの守備でショートカウンターを狙うのも一つの武器でした。
個人的には前から行きたいタイプですしね。監督からもチームには前から行くぞということをかなり強く求められていたので、そういう面でも自分には合っている戦い方です。
Q:参入戦をどうイメージしていますか。
負けたら終わりですから、内容も大事ですが結果が一番大事だと思っています。何が何でも勝つという気持ちで戦いたいと思います。
Q:奇遇にもトップチームも同じような戦いを勝ち抜いて昇格を決めています。影響を受けたところはありますか。
はい。僕もあの決勝戦は見に行っていました。同じような負けたら終わりという状況で、トップの選手たちがゴール前で身体を張っているのを見て、やっぱりこういう戦いをしないと厳しい試合というのは勝てないんだなというのは感じました。
Q:杉田選手は昨年の終盤戦で勝点が奪えず、涙を流していた姿が記憶に残っています。そういった経験がこの厳しい戦いで力になると感じている部分はありますか。
去年、降格してしまったことは本当に残念なことでした。今年は本当にプレミアリーグでやりたかったんです。前々から最高学年の年はプレミアで結果を残したいってずっと考えていました。だけど、降格してしまった。それが本当に悔しくて。でも、自分が1年生、2年生と経験してきたプレミアリーグを、下の学年の選手たちにもプレーさせてあげたいと思って今年のシーズンに入りました。チームをプレミアに上げたいと思ってやってきた1年でした。
Q:自分のための戦いをイメージしていたところが、後輩のための戦いにもなったわけですね。
そうですね。シーズンが始まって、プレミア昇格をチームの目標としてやってきました。そういう気持ちは強くなっていきました。
Q:その想いでやり通せた感覚はありますか。
結果として1位になり、プリンスリーグ東海で優勝することはできました。でも失速してしまった時期もあったし後悔している場面もあるんです。参入戦に進めたことは、良かったと思いますが。
Q:もう一つ、髙田監督を始め、ともに戦ってきたスタッフの方々も数名、これが最後の仕事になります。その人たちのためにも頑張りたいですよね。
そうですね。僕はU-18からチームに加わった選手ですが、1年の頃からテツさん(髙田監督)や佐賀さんにすごくお世話になりましたし、コーチのヤマ(山崎)さんは2年生の時には監督でした。最後は笑顔で終わらせてあげたいなと思っています。(深堀)隼平くんにも「頑張れよ」って言われました。
Q:最高学年としてのこの1年はいかがでしたか。
3年生ということでチームの中心として、去年までとは違って自分がやらなければいけない立場だと感じました。そういうところでの声掛けやプレーで引っ張るということは、自分でもできたと思っています。キャプテンとして、というわけではなく、普段からやってきたことをそのままやっている感じでした。ただ、苦しい時に声を掛けたりするときには、自分がキャプテンだということを意識してやっていました。
Q:これがグランパスの選手としてはひとまず最後の仕事になりますね。
これでユースの活動は終わってしまうので、一つの締めくくりとしても絶対に昇格して、良い形でその終わりを迎えられるようにしていきたいです。
Q:髙田監督が今度は勝って泣いてほしいと言っていました。
テツさんが? はい、今度は勝って泣きます!(笑)。すぐ泣いちゃう方なんで、勝ったら絶対に泣くと思います!
■試合日程
高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ参入戦1回戦
12月15日(金)(11:00KICK OFF/広島ス)
名古屋グランパスU-18vs長崎総合科学大学附属高校
※参入戦の組み合わせ(PDF)