赤鯱新報

【甲府vs名古屋】レビュー:力技に頼らざるを得なかったアウェイの夜。2点差を巻き返したドロー劇に、どれだけの価値を見出すべきか。

■2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ第12節
5月14日(土)甲府 2-2 名古屋(18:34KICK OFF/中銀スタ/10,184人)
得点者:49’田中佑昌(甲府)68’松橋優(甲府)80’シモビッチ(名古屋)90+2’古林将太(名古屋)
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結果からすれば意地で勝点1をもぎ取った試合だったが、辛くも引き分けに持ち込んだ、と言いたい内容だ。スタメン起用された矢田旭は「今日の試合に自分の存在価値はなかった」と視線を落とし、野田隆之介は何も言わずにミックスゾーンを去った。彼らをどう生かしたかったのか。それが見えなかったことが、残念でならなかった。

川又堅碁の言葉は本当だった。試合前日、「聞く人間違ってるで、オレじゃなくて、アイツだよ」と指さしたのが矢田だった。小倉隆史GM兼監督は「いろいろな組み合わせを見た」と語っていたが、甲府に対するスタメンには、予想外の2人が選ばれていた。前節で負傷した和泉竜司の代役のみならず、パフォーマンスを落としていた古林将太についてもスタメンから外し、代わりに右サイドハーフに野田を入れ、トップ下には矢田が起用された。狙いは言わずもがなの地上戦。テクニックに優れる選手を前線に並べることで、甲府の堅陣をコンビネーションで打ち崩していこうという目論見は火を見るよりも明らかだった。

しかしながら、この日最大の誤算が選手起用だったこともまた、明らかだった。

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